精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問35
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
N市にある相談支援事業所のF精神保健福祉士は、地域相談支援に携わっている。担当している統合失調症のGさん(55歳、男性)は、退院して2か月がたち、一軒家の自宅での生活に慣れ始めたところである。自宅を残してくれた両親は既に亡くなっており、一人暮らしである。
ある日、Gさんから「近所との関係で困っている」と電話があった。F精神保健福祉士が早速訪問したところ、Gさんはつい先ほど隣家の住民から「ごみを勝手に持ち帰るな」と怒鳴り込まれたと訴えた。F精神保健福祉士は前回に立ち寄ったときと比較して、敷地内の乱雑ぶりに驚いた。あらゆる所にごみが積み上げられ、聞けば「近所に放置されていたから、家まで持ってきた」という。Gさんは「どれも大切なものであり、ごみではない」と言い張り、「危険もあるので処分しましょうよ」というF精神保健福祉士の発言に激高した。(※1)
その後、F精神保健福祉士は何度も訪問を重ね、Gさんの訴えを傾聴し続けた結果、Gさんはようやく家の片付けを受け入れた。Gさんは自分で片付けると言ったが、F精神保健福祉士は、量が多いので何回かに分けて一緒に片付けるなど工夫を試みた。(※2)
Gさん宅の片付けが無事に終わった後、F精神保健福祉士は定期的に訪問を続けている。隣家との関係は改善されていないものの、今のところGさんが再びごみを収集することはない。
F精神保健福祉士がN市自立支援協議会でこの件に関連して報告すると、同様のケースが発生しているということが分かり、市内の関係機関を対象に、実態調査を次年度に行うことになった。調査の意義に理解を示したN市が予算を確保し、調査に携わるメンバーが集められた。現在、それぞれのメンバーがお互いに信頼し合い、協力しながら作業を進めている。(※3)
次のうち、この(※3)場面で採用された方法として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
N市にある相談支援事業所のF精神保健福祉士は、地域相談支援に携わっている。担当している統合失調症のGさん(55歳、男性)は、退院して2か月がたち、一軒家の自宅での生活に慣れ始めたところである。自宅を残してくれた両親は既に亡くなっており、一人暮らしである。
ある日、Gさんから「近所との関係で困っている」と電話があった。F精神保健福祉士が早速訪問したところ、Gさんはつい先ほど隣家の住民から「ごみを勝手に持ち帰るな」と怒鳴り込まれたと訴えた。F精神保健福祉士は前回に立ち寄ったときと比較して、敷地内の乱雑ぶりに驚いた。あらゆる所にごみが積み上げられ、聞けば「近所に放置されていたから、家まで持ってきた」という。Gさんは「どれも大切なものであり、ごみではない」と言い張り、「危険もあるので処分しましょうよ」というF精神保健福祉士の発言に激高した。(※1)
その後、F精神保健福祉士は何度も訪問を重ね、Gさんの訴えを傾聴し続けた結果、Gさんはようやく家の片付けを受け入れた。Gさんは自分で片付けると言ったが、F精神保健福祉士は、量が多いので何回かに分けて一緒に片付けるなど工夫を試みた。(※2)
Gさん宅の片付けが無事に終わった後、F精神保健福祉士は定期的に訪問を続けている。隣家との関係は改善されていないものの、今のところGさんが再びごみを収集することはない。
F精神保健福祉士がN市自立支援協議会でこの件に関連して報告すると、同様のケースが発生しているということが分かり、市内の関係機関を対象に、実態調査を次年度に行うことになった。調査の意義に理解を示したN市が予算を確保し、調査に携わるメンバーが集められた。現在、それぞれのメンバーがお互いに信頼し合い、協力しながら作業を進めている。(※3)
次のうち、この(※3)場面で採用された方法として、適切なものを1つ選びなさい。
- ネットワーキング
- チームワーク
- ケアカンファレンス
- コンサルテーション
- グループスーパービジョン
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この過去問の解説 (3件)
01
1:ネットワーキングは、フォーマル、インフォーマルを問わず、あらゆる種類の社会資源を繋げて、ネットワークを構築することを言います。情報交換や情報共有により、関係者間で連携したり、信頼関係を構築したりすることによって、地域福祉を活性化する支援となります。事例は、ネットワーキングについての記述がありませんので、不適切です。
2:チームワークは、同じ施設や機関内でも、他の施設や他機関との間においても、同じ目標に向かい協働していく上で大変重要です。事例では、Gさんと同様のケースの発生が認識され、実態調査の実施が決まっています。調査に携わるメンバーが招集され、メンバーどうしで信頼し合い協力しながらの作業の記述があります。チームワークの採用は適切です。
3:ケアカンファレンスは、医療や福祉の現場において、サービスを必要とする人に適切なサービスを提供するために、関係者が集まり、情報共有や問題の検討などをする会議です。事例は、ケアカンファレンス実施の記述がありませんので、不適切です。
4:コンサルテーションは、異なる専門職が複数集まり、援助対象者へのより良い援助について話し合うことをいいます。事例で、コンサルテーションの行われた記述はありませんので、不適切です。
5:グループスーパービジョンは、ソーシャルワーカー間で行われる教育です。スーパーバイザーと呼ばれる経験豊かなベテランソーシャルワーカーが、スーパーバイジーと呼ばれるまだ経験の浅いソーシャルワーカーの集団へ助言を行います。事例では、グループスーパービジョンが実施されたという記述はありませんので、不適切です。
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02
1.ネットワーキングとは、社会資源のネットワークを構築していくことです。事例の場面では、ネットワーキングは終了しているといえるため、適切な回答とはいえません。
2.チームワークとは、複数の人が協力しながら作業を進めることです。事例では「現在、それぞれのメンバーがお互いに信頼し合い、協力しながら作業を進めている。」とありますので、適切な回答といえます。
3.ケアカンファレンスとは、ケアに関する会議のことで、医療や福祉の現場で使われます。事例では実態調査を行うメンバーが集められていますので、ケアカンファレンスではありません。
4.コンサルテーションとは、専門家の知識を、異なる専門家、専門外の他の人たちに伝えることです。事例の集まりは実態調査が目的で、お互いの専門性を教え合う場ではないため、適切な回答ではありません。
5.グループスーパービジョンとは、スーパーバイザーが、同じ専門家からなるグループに助言等を行うことです。事例から助言等が行われていることは読み取れないため、適切な回答ではありません。
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03
1.調査に携わるメンバーが協力しながら作業を進めていくことは何かを指しているので、メンバー同士の関係から考えます。ネットワーキングは、地域における関係機関が連携し、協働していくつながりの活動を指しますので、調査メンバーの活動とは違います。
2.調査に携わるメンバーがお互いに信頼し合い、協力しながら作業を進めていくことは、チームワークといえます。
3.ケアカンファレンスは、クライアントに関わる他職種が集まり、ケアサービスに関する会議を開催することなので、調査に携わるメンバーが共に作業を進めていくことではありません。
4.コンサルテーショは、他の領域の専門家から助言をいただくことです。調査に携わるメンバーが共に作業を進めていくことではありません。
5.グループスーパービジョンとは、スーパーバイザーと複数のスーパーバイジーで行われ、バイザーがバイジーに助言をしたり、バイザー同士が意見交換をする場です。調査に携わるメンバーが共に作業を進めていくことではありません。
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