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精神保健福祉士の過去問 第18回(平成27年度) 精神保健福祉相談援助の基盤 問34

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事 例〕
N市にある相談支援事業所のF精神保健福祉士は、地域相談支援に携わっている。担当している統合失調症のGさん(55歳、男性)は、退院して2か月がたち、一軒家の自宅での生活に慣れ始めたところである。自宅を残してくれた両親は既に亡くなっており、一人暮らしである。
ある日、Gさんから「近所との関係で困っている」と電話があった。F精神保健福祉士が早速訪問したところ、Gさんはつい先ほど隣家の住民から「ごみを勝手に持ち帰るな」と怒鳴り込まれたと訴えた。F精神保健福祉士は前回に立ち寄ったときと比較して、敷地内の乱雑ぶりに驚いた。あらゆる所にごみが積み上げられ、聞けば「近所に放置されていたから、家まで持ってきた」という。Gさんは「どれも大切なものであり、ごみではない」と言い張り、「危険もあるので処分しましょうよ」というF精神保健福祉士の発言に激高した。(※1)

その後、F精神保健福祉士は何度も訪問を重ね、Gさんの訴えを傾聴し続けた結果、Gさんはようやく家の片付けを受け入れた。Gさんは自分で片付けると言ったが、F精神保健福祉士は、量が多いので何回かに分けて一緒に片付けるなど工夫を試みた。(※2)

Gさん宅の片付けが無事に終わった後、F精神保健福祉士は定期的に訪問を続けている。隣家との関係は改善されていないものの、今のところGさんが再びごみを収集することはない。
F精神保健福祉士がN市自立支援協議会でこの件に関連して報告すると、同様のケースが発生しているということが分かり、市内の関係機関を対象に、実態調査を次年度に行うことになった。調査の意義に理解を示したN市が予算を確保し、調査に携わるメンバーが集められた。現在、それぞれのメンバーがお互いに信頼し合い、協力しながら作業を進めている。(※3)


次のうち、この(※2)時点でF精神保健福祉士が試みた工夫として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
地域組織化
   2 .
エコロジカルアプローチ
   3 .
危機介入アプローチ
   4 .
行動変容アプローチ
   5 .
インターグループワーク
( 第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問34 )
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この過去問の解説 (3件)

31
正解は4です。

1.事例から、地域の組織化を行っている様子は読み取れないため、適切な回答とはいえません。

2.エコロジカルアプローチは、人間と環境の相互作用に焦点をあて、人間と環境の両方に働きかけを行います。事例において、人間と環境の両方に対する働きかけは読み取れないため、適切な回答とはいえません。

3.危機介入アプローチは、利用者の危機的状況において、積極的に介入するアプローチです。危機介入アプローチは短期集中的に行われるもので、Gさんは危機的状況にあるとはいえません。そのため適切な回答とはいえません。

4.行動変容アプローチは、利用者の行動に焦点をあてて、アプローチすることです。F精神保健福祉士が行った、一緒に実際に片づけたり、何回かに分けて片づけたりという工夫が行動変容アプローチにあたります。

5.インターグループワークとは、地域内の各グループと地域社会を調整することです。事例において、地域社会との調整が読み取れないため、適切な回答とはいえません。

付箋メモを残すことが出来ます。
14
正解は4です。

1:地域組織化は、コミュニティオーガニゼーションとも言われます。社会福祉サービスを必要とする人とその家族が、地域で生活していくために地域住民に、地域福祉への参加や協力を呼びかけ、福祉向上のためのコミュニティ作りを進めていく活動です。事例では、地域組織化についての記述はありませんので、不適切です。

2:エコロジカルアプローチは、人間と環境の相互作用に目を向けて支援するアプローチです。問題の解決をしていく際にクライエント個人のみの問題として捉えるのではなく、クライエントを取り巻く環境との相互関係に焦点を当てて、クライエントと環境の両方へ働きかけます。事例では、エコロジカルアプローチの必要性についての記述はありませんので、不適切です。

3:危機介入アプローチは、危機状態にあるクライエントやその家族などへ危機状態からの早めの脱出を目指して、迅速で直接的な支援を行います。事例は、Gさんがこのような状態にあるという記述はありませんので、不適切です。

4:行動変容アプローチは、人間の行動を経験に裏付けられた後天的な学習の成果であると考え、学習による行動の変化を目標とするものです。よって、クライエントの問題行動について、その原因や動機に焦点を当てるのではなく、問題行動そのものに焦点を当て、問題行動の変容を目指す支援となります。
事例は、Gさんがごみを集め積み上げることで、近隣とトラブルとなっていることに対し、F精神保健福祉士がごみを片付けるという行動の変容をGさんに促しています。よって、適切です。
行動の変容を促すまでに、Gさんの訴えを傾聴し続けたこと、一緒に片付けるというF精神保健福祉士のGさんへの寄り添いもポイントとなる支援です。

5:インターグループワークは、複数のグループが共存する地域社会において、その各々のグループの代表者やリーダーが話し合える場を設定し、コミニティ活動の展開をしやすくするために調整する支援です。このような支援を通して、地域の活性化を促進していきます。事例は、インターグループワークについての記述はありませんので、不適切です。

5
正解は4です。

1.地域の組織化は、コミュニティオーガニゼーションともいわれ、地域社会がもっている自発性や自助力を呼び覚まし、地域の問題解決に向けて地域住民を組織化することです。文面からは読み取れません。

2.エコロジカルアプローチは、人と環境との相互関係を重視し、クライエントと環境との問題を調整します。文面からは読み取れません。

3.危機介入アプローチは、危機的状況に直面したクライエントや家族に対して、迅速に対応するアプローチです。文面からは読み取れません。


4.行動変容アプローチは、問題の行動に焦点をあててアプローチする技法です。Gさんは捨てないと言っていたゴミを、精神保健福祉士の働きかけで行動を変えていったので、正解です。

5.インターグループワークは、地域内の各グループが社会問題に協力して取り組み、活動を組織化していくことをいいます。文面からは読み取れません。

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