精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問25

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、谷中輝雄が提唱した「生活のしづらさ」として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 日常生活の基礎となる動作を、独力で行えることを目標とする。
  • 他者の手助けを必要とする事実があっても、自立していると考える。
  • 障害は固定したものではなく、生活環境を整えることで改善できると捉える。
  • 生活問題の原因を病理現象に求め、その現象の除去を行う。
  • 主観的満足感、安定感、幸福感を重視し、それらの充足を図る。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

谷中輝雄は、地域生活支援の先駆者であり、1970年に埼玉県に「やどかりの里」を創設しました。谷中輝雄は、精神障害を持つ者が「ごく当たり前の生活」を営むことを支援する姿勢で活動し、彼らが社会生活をおくる上で直面する困難を「生活のしづらさ」として生活者の視点から捉え、その人がその人らしい生活を営めるような支援を実践しました。

1:日常生活における基礎となる動作とは、食事、更衣、排泄など、生活する上での基本的行動をいいますが、それを独力で行えることを目標とした支援を提唱しているわけではありませんので、誤りです。

2:何でも自分でやれる事が自立ではなく、他者の手助けを借りつつも自分らしい生活を送ることができていれば自立であるとする考え方は、エドワード・ロバーツによる「自立生活運動」に示されている考え方です。

3:精神障害者の障害(障害による生活のしづらさ)は、固定されたものではなく、生活環境を改善する事で、克服できるものだという捉え方です。生活のしづらさがあっても、当たり前の生活を営めるような生活環境の構築をする事の大切さを説いています。

4:生活問題の原因を病理現象に求めるのは、医学モデルの考えです。生活者の視点に立った捉え方ではなく、誤りです。

5:谷中輝雄は、その人のありのままを受け入れて、その人らしい生き方を支援する視点に立っていました。ありのままに受け入れる事は、主観的満足感、安定感、幸福感の充足を図る事とイコールではありませんので誤りです。

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02

正解は3です。

1.日常生活の基礎となる動作を、独力で行えることを目標とするのは、ADLの説明です。

2.他者の手助けを必要とする事実があっても、自立しているという考え方は、ロバーツの自立生活運動によるものです。

3.谷中輝雄が提唱した「生活のしづらさ」は、 障害は固定したものではなく、生活環境を整えることで改善できると捉えています。

4.生活問題の原因を病理現象に求め、その現象の除去を行うのは、医学モデルの説明です。

5.主観的満足感、安定感、幸福感を重視し、それらの充足を図るのは、QOLの説明です。

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03

 正解は3です。

谷中輝雄先生は、明治学院大学大学院社会福祉学科修士課程を終了後、ソーシャルワーカー等を経て、1970年に埼玉県に「やどかりの里」という精神障害者社会復帰施設を創設しました。日本PSW協会の理事長、全国精神障害者社会復帰施設協会の会長、大学での教鞭など様々な活動をされてきました。2012年12月に逝去されました。


1.独力で行えることは目標としていません。

2.エドワード・ロバーツによる「自立生活運動」に示されている考え方です。

3.生活のしづらさが精神障害の「障害」のみで引き起こされるものではなく、社会という環境の接点で生じるものとみます。生活環境を整えることで障害が改善できるということを提唱しています。

4.生活者として出会う困難に焦点をあてているので、病気や障害の病理現象の除去に焦点は向けていません。

5.主観的満足感、安定感、幸福感は生活のしづらさとして提唱していません。

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