精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
人体の構造と機能及び疾病 問86

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問86 (訂正依頼・報告はこちら)

発達障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 学習障害(LD)の原因は、不適切な学習環境である。
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療には、薬物を用いることがある。
  • 自閉症(自閉性障害)の症状は、通常6歳以降に出現する。
  • 自閉症(自閉性障害)の多くは、精神遅滞を伴わない。
  • 自閉症(自閉性障害)の原因は、親の冷たい養育態度である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。メチルフェニデート塩酸塩徐放錠、アトモキセチン塩酸塩といった薬が使われます。これらは脳内で働くドパミン、ノルアドレナリンの働きを高め、ADHDに効果があると言われます。

他の選択肢については以下のとおりです。

1→学習障害の原因は、生まれつきの中枢神経の障害として考えられています。

3→自閉症の症状は3歳くらいまでに出現します。

4→自閉症には高機能自閉症と低機能自閉症とがあります。前者は伴いませんが、後者は精神遅滞を伴います。

5→先天性脳機能障害が原因だといわれています。

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02

正答【2】

1.誤答
学習障害の原因は完全には解明されていません。しかし不適切な学習環境が原因ではありません。
話し言葉や書き言葉を理解する基本的処理や、数や空間の論理的把握が困難なため脳の部位や中枢神経に何らかの異常があると考えられています。

2.正答
ADHDには3つの薬が認可され治療に使用されています(2017年現在)
・コンサータ(主にドーパミンに作用し、神経伝達物質の再取り込みを抑制)
・ストラテラ(主にノルアドレナリンに作用し神経伝達物質の再取り込みを抑制)
・インチュニブ(2017年5月に発売された新しいADHD治療薬)

3.誤答
自閉症は知的障害を伴う場合には1歳半頃、伴わない場合には集団生活が始まる3歳以降に顕著に現れてきます。
WHOの「ICD-10」では、3歳以前の子どもの頃に現れる発達の異常や障害を「小児自閉症」と診断しています。

4.誤答
自閉症には精神遅滞を伴うを場合が多く、精神遅滞を伴わない場合は「高機能自閉症」と呼ばれます。

5.誤答
自閉症は多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害なので、養育態度は関係ありません。

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03

1.誤答。学習環境は関係ありません。

2.正答。その通り。

3.誤答。自閉症は3歳までに現れます。

4.誤答。自閉症の多くは知的障害を伴っていることが多いです。

5.誤答。教育態度は関係ありません。

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