精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健の課題と支援 問17

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

日本におけるうつ病又は大うつ病性障害の疫学に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 心疾患患者における大うつ病性障害の有病率は一般人口のそれよりも低い。
  • 統合失調症で入院している患者数よりも、うつ病で入院している患者数の方が多い。
  • 大うつ病性障害の12か月有病率はアメリカよりも低い。
  • 大うつ病性障害の平均発症年齢は65歳以上である。
  • 大うつ病性障害の約1割は何らかの不安障害を併存する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1:「平成18年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)こころの健康についての疫学調査に関する研究 総括報告書 「こころの健康についての疫学調査に関する研究」(主任研究者 川上憲人 東京大学大学院医学系研究科・教授)によると、身体疾患を有する者における大うつ病性障害のリスクの説明のなかに、心臓病で1.5倍、心臓発作は10倍という研究結果の記述があります。よって、心疾患に罹患している人はしていない一般の人より有病率が高いので誤りです。

2:2011年の厚生労働省の患者調査で、うつ病の推計入院患者は2万9100人、統合失調症(統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害)の推計入院数は17万4100人となっていますので誤りです。

3:「平成18年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)こころの健康についての疫学調査に関する研究 総括報告書 「こころの健康についての疫学調査に関する研究」(主任研究者 川上憲人 東京大学大学院医学系研究科・教授)によると、大うつ病性障害の12か月有病率は、アメリカが6.7%、日本は2.1%となっています。有病率はアメリカよりも低いので正解です。

4:大うつ病性障害の平均発症年齢は、40歳前後と言われていますが、最近は20代の若年の患者も増えています。65歳以上というのは誤りです。

5:「日本うつ病学会治療ガイドラインII.うつ病(DSM−5)/大うつ病障害 2016」の中で、大うつ病の約57%には何らかの不安障害が併存すると記載されています。よって、約1割(10%)は誤りです。

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02

正解は3です。

1.「日本うつ病学会治療ガイドライン」によると、心疾患のうつ病併発率は17~27%で、身体疾患患者における抑うつ状態・うつ病の有病率が一般人口より高いことが記載されています。

2.平成23年度の患者調査では、統合失調症(統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害)で入院している患者数は174,100人、うつ病(気分[感情]障害(躁うつ病を含む))で入院している患者数は29,100人と、統合失調症の方が多くなっています。平成26年度の患者調査の結果でも同じ傾向となっています。

3.「こころの健康についての疫学調査に関する研究」によると、大うつ病性障害の12か月有病率はアメリカ6.7%、日本2.1%とアメリカの方が高くなっています。

4.平成23年度の患者調査によると、うつ病(気分[感情]障害(躁うつ病を含む))の患者総数は103,600人で、そのうち65歳以上が34,700人となっています。このことから平均発症年齢が65歳以上でないことが推測できます。

5.「日本うつ病学会治療ガイドライン」によると、うつ病の約57%は、何らかの不安症もしくは強迫症、心的外傷後ストレス障害を併存すると記載されています。約1割ではありません。

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03

 正解は3です。

1.「日本うつ病学会治療ガイドライン」によると、(Evans et al,2005) 身体疾患のうつ病併発率は、心疾患は17~27%で一般人口よりも高いデータとなっています。

2.厚労省の患者調査より、精神疾患を有する入院患者数の推移をみると、人口が30.2万人に対し平成29年度は統合失調症で入院している患者数は15.4万人、うつ病にあたる気分[感情]障害(躁うつ病を含む)で入院している患者数は3万人と、統合失調症よりも割合は少ないです。

3.アメリカにおける大うつ病性障害の有病率はおよそ7%です。こころの健康についての疫学調査に関する研究によると、日本はおよそ2%で、アメリカより低いデータが出ています。

4.大うつ病性障害の平均発症年齢は、男女とも平均40歳です。

5.「日本うつ病学会治療ガイドライン」によると、うつ病の約57%は、何らかの不安障害を併存すると記載されています。

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