精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
社会理論と社会システム 問101
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問題
第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 社会理論と社会システム 問101 (訂正依頼・報告はこちら)
貧困の概念と測定方法に関する次の記述のうち正しいものを2つ選びなさい。
- ラウントリーが労働者の総収入に注目し明らかにした第一次・第二次貧困の考え方は、後に最低生活費の考え方の基礎となった。
- タウンゼントは、物理的生存に最低限必要な生活費との比較で相対的貧困を定義した。
- 所得格差の指標として使われるジニ係数は、-1から+1までの値をとる。
- 我が国の政府は、2009年(平成21年)以降、OECDと同様の計算方法で算出した貧困率を公表している。
- 「平成20年所得再分配調査」(厚生労働省)によれば、我が国の再分配所得のジニ係数は1999年(平成11年)以降、0.5前後で推移している。
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この過去問の解説 (3件)
01
ラウントリーは、第1次貧困線を決める際に生存を維持できる水準の算出に栄養という観点を利用しました。平均栄養必要量を推定し、それを食物量、食品に換算しました。さらにその食品を買うのに必要な現金を算出し、それに被服・燃料・家庭雑貨を加えた金額を1次貧困線としました。これが最低生活費の考え方につながっています。
選択肢4に関しては、平成22年国民生活基礎調査結果の中でOECDと同様の計算方法について触れられています。
その他の選択肢は以下のとおりです。
2→タウンゼントは相対的剥奪指標を定義しています。これは、12の生活行動を行うために必要と考えられる60の項目をリストアップし、それらの所有を調査対象者に問い、yesの場合は1、noの場合は0とした二値変数のリストを得、それらを単純に加算したものです。
3→ジニ係数とは主に所得分配の不平等さを測る指標で、0~1の値をとります。
5→0.5という値が誤りで、正しくは0.38です。
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02
1.ラウントリーがヨーク市の貧困調査で明らかにした、第一次貧困・第二次貧困の考え方は、後にマーケット・バスケット方式における最低生活費の考え方の基礎となりました。
2.タウンゼントは、物理的生存に最低限必要な生活費ではなく、当たり前とされる生活から外れることを相対的貧困と定義しました。
3.ジニ係数は、0から1までの値をとります。最も所得格差が小さいときに0になり、最も所得格差が大きいときに1に近づきます。
4.平成22年および平成25年国民生活基礎調査において、OECDの作成基準に基づいて貧困率が算出されています。
5.平成20年所得再分配調査によれば、我が国の再分配所得のジニ係数は1999年以降、0.38前後で推移しています。平成23年所得再分配調査においてもその傾向は変わっていません。
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03
1.正答
ラウントリーの貧困線は後の生活保護水準の考え方の基礎となっています。
一次貧困とは、その収入が栄養基準を基礎として絶対的な肉体的能率の維持にも不足する世帯としています。一方。二次貧困とはその収入が飲酒,賭博など他の支出に振り向けられない限りは充足できる世帯という2つの貧困を定義しています。
2.誤答
ダウンゼントは、必要な資源の不足のために、規範的に期待されている生活様式を共有できない状態をさし示す概念として「相対的剥奪」を定義しています。
ちなみに「物理的生存に最低限必要な生活費との比較」で定義したものは絶対的貧困です。
3.誤答
ジニ係数の値は「0-1」です。 平等であれば値は0に近づき, 不平等であれば値は1に近づきます。
4.正答
選択肢の説明文通りです。
5.誤答
平成11年~平成20年までの再配分所得のジニ係数は「0.38前後」で推移しています。
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