精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
現代社会と福祉 問105
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問題
第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 現代社会と福祉 問105 (訂正依頼・報告はこちら)
我が国における虐待及び暴力(ドメスティック・バイオレンス(DV)を含む)に関する法律についての次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 「高齢者虐待防止法」(2005年(平成17年))では、養護者による高齢者虐待のおそれがある場合に、地域包括支援センターの職員は、自らの判断により、当該高齢者の居所に立ち入ることができることとされている。
- 公益通報者保護法(2004年(平成16年))では、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇を無効とすることが規定されており、養介護施設における虐待を通報した職員に対してもこれが適用される。
- 「障害者虐待防止法」(2011年(平成23年))で規定する障害者とは、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」のことをいう。
- 「DV防止法」(2001年(平成13年))では、障害者が配偶者から暴力を受けている場合は、「DV防止法」に優先して「障害者虐待防止法」が適用されると規定されている。
- 「児童虐待防止法」(2000年(平成12年))では、小学校や中学校の長に、教職員、児童、生徒に対して、就学する障害児に対する虐待を防止するための必要な措置を講ずることを義務づけている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.高齢者虐待防止法の第11条には「市町村長は、養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認めるときは、介護保険法の規定により設置する地域包括支援センターの職員その他の高齢者の福祉に関する事務に従事する職員をして、当該高齢者の住所又は居所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。 」と規定されています。職員自らの判断で立ち入ることはできません。
2.公益通報者保護法の第3条には「公益通報者が公益通報をしたことを理由として行った解雇は、無効とする。」と規定されています。養介護施設における虐待を通報した職員に対しても適用されます。
3.障害者虐待防止法で規定する障害者は「障害者基本法に規定する障害者」であり、「身体障害、知的障害、精神障害【(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害】がある者であつて、【障害及び社会的障壁により】継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの 」とされています。
4.DV防止法と障害者虐待防止法の間に優先関係はありません。
5.児童虐待防止法ではなく、障害者虐待防止法に規定されています。
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02
1.誤答
高齢者虐待防止法第11条(立入調査)に明記されています。
養護者による高齢者虐待のおそれがある場合に地域包括支援センターの職員は、自らの判断ではなく、「市町村長」によって当該高齢者の居所に立ち入ることができることとされています。
2.正答
選択肢の説明文通りです。
公益通報者保護法(2004年(平成16年)第三条「解雇の無効」で明記されています。
3.誤答
この選択肢の説明はとても間違いやすく注意が必要です。
「障害者虐待防止法」で規定する障害者とは「障害者基本法に規定する者」を指し、選択肢の説明文は一見すると正答であるように思うかもしれませんが不十分です。
障害は個人と環境の相互関係であるため個人の持つ障害のみならず環境の障害(社会的障壁)によって継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける人です。
したがって、「社会的障壁」という言葉が含まれていないため間違いです。
4.誤答
障害者虐待防止法は既に法制化されている「児童虐待防止法」「DV防止法」「高齢者虐待防止法」の対象から外れる障害者についても虐待防止と救済手立てとして構築された法律です。
しかしながら「障害者虐待防止法」と「DV防止法」についてどちらが優先して適用されるといった定めはありません。
5.誤答
「障害者虐待防止法」に義務付けられている説明文です。
就学する障害者、保育所等に通う障害者及び医療機関を利用する障害者に対する虐待への対応について、その防止等のための措置の実施を学校の長、保育所等の長及び医療機関の管理者に義務付ける、と明記されています。
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03
他の選択肢については以下のとおりです。
1→選択肢中の「自らの判断」が誤りです。立入調査は「高齢者虐待防止法」の第11条に規定があり、市町村長の命によります。
3→「障害者虐待防止法」の障害者は、「障害者基本法第二条第一号と同じ」とあります。具体的には「障害者、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害含む)その他心身の機能の障害があるものであって、障害及び社会的障壁により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」となっています。
4→「DV防止法」第九条には被害者の保護のための関係機関の連携協力が、第一八条には「当該命令を発することにより、当該配偶者の特に著しい支障を生ずると認めるときは当該命令を発しないことができる」とありますが、「障害者虐待防止法」が優先するというものはありません。
5→「児童虐待防止法」の第四条で必要な措置を講ずるのは国及び地方公共団体とあります。
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