精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
地域福祉の理論と方法 問118

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問118 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、社会福祉協議会のJ福祉活動専門員の活動に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕
V市では、前年に他県で起きた震災による避難者を市内にある公営住宅で受入れている。避難者は帰郷する見通しもない中で心身のストレスや不安が大きく、極めて困難な状況に置かれている。V市社会福祉協議会のJ福祉活動専門員は、行政とも相談しながら支援活動に取り組むこととした。
  • 避難者の負担になるので、自治組織づくりへの働きかけは控えて、既存の町内会・自治会に加入するように避難者に呼びかける。
  • 避難者に対するV市や周辺での就労を支援することは、帰郷を妨げることになるので、帰郷に向けた支援を中心に据えることにする。
  • 社会福祉士会や民生委員協議会医師会、弁護士会などと連携し、避難者の個別ニーズの把握や相談に応じることにする。
  • 避難者対象のサロンなどの居場所づくりをしても、参加者が少ないと思われるため、日常的な取組よりも災害ボランティアも参加できる大規模なイベントを企画する。
  • プライバシーを尊重するため、避難者の居宅への訪問は避ける。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.心身のストレスや不安が大きい避難者に、既存の町内会・自治会に加入するよう呼びかけることは適切ではありません。自治会等の加入については、避難者をはじめとする住民の意向を大切にする必要があります。

2.帰郷する見通しがない中で、帰郷に向けた支援を中心にすることは適切ではありません。避難が長期化することに備え、避難先での就労支援を優先することが大切です。

3.避難者が抱えるニーズは個々に異なるため、各方面の専門家と連携し、個別ニーズの把握や相談に応じることは適切な対応です。

4.避難者にとって、サロンなどの日常的な居場所があることは安心につながります。最初は参加者が少なくとも、日常的な取組を地道に推進することが大切です。

5.自ら助けを求められる人ばかりではないため、居宅への訪問はプライバシーに配慮しつつ行うことが望ましいといえます。

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02

3 . が適切です。
「社会福祉士会や民生委員協議会医師会、弁護士会などと連携し、避難者の個別ニーズの把握や相談に応じることにする。」
(説明)福祉活動専門員として、各領域の専門家や機関と協同して避難者のニーズに答える必要があります。

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1 . 不適切です。
「避難者の負担になるので、自治組織づくりへの働きかけは控えて、既存の町内会・自治会に加入するように避難者に呼びかける。」
(説明)避難者の負担になるかどうか慎重に考えるべきです。町内会・自治会に新たに加入するのは、この場合(他県の公営受託に避難して居る状況では)負担になる可能性が高いです。

2 . 不適切です。
「避難者に対するV市や周辺での就労を支援することは、帰郷を妨げることになるので、帰郷に向けた支援を中心に据えることにする。」
(説明) 帰郷を妨げて居るのは、帰郷先の環境の問題で、就労支援とは関係がありません。収入を確保する為にも、本人の意思を確認しながらの就労支援は必要です。

4 . 不適切です。
「避難者対象のサロンなどの居場所づくりをしても、参加者が少ないと思われるため、日常的な取組よりも災害ボランティアも参加できる大規模なイベントを企画する。」
(説明)孤立しがちな状況で、避難者同志の繋がりを作れる居場所を作ることは、福祉活動専門員として大切な活動です。

5 . 適切ではありません。
「プライバシーを尊重するため、避難者の居宅への訪問は避ける。」
(説明)個別のニーズを把握する為にも、避難者事情に配慮しつつも居宅への訪問は行うべきです。

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03

正解は3です。
問題文中の「避難者は帰郷する見通しもない中で心身のストレスや不安が大きく、極めて困難な状況におかれている」という部分に配慮があるかどうかが鍵となります。

1→既存の町内会とつながりを持つことは大切ですが、避難者の気持ちを理解するには、同じ境遇の人とのつながりの方が大切です。

2→帰郷する見通しがないということであれば、生活のための就労支援は必要なことです。

4→日常的な取り組みが必要です。

5→孤立を防ぐためにも、ニーズ分析をするためにも訪問は必要です。

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