精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
社会保障 問130
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問題
第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 社会保障 問130 (訂正依頼・報告はこちら)
社会保障制度の歴史に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- ドイツでは、18世紀終盤に、宰相ビスマルクにより、法律上の制度として世界で初めて社会保険制度が整備された。
- アメリカでは、世界恐慌の中、ニューデイール政策が実施され、その一環として低所得者向けの公的医療扶助制度であるメディケイドが創設された。
- フランスでは、連帯思想が社会保険制度の段階的な充実につながり、1930年には、ラロック・プランに基づく社会保険法が成立した。
- イギリスでは、1990年代に、サッチャー政権が効率と公正の両立を目指す「第三の道」を標傍し、就労支援を重視した施策を展開した。
- 日本では、1960年代に国民皆保険・皆年金制度が実現し、その他の諸制度とあいまって社会保障制度が構築されてきた。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.ドイツで法律上の制度として世界で初めて社会保険制度が整備されたのは19世紀の終盤です。
2.メディケイドは1965年に創設されました。ニューディール政策が実施されたのは1933年であり関係はありません。
3.ラロック・プランが策定されたのは1945年です。1930年ではありません。
4.第三の道はサッチャー政権ではなく、ブレア政権で展開されました。
5.国民皆保険・皆年金制度(こくみんかいほけん・かいねんきんせいど)は、1961年に実現しました。
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02
「日本では、1960年代に国民皆保険・皆年金制度が実現し、その他の諸制度とあいまって社会保障制度が構築されてきた。」
(説明)1961年に開始した国民年金法により、20歳以上の国民はだれでも年金に加入できるようになりました。1985年改正で基礎年金制度ができています。
<日本と諸外国の社会保障制度の歴史に関する問題です。>
1 .不正解です。
「ドイツでは、 × 18世紀終盤に、宰相ビスマルクにより、法律上の制度として世界で初めて社会保険制度が整備された。」
(説明)ビスマルクは1883年、労働者のための義務的な疾病保険を作っています。なので、19世期に整備されたことになります。
2 . 不正解です。
「アメリカでは、世界恐慌の中、ニューデイール政策が実施され、その一環として低所得者向けの公的医療扶助制度である × メディケイドが創設された。」
(説明)ニューディール政策は1930年代に実施され、メディケイドは1965年実施されています。
※メディケイドは、私的な医療保険に加入することが難しい低所得者など(障害のある人、妊婦なども含む)を対象とした政府による医療給付制度。
3 . 不正解です。
「フランスでは、連帯思想が社会保険制度の段階的な充実につながり、 × 1930年には、ラロック・プランに基づく社会保険法が成立した。」
(説明)1930年ではなく、1945年です。
社会保障制度を統一するために、社会保障局長官ラロック(Pierre Laroque)が策定した近代的な社会保障体系の基礎。
4 . 不正解です。
「イギリスでは、1990年代に、 × サッチャー政権が効率と公正の両立を目指す「第三の道」を標傍し、就労支援を重視した施策を展開した。」
(説明)サッチャーではなく、トニー・ブレア首相の時です。サッチャーは1980年に就任。
※第三の道とは、1997年の英国総選挙において労働党が政権を取ったときの経済政策です。社会民主主義に新自由主義を部分的に取り入れたもので、経済市場の効率性を重視しつつも、国家が足りないところを補い、結果の平等ではなく機会の均等を目指しました。
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03
国民皆保険・皆年金制度は1961年です。
その他の選択肢については以下のとおりです。
1→「18世紀終盤」が誤りで「19世紀終盤」です。
2→メディケイドが創設されたのは1965年です。ニューディール政策は1933年なので、誤りです。
3→「1930年」が誤りです。1945年に計画案ができ、1946年成立です。
4→「サッチャー政権」が誤りです。正しくは「トニー・ブレア政権」です。
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