精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
地域福祉の理論と方法 問113
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問113 (訂正依頼・報告はこちら)
地域福祉にかかわるイギリスの歴史に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- チャルマーズ(Chalmers, T.)による隣友運動(1819年)では、貧困家庭への訪問活動が行われ、救貧法の改正に大きな影響を与えた。
- ロンドンで設立された慈善組織協会(1869年)は、慈善活動を組織化するとともに友愛訪問を実施し、ソーシャルワークの形成に大きな影響を与えた。
- ロンドンの富裕地域に設立されたトインビーホール(1884年)は、セツルメントの拠点として、富裕層による慈善活動を喚起する役割を担った。
- 「べヴァリッジ報告」(1942年)は、社会保障制度の基礎となるとともに、地方自治体におけるパーソナル・ソーシャル・サービスを中心とした組織改革をもたらした。
- イギリス政府の病院計画(1962年)では、10年間で知的障害者の入所施設の利用者数をほぼ半数に減らし、コミュニティケアを推進する政策を打ち出した。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.チャルマーズによる隣友運動が影響を与えたとされるのは、慈善組織協会(COS)です。
2.ロンドンで設立された慈善組織協会は、慈善活動を組織化するとともに友愛訪問を実施し、ソーシャルワークの形成に大きな影響を与えました。
3.トインビーホールは富裕地域ではなく、貧民が多く住む地域に設立されました。支援者も富裕層ではなく、大学や教会の関係者でした。
4.地方自治体の組織改革に影響を与えたのは、ベヴァリッジ報告ではなくシーボーム報告です。
5.イギリス政府の1962年の病院計画は、10年間で精神障害者の入院病床をほぼ半数に減らす計画です。知的障害者の入所施設の利用者数を減らす計画ではありません。
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02
1 チャルマーズ(Chalmers, T.)による隣友運動(1819年)は、自助のための指導を重視し、貧困家庭への友愛訪問を行いました。この活動は慈善組織協会(COS)への活動へと影響を与えました。救貧法の改正はスピーナムランド制への批判などから影響を受けたものであるので、間違いとなります。
3 ロンドンの「貧民街」に設立されたトインビーホール(1884年)は、セツルメントの拠点として、「大学生や教員、社会事業家など」による慈善活動を喚起する役割を担っていました。
4 地方自治体におけるパーソナル・ソーシャル・サービスを中心とした組織改革をもたらしたのは、「シーボーム報告(1968年)」です。
5 イギリス政府の1962年の病院計画は、大規模な病院を閉鎖したり、精神障害者の入院病床を減らす内容のものでした。
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03
○2 . ロンドンで設立された慈善組織協会(1869年)は、慈善活動を組織化するとともに友愛訪問を実施し、ソーシャルワークの形成に大きな影響を与えました。
×3 . ロンドンの貧困地域(設問の「富裕地域」ではありません)に設立されたトインビーホール(1884年)は、セツルメントの拠点として、富裕層による慈善活動を喚起する役割を担いました。
×4 . 「社会保障制度の基礎となるとともに、地方自治体におけるパーソナル・ソーシャル・サービスを中心とした組織改革をもたらした」のは、シーボーム報告(1968年)であって、へヴァリッジ報告ではありません。
×5 . イギリス政府の病院計画(1962年)では、10年間で精神障害者の入所施設の利用者数をほぼ半数に減らし、コミュニティケアを推進する政策を打ち出しました。設問では対象者が、知的障害者となっていますが、精神障害者の間違いです。向精神薬の開発で、在宅治療が可能になったことが要因として挙げられます。
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