精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問68

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問68 (訂正依頼・報告はこちら)

大企業に勤務する営業職のJさん(45歳、男性)は、大学卒業後、仕事の付き合いでほぼ毎日深夜まで飲酒するという生活をずっと続けてきた。しかしこの年で、前夜の記憶を失くすことが増え、接待の席でも酔って失敗するようになった。その度に陳謝し、酒量を控えると宣言するもうまくいかず、とうとう得意先を失いかけるという事態に至った。Jさんは、上司からの勧めで、産業医の診察を受け、アルコール依存症と診断され、病気の存在とその特徴について説明を受けた。
そして、企業内のK精神保健福祉士から専門医療機関や自助グループへの参加の意義の説明と紹介を受けた。

次のうち、Jさんに紹介した資源として、適切なものを2つ選びなさい。
  • アラノン(Al-Anon)
  • アルコホーリクス・アノニマス(AA)
  • ナルコティクス・アノニマス(NA)
  • 断酒会(全断連)
  • ダルク(DARC)

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2、4です。

1.アラノンは、アルコール依存の問題を持つ人の家族会です。当事者であるJさんに紹介する資源としては適切ではありません。

2.AAは、アルコール依存の問題を持つ人の、匿名の自助グループです。

3.NAは、薬物依存の問題を持つ人の、匿名の自助グループです。

4.断酒会は、アルコール依存の問題を持つ人の、自助グループです。AAとは異なり原則実名を公表します。

5.ダルクは、薬物依存の問題を持つ人を対象としたリハビリ施設です。

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02

✖ 1 . アラノン(Al-Anon) は、アルコール依存症者から影響を受けた家族、友人等の自助グループです。
◎ 2 . アルコホーリクス・アノニマス(AA)は、アルコール依存症の自助グループです。非組織化・匿名性・独立性を徹底しています。
✖ 3 . ナルコティクス・アノニマス(NA)は、薬物依存症者の自助グループです。
◎ 4 . 断酒会(全断連)は、アルコール依存症者の自助グループです。AAに影響を受けながらも日本の風土に合った運営方針を取っています。
✖ 5 . ダルク(DARC)は、薬物依存症の回復を支援するリハビリテーション施設です。

参考になった数14

03

1.×
 アラノン(AI-Anon)とは、アルコール依存症者に影響されて様々な障害が生じている家族を対象とした自助グループです。依存者本人と同様、家族にとっても正しい知識を得たり感情をぶつけたりする場が、家族の健康を保つために必要となってきます。家族が変化することで、依存者本人の回復に役立つことも期待できます。

2.○
 アルコホーリクス・アノニマス(AA)とは、アルコールをやめたいと思っているアルコール問題を抱えている本人を対象とした自助グループです。12ステップと12の伝統という原理をもち運営される点が特徴です。

3.×
 ナルコティクス・アノニマス(NA)とは、薬の種類は問わずに「薬をやめたい」と考えている人は誰でも参加できる自助グループです。AAの12ステップを応用して薬物からの回復を目指します。

4.○
断酒会(全断連)とは、アルコールの問題を抱えている本人や家族を対象とした自助グループです。AAの影響を受けて発足され、AAと違って自ら名乗ることを原則としています。多くのアルコール依存症の回復に貢献するために、例会は病院内や交通刑務所などでも開かれています。

5.×
 ダルク(DARC)とは、薬物依存症の人を対象とし、薬物依存症からの回復と社会復帰を目指すための民間リハビリ施設です。先に薬物をやめている人たちが、後に来る人を手助けしながら、グループミーティングを行うことを中心的に活動しています。運営にはダルクのスタッフ以外に、地域住民や医療・福祉・司法・教育関係者など、様々な人たちが参加します。

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