精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
地域福祉の理論と方法 問113
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問題
第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問113 (訂正依頼・報告はこちら)
地域福祉の発展過程に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- スラム地区などにおいて隣保館が普及したことが、隣保相扶を強調する恤救規則の制定につながった。
- 近代日本の代表的な労働運動家である片山潜が、東京の神田に開設した善隣館は、日本における友愛訪問活動の代表的な事例の一つである。
- 慈善事業を組織化した中央慈善協会は当時の慈善救済活動の調査や団体相互の連絡などを行い、現在の共同募金会の源流とされている。
- 岡山県知事の笠井信一が創設した済世顧問制度は、石井十次による岡山孤児院での取組を参考にして制度化された。
- 民間の篤志家が個別的援助と社会測量を行う方面委員制度は、小河滋次郎がドイツのエルバーフェルト制度を参考に考案した制度とされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.近隣の家々が相互に扶助する隣保相扶(りんぽそうふ)を強調する恤救(じゅっきゅう)規則の制定は1874(明治7)年です。現在のコミュニティセンターに相当する隣保館(りんぽかん)が最初に設立されたのは、1897(明治30)年に片山潜が設立したキングスレー館とされているため、隣保館が恤救規則に影響を与えたわけではありません。
2.片山潜が東京の神田に開設したのは「隣保館」であるキングスレー館です。善隣館は1934年に金沢市内に設立されたセツルメントで片山潜との関係はありません。
3.共同募金会の源流は、社会事業共同募金中央委員会の第1回共同募金運動で、1947(昭和22年)に始まりました。中央慈善協会は、社会福祉協議会の源流とされています。
4.岡山県知事の笠井信一が創設した済世顧問制度は、ドイツのエルバーフェルト制度を参考にしたとされています。
5.方面委員制度は、小河滋次郎がドイツのエルバーフェルト制度を参加に考案した制度とされています。
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02
他の選択肢については以下のとおりです。
1→「隣保相扶」とは、近隣の家々が相互に扶助するという意味です。これは江戸時代の五人組という制度につながった考え方です。
2→「善隣館」は石川県金沢市の地域福祉の拠点です。東京・神田ではありません。片山潜が神田につくったものは「キングスレー館」です。
3→「中央慈善協会」ではなく「中央社会事業協会」です。
4→済世顧問制度はドイツのエルバーフェルト市の救貧委員制度を参考にして制度化されたものです。
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03
1.誤答
日本のセツルメント活動は1891年(明治24年)一方、恤救規則は1874年(明治7年)に制定されています。
隣保館は貧困・差別・環境問題などのにより劣悪な問題を抱える地域住民に対し専門知識を持つものを常駐させ適切な支援・援助を行う社会福祉施設です。
2.誤答
片山潜が東京の神田に開設したのは「キングスレー館」です。善隣館は、方面委員であった安藤謙治、荒崎良道、浦上太吉郎らによって石川県金沢市内に設立されたセツルメント(地域福祉施設)。
3.誤答
共同募金会の源流は、1947(昭和22年)社会事業共同募金中央委員会の「第1回共同募金運動により始まった。中央慈善協会は「社会福祉協議会」の源流です。
4.誤答
ドイツのエルバーフェルト市の救貧委員制度(エルバーフェルト・システム)を参考にして作ったものです。民生委員制度のはじまりと言われる貧民救済制度です。
5.正答
方面委員制度は、小河滋次郎が岡山の済世顧問制度とともにドイツのエルバーフェルト制度を参考に考案した制度とされています。
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