精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問60
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問題
第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Cさん(23歳、女性)は、高校3年生の春ごろから、「周りから悪口をいわれる」「死にたい気分になる」と話すようになり、精神科初診時に統合失調症と診断された。卒業後は予備校へ通学したが、幻聴が強く、自殺企図があり、3か月間入院した。入院を契機に予備校を退学し、退院後は自宅学習を続けながら、メロン・梨・トマトなどを栽培する実家の農業を手伝っていた。両親、祖母と同居し、きょうだいはいない。
集中力の低下、幻聴体験が継続し、 Cさんは大学進学を断念。20歳の春からは実家の農業でトマト栽培を担当し、給料をもらうようになった。月2回の外来受診を継続し、ときに幻聴体験、対人緊張が高まる場面でのめまいや動悸、自傷行為があるものの、入院するまでには至らなかった。家事を母親と分担し、仕事の合間には、中国語講座に参加したり、好きなミュージカルの公演やコンサートを楽しんでいた。
21歳のとき、 Cさんは「毎年主治医が変わっている。いろいろゆっくり話ができる相手がほしい」と希望し、主治医からD精神保健福祉士に継続面接の依頼があった。
初回面接で、 Cさんは「時々、ふっと死にたくなるときがある」「農業には自信ができてきた」「家族に心配かけたくない、病気のこともいろいろ話せない」「同級生に会うと、やはり進学したかったと思う」「人と一緒の場は緊張して疲れる」「仕事や生活も、このままでいいのかと考えてしまう」と語った。
半年後、 Cさんは、町内会の行事に母親の代理で参加することになり、幻聴体験、希死念慮が強まり、2か月間入院した。自宅への退院に際し、「人付き合いが心配。でも、気楽に話ができる場があるといい」というCさんに、 D精神保健福祉士はデイケアでのグループ活動へ参加することを提案した。
その後1年が経過し、 Cさんの病状はずっと安定している。面接の中で「トマト栽培は出荷を任されるようになった。育てることが面白くなってきた」「中断していた中国語講座に行き始めた」「また悪くなるかもという不安はあるけど、デイケアの時間を他のことに使って、自分のできることを広げてみたい」と話した。
次の記述のうち、この時点で、 D精神保健福祉士が行うCさんへの支援として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(23歳、女性)は、高校3年生の春ごろから、「周りから悪口をいわれる」「死にたい気分になる」と話すようになり、精神科初診時に統合失調症と診断された。卒業後は予備校へ通学したが、幻聴が強く、自殺企図があり、3か月間入院した。入院を契機に予備校を退学し、退院後は自宅学習を続けながら、メロン・梨・トマトなどを栽培する実家の農業を手伝っていた。両親、祖母と同居し、きょうだいはいない。
集中力の低下、幻聴体験が継続し、 Cさんは大学進学を断念。20歳の春からは実家の農業でトマト栽培を担当し、給料をもらうようになった。月2回の外来受診を継続し、ときに幻聴体験、対人緊張が高まる場面でのめまいや動悸、自傷行為があるものの、入院するまでには至らなかった。家事を母親と分担し、仕事の合間には、中国語講座に参加したり、好きなミュージカルの公演やコンサートを楽しんでいた。
21歳のとき、 Cさんは「毎年主治医が変わっている。いろいろゆっくり話ができる相手がほしい」と希望し、主治医からD精神保健福祉士に継続面接の依頼があった。
初回面接で、 Cさんは「時々、ふっと死にたくなるときがある」「農業には自信ができてきた」「家族に心配かけたくない、病気のこともいろいろ話せない」「同級生に会うと、やはり進学したかったと思う」「人と一緒の場は緊張して疲れる」「仕事や生活も、このままでいいのかと考えてしまう」と語った。
半年後、 Cさんは、町内会の行事に母親の代理で参加することになり、幻聴体験、希死念慮が強まり、2か月間入院した。自宅への退院に際し、「人付き合いが心配。でも、気楽に話ができる場があるといい」というCさんに、 D精神保健福祉士はデイケアでのグループ活動へ参加することを提案した。
その後1年が経過し、 Cさんの病状はずっと安定している。面接の中で「トマト栽培は出荷を任されるようになった。育てることが面白くなってきた」「中断していた中国語講座に行き始めた」「また悪くなるかもという不安はあるけど、デイケアの時間を他のことに使って、自分のできることを広げてみたい」と話した。
次の記述のうち、この時点で、 D精神保健福祉士が行うCさんへの支援として、適切なものを1つ選びなさい。
- 自立支援給付を利用するためのアセスメントをする。
- 病状の変化が心配なので、このまま様子を見る。
- 農業をもっと学ぶことができる場や機会を探す。
- 当事者活動に積極的に参加するよう勧める。
- 両親の意見や意向を優先する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.「病状はずっと安定している」ことから、自立支援給付を利用するためのアセスメントをすることは適切ではありません。
2.1年間病状が安定しており、本人の意欲も高まっていることから、このまま様子を見るのではなく、Cさんのできることを広げる支援を行うことが望ましいといえます。
3.「トマト栽培は出荷を任されるようになった。育てることが面白くなってきた」というCさんに対し「農業をもっと学ぶことができる場や機会を探す」ことは適切な支援といえます。
4.当事者活動への関心が読み取れる記載はないため、当事者活動に積極的に参加するように勧めることは適切ではありません。
5.両親よりも本人の意見や意向を優先することが大切です。
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02
2.誤答。本人のニーズがあるのに未来の病状悪化を理由に支援をやめるのは間違った支援方法。
3.正答。現状では現実的な援助。
4.誤答。明確な本人のニーズが聞かれていない。
5.誤答。本人よりも両親のニーズが優先されることは少ない。
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03
「農業をもっと学ぶことができる場や機会を探す。」
(説明)面接のなかでCさんは「トマト栽培は出荷を任されるようになった。育てることが面白くなってきた」と話しています。ですので、本人の興味や意欲のある活動への支援が適しています。
※D精神保健福祉士が行うCさんへの支援として、適切なものを選ぶ問題です。
1 . 適切ではありません。
「自立支援給付を利用するためのアセスメントをする。」
(説明)Cさんは「また悪くなるかもという不安はあるけど、デイケアの時間を他のことに使って、自分のできることを広げてみたい」と話しており、中国語や農業への興味を語っています。障害福祉サービスの利用希望は読み取れません。
2 . 適切ではありません。
「病状の変化が心配なので、このまま様子を見る。」
(説明) Cさんは「また悪くなるかもという不安はあるけど、」と話していますが、1年間病状は安定しています。ですので、病状の変化が心配で様子を見るのは適していません。
4 . 適切ではありません。
「当事者活動に積極的に参加するよう勧める。」
(説明)Cさんの話の中で、以前「気楽に話せる場があればいい」と言っていたことはありますが、特に当事者活動に興味があると話していたことはありません。
5 . 適切ではありません。
「両親の意見や意向を優先する。」
(説明)事例で両親の意見が読み取れない、なた、本人の意向より両親の意向が優先されることはありません。
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