精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問30

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問30 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事 例〕
Cさん(37歳、男性)は、精神的不調で苦しむことがありながらも、何とか大学を卒業し、旅行代理店に就職した。しかし顧客とのトラブルをきっかけに半年ほどで退職、その後精神科病院を受診し統合失調症と診断され、半年間の入院となった。退院後は、アルバイトとして働いたが長続きせず、病状悪化により入院、これまでに3回、同じパターンを繰り返してきた。1年半前に退院してからは症状も安定し、一人暮らしには慣れてきたが、人との交流は少なく、活動範囲は限定されていた。また過去の失敗経験から、仕事に対する自信がなく、今後の生活についての具体的な目標も持てずにいた。そこでCさんは、通院した際、担当であったD精神保健福祉士に現状を報告し、「先が見えません。私だけ特別でしょうか。他の人はどうやって生活しているのでしょうか」と今後についての助言を求めた。

次の記述のうち、この時点でのD精神保健福祉士の助言内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • セルフヘルプグループに参加すること。
  • 地域障害者職業センターで職業評価を受けること。
  • 公共職業安定所(ハローワーク)で求人情報を収集すること。
  • 精神科デイ・ケアに通所すること。
  • 就労移行支援事業所を利用すること。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.「私だけ特別でしょうか。他の人はどうやって生活しているのでしょうか」と求められていることから、セルフヘルプグループに参加することを助言することは、最も適切な助言といえます。

2.仕事に対する自信がないことは事例から読み取れますが、本人から求められている助言の内容は、就労支援ではないため、適切な解答とはいえません。

3.仕事に対する自信がないことは事例から読み取れますが、本人から求められている助言の内容は、就労支援ではないため、適切な解答とはいえません。

4.精神科デイ・ケアに、人とかかわることを目的として通所することはありますが、他の人の生活の様子を知るために利用することは、本来の精神科デイ・ケアの目的とは異なります。また、同じような境遇の人がいるとは限らないため、最も適切なものとはいえません。

5.仕事に対する自信がないことは事例から読み取れますが、本人から求められている助言の内容は、就労支援ではないため、適切な解答とはいえません。

参考になった数31

02

次の記述のうち、この時点でのD精神保健福祉士の助言内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

長文の事例です。
ピアサポーターとは、当事者活動として同じように障害を持つ人たちが支え合う「セルフヘルプ」(自助)活動の一環として、自ら障害を持つ支援者を指しています。ピア(peer)は、「同僚・仲間」の意味です。
〇 1 .セルフヘルプグループに参加すること。→ ピアサポートで自信を付けてきたCさんには、これが適切と言えるでしょう。
✕ 2 . 「地域障害者職業センターで職業評価を受けること」→「以前は、どこかに就職しなければと考えることが多かったのですが、今は、ピアスタッフとして活動できるようになることが目標となりました。」と語っていること、就労に何度も失敗しているので、まだ就職したいと願うまで気持ちが行っていないようです。
✕ 3 . 「公共職業安定所(ハローワーク)で求人情報を収集すること。」→設問2と同様に、まだ就職まで気持ちが行っていないのです。
✕ 4 . 「精神科デイ・ケアに通所すること。」→ これも悪くはないですが、目的が違います。現在、ピアスタッフとして活動できる目標を語っているCさんに寄り添うには、1の方が適切と言えるでしょう。
✕ 5 . 「就労移行支援事業所を利用すること。」→ 就労よりもまずはセルフヘルプ活動を求めているので、1が適切でしょう。

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03

1 .「 セルフヘルプグループに参加すること」が最も適切です。 

 Cさんが統合失調症と診断され、3度の入退院をしたあと症状が安定し在宅生活を送っています。Cさんが「今後のことについて」精神保健福祉士に相談した際の助言についての問題です。

1 . は最も適切です。
セルフヘルプグループでは、疾病や障害など共通の悩みや生きづらさを持つ人が自主的につながり、共感の中で相互の経験や情報を分かち合う活動を行っています。Cさんの「先が見えません。私だけ特別でしょうか。他の人はどうやって生活しているのでしょうか」という悩みには、最も適切な回答になります。

2 . は適切ではありません。
地域障害者職業センターは、就職に向けて職業リハビリテーションを行っている機関です。職業評価は、検査によって職業能力を図るものであり、症状が安定したばかりで自信を失っているCさんに就労への助言をするのは適切ではありません。

3 . は適切ではありません。
「公共職業安定所(ハローワーク)で求人情報を収集すること」は、1や2と同様に就労への助言となるので、適切ではありません。

4 . は適切ではありません。
精神科デイ・ケアは、精神疾患のある方が社会復帰を目指しリハビリテーションをする外来治療です。通うことで、生活リズムがつき、疾患の理解を深めて対処法を学び、対人関係の経験を積むことができます(利用するには主治医がデイ・ケアの利用が必要だと判断する必要があります)。
Cさんは「先が見えません。私だけ特別でしょうか。他の人はどうやって生活しているのでしょうか」と悩んでいます。デイ・ケアの利用でも、同様の疾患のある方を知ることができそうですが、社会復帰が目的となってきます。主訴を”同じような病気を持った仲間と交流すること”と考えると、最も適切な回答ではありません。

5 . は適切ではありません。
就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスです。2.の地域障害者職業センターで解説したのと同様に、就労への助言は適切ではありません。

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