精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
地域福祉の理論と方法 問118
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問118 (訂正依頼・報告はこちら)
地域福祉活動における情報の取扱いに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 社会福祉法では、社会福祉事業者による個人情報の取扱いに関して規定している。
- 地域ケア会議では、プライバシー保護のため、個人情報を含んだ個別ケースは検討できない。
- 災害対策基本法では、避難行動要支援者名簿は、市町村の条例に特別の定めがあれば、本人の同意がなくても、平常時から民生委員や消防機関等に提供できる。
- 個人情報の保護に関する法律では、生命、身体又は財産の保護のための個人データの第三者への提供に当たっては、本人の同意が必須とされている。
- 「子ども虐待対応の手引き」(厚生労働省)では、児童虐待が疑われる情報があっても、実態が確認できるまでは通告や相談は避けた方が良いとされている。
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この過去問の解説 (4件)
01
1:社会福祉法には社会福祉事業者による個人情報の取り扱いに関しての規定はありません。厚生労働省の「福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン」に記載があります。よって誤りです。
2:地域ケア会議での個人情報を含んだ個別ケースは検討できないは誤りです。
地域ケア会議では、多職種の協働による個別ケース(困難事例等)の支援を通して、地域支援ネットワークの構築や高齢者の自立支援へのケアマネジメントを行います。個人情報に対しては、その提供内容、情報共有に本人、家族の同意を得る事を大前提にしており、配慮をしながらケース検討が行われます。
3:災害対策基本法では、市町村長へ災害時の避難行動において配慮が必要な者(避難行動要支援者)の名簿の作成を義務付けています。その名簿は「避難行動要支援者名簿」といいます。条例などで予め決めていれば本人の同意がなくても平常時から民生委員や消防機関等に「避難行動要支援者名簿」の提出ができますので正解です。
4:個人情報の保護に関する法律では、生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合は、個人データの第三者への提供に本人の同意を必要としないとされていますので誤りです。
5:「子ども虐待対応の手引き」(厚生労働省)では、児童虐待が疑われる情報がある場合、必ずしも虐待の実態の確認ができてなくても通告義務が生じるとされています。よって誤りです。
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02
1.社会福祉法には、社会福祉事業者による個人情報の取扱いに関する規定はありません。
2.地域ケア会議では、プライバシー保護に十分な配慮を行いながら、個人情報を含めた個別ケースを検討します。
3.災害対策基本法の第四十九条の十一に、避難行動要支援者名簿は、市町村の条例に特別の定めがあれば、本人の同意がなくても、平常時から民生委員や消防機関等に提供できることが規定されています。
4.個人情報の保護に関する法律では、生命、身体又は財産の保護のための個人データの第三者への提供に当たっては、本人の同意は必要としないとされています。
5.「子ども虐待対応の手引き」では、「児童虐待を受けたと思われる児童」でも通告義務が生じ、躊躇せずに通告や相談をした方がよいとされています。
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03
1→社会福祉法では、社会福祉事業者による個人情報の取扱いに関しての規定はありません。
2→個人情報に配慮しながら、個別ケースも検討していきます。
3→災害対策基本法(名簿情報の利用及び提供)の項の中で、
「市町村長は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、
避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために特に必要があると認めるときは、避難支援等の実施に必要な限度で、避難支援等関係者その他の者に対し、名簿情報を提供することができる。
この場合においては、名簿情報を提供することについて本人の同意を得ることを要しない。」
と記されています。
4→個人情報の保護に関する法律では、生命、身体又は財産の保護のための個人データの第三者への提供に当たっては、本人の同意は必須ではないです。
5→児童虐待が疑われる場合で、実態が確認できない段階でも通告や相談は行うべきです。
手引きでは、「児童虐待が疑われる場合はもちろんのこと、一般の人の目から見れば主観的に児童虐待があったと思うであろうという場合であれば、通告義務が生じることとなる」と記されています。それが虐待の早期発見につながる場合があります。
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04
秘密保持の視点からの問題です。
個人情報の中で、本人の同意を必要としないものを知っているかがポイントになります。
1× 社会福祉法では事業者への個人情報の取扱いに関して規定されていません。
ちなみに、個人情報を取り扱う事業者に関しては「個人情報保護法」に規定されています。
2× 地域ケア会議は個別ケースから地域課題を見つけるものです。
3〇 正しいです。(災害対策基本法49条11項2)
4× 本人の同意は必要ありません。(個人情報の保護に関する法律16条3項2)
5× 平成16年の児童虐待防止法改正法により、児童虐待が疑われるケースも通報・相談対象になりました。
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