精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問38

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

精神科リハビリテーションの基本原則に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 疾患ごとにアプローチを統一する。
  • 本人の依存を防いで自立度を高める。
  • 全過程を一貫した計画で実施する。
  • 本人と専門職の二者関係で展開する。
  • 疾病管理と再発予防の視点を持つ。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

1:ケースワークの原則として、「個別化の原則」がありますが、精神科リハビリテーションでも同様に、個別性を重視し、同じ疾患であっても個々の状態や状況に合わせた個別化を原則としています。
『精神科リハビリテーション学』の中で、中川正俊は、「当事者参加」「主体性回復の視点」などと共に「個別性の重視」を基本原則に挙げています。「疾患ごとにアプローチを統一する」は誤りです。

2:アメリカのアンソニーは、精神科リハビリテーションの基本原則の提唱者として知られてます。アンソニーの基本原則の中には、「熟慮された上での当事者の依存度を増やすことは、当事者の自立につながる」とあります。適度な依存は時としてその自立を高めることにつながりますので、「本人の依存を防いで自立度を高める」は誤りです。

3:アンソニーの基本原則の中に「さまざまなテクニックを駆使し臨機応変であること」とあり、中川正俊の基本原則の中には、「技法の柔軟な取り入れ」があります。リハビリテーションの過程では、当事者の状況や状態、ニーズに合わせた臨機応変な対応が求められます。「全過程を一貫した計画で実施する」は誤りです。

4:精神科リハビリテーションの目標のひとつは、本人の生活の質を確保し、高めていくことです。そのためには、本人の最大限の参加を前提とし、フォーマル、インフォーマルにとらわれず、あらゆる社会資源を利用しながら行うことが必要です。本人と専門職との二者間での展開ですと、選択肢も狭まり、本人の希望の実現や環境の調整などが難しくなることもあります。よって誤りです。

5:中川正俊の基本原則の中に「疾病の管理と再発防止の視点」が挙げられています。精神障害は、疾病と障害が共存し、病状の悪化や再発が、生活の質の低下へ多大な影響を与えます。精神科リハビリテーションにおいて「疾病管理と再発予防の視点を持つ」ことは重要な基本原則です。

参考になった数32

02

正解は5です。

1.精神科リハビリテーションの基本原則の1つとして、中川正俊は個別性の重視を挙げています。疾患ごとにアプローチを統一するのではなく、個別に統合的なアプローチを行う必要があります。

2.精神科リハビリテーションの基本原則の1つとして、アンソニーは熟慮された上でのケア提供者への依存は自立につながるとしています。適度な依存は認められています。

3.精神科リハビリテーションの基本原則の1つとして、臨機応変であることが挙げられています。全過程を一貫した計画で実施することは正しいとはいえません。

4.精神科リハビリテーションの基本原則の1つとして、多職種による連携があります。本人と専門職の二者関係のみではありません。

5.精神科リハビリテーションの基本原則の1つとして、中川正俊は疾病管理と再発防止の視点を挙げています。

参考になった数13

03

 正解は5です。

1.疾患ごとにアプローチを統一するのではなく、個別性を考慮したアプロ―チが必要です。

2.本人の依存を防いで自立度を高めるのではなく、「熟慮された上でのケア提供者への依存は自立につながる」とアンソニーの精神科リハビリテーションの基本原則の中にあります。

3.全過程を一貫した計画で実施するのではなく、「さまざまなテクニックを駆使し臨機応変であること」とアンソニーの精神科リハビリテーションの基本原則の中にあります。

4.本人と専門職の二者関係のみではなく、他職種による連携があります。例えば作業療法士、心理療法士、精神保健福祉士などが連携・協働していくことで、総合的かつ多面的なリハビリテーションが可能となります。

5.疾病管理と再発予防の視点を持つことは、精神科リハビリテーションの基本原則の1つです。

参考になった数8