精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
地域福祉の理論と方法 問117
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問117 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、Aボランティアコーディネーターの取組に関する次の記述のうち、より適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
N市社会福祉協議会のボランティアセンターのAボランティアコーディネーターは、窓口での相談対応や地域の状況把握などを踏まえて、ボランティア活動の調整など、コーディネーターとしての業務に取り組んでいる。
〔事 例〕
N市社会福祉協議会のボランティアセンターのAボランティアコーディネーターは、窓口での相談対応や地域の状況把握などを踏まえて、ボランティア活動の調整など、コーディネーターとしての業務に取り組んでいる。
- N市では孤立死が数件発生しているが、住民がショックを受けないように、地元の孤立死の件数、自殺者数などの情報は伏せておくことにした。
- 子どもの不登校で悩んでいる親が相談に来たことをきっかけに、不登校の子どもを支援するボランティアの養成講座を企画した。
- 担当地区の高齢化率が著しく高いため、ボランティアの新規募集は別の地区で行うことにした。
- 市内の企業からボランティアへの協力の申出があったので、近くの福祉施設で活動できるようにした。
- N市の住民のボランティアへの参加意欲を知ろうと考え、社協が開いているふれあい・いきいきサロンの利用者を対象とする調査を実施することにした。
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この過去問の解説 (4件)
01
1.住民がショックを受ける可能性はありますが、住民に問題意識を持ってもらうためにも現状を正しく公開することは大切です。他により適切な選択肢が存在します。
2.子どもの不登校で悩んでいる親が相談に来たことをきっかけに、不登校の子どもを支援するボランティアの養成講座を企画することは、ボランティアコーディネーターの業務として適切です。
3.担当地区の高齢化率が著しく高くとも、担当地区をメインとしたボランティアの新規募集を行うことが望ましいといえます。
4.市内の企業からボランティアへの協力の申出があったので、近くの福祉施設で活動できるようにしたことは、ボランティアコーディネーターの業務として適切です。
5.N市の住民のボランティアへの参加意欲を知るには、ふれあい・いきいきサロンの利用者だけでなく、サロンを利用していない人も含めた住民全体を対象とすることが望ましいといえます。
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02
1:孤立死が数件発生しているN市では、今後も孤立死が起こる可能性があります。孤立死の情報や自殺者の情報を伏せてしまうのではなく、住民に公表することで、住民同士の声かけや見守りなど、住民が主体となって孤立死や自殺を予防することへとつなげて行けます。よって誤りです。
2:子供の不登校で悩んでいる親の相談をきっかけに不登校のこどもを支援するボランティアの養成講座の企画をするは正解です。住民の相談を受けてニーズを把握し、その対応をすることは、ボランティアコーディネーターの重要な役割です。
3:担当地区の高齢化率の高さを理由としてボランティアの新規募集を別の地区で行うことは誤りです。その地域の状況に応じた対応の仕方を検討し、ボランティアの募集をすることが適切です。
4:ボランティアコーディネーターは、ボランティア活動を希望する人とボランティアを求める人を結ぶ役割を担いますが、人と人だけでなく人と組織、組織と組織を結ぶ役割も担います。市内の企業(組織)のボランティアへの協力の申出と住民を結びつけることは正解です。
5:社協が開いている「ふれあい・いきいきサロン」は、地域住民が気軽に集える場所を作ることで、地域の仲間作りや健康作りをする活動です。参加者に縛りはありませんが、利用者は高齢者が中心です。N市の住民のボランティアへの参加意欲を知ることを目的とするならば、ふれあい・いきいきサロンの利用者のみのを対象とするのではなく、N市の住民全体を対象にすることが望ましいです。よって誤りです。
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03
コミュニティーワークの実践を問われる事例問題です。
1× 孤立死の件数、自殺者数は個人情報ではなく、公的な情報であるため、求められたときは公開されなければなりません。
2〇 正しいです。個別ケースから地域課題を発見することも大切な役割です。
3× 高齢者もボランティアの要員になりえます。また、他地区からの募集だと、ボランティア側も移動費がかかるなど負担も多くなるため、適切ではありません。
4〇 正しいです。コミュニティワークの役割を担います。
5× ふれあい・いきいきサロンの利用者は「高齢者」が対象なので、住民全体の意欲を調べるには不十分です。
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04
1→情報を伏せておくことは好ましくありません。開示することにより、住民が情報に触れて、何かできることはないかと考えるきっかけになることもあります。
2→利用者の相談をきっかけに「求められている支援」を考え、それを学ぶ機会を作ることは地域のボランティアセンターとしてよい役割だと考えられます。
3→高齢化率が高いことだけを理由に、別の地区でボランティアを募集する動きは好ましくありません。高齢化率が高いことを強みとして動けることを考えることも、ボランティアコーディネーターの役割だと考えられます。
4→市内の企業からボランティアへの協力の申出があったので、近くの福祉施設で活動できるようにしたことは、市内にある資源を結び付けて市内の活性化につながる良い動きだと考えられます。
5→N市の住民のボランティアへの参加意欲を知るには、調査の対象を限定せず行うほうがより詳しい情報を得ることができると考えられます。
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