精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
地域福祉の理論と方法 問120

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問120 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、社会福祉協議会のB福祉活動専門員のとるべき対応として、次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕
「最近、一人暮らしの80歳のCさんを見かけない」と近隣住民から民生委員に相談があった。民生委員がCさんを訪問したところ、Cさんは居たものの、部屋の中はゴミが溜り、食事も十分ではない様子であった。しかし、Cさんは「特に困っていない」と繰り返すだけであった。市内には55歳の独身の息子Dさんが暮らしているが、あまりCさん宅を訪れることはないようであった。民生委員から相談を受けたB福祉活動専門員は、次のような対応をした。
  • Cさんに認知症の疑いがあるため、地域包括支援センターの保健師に以降の対応を任せた。
  • Dさんの職場を訪問し、上司にCさんの様子を伝え、Dさんの職場での状況を聞いた。
  • Cさんの近隣では、ふれあい・いきいきサロンが開催されているが、Cさんにサロンへの参加を促すことは、かえって刺激する可能性があるため控えた。
  • Cさんに、近隣住民が行っている配食サービスの利用を提案した。
  • ゴミ出しなどについて困っている住民が他にもいたので、民生委員や自治会役員などに参加を求め、生活支援の仕組みづくりを考える話合いを行った。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は4と5です。

1.認知症の疑いがあるというだけで、以降の対応を地域包括支援センターの保健師に任せるということは適切ではありません。

2.Dさんの職場を訪問し、上司にCさんやDさんの個人情報に関わるやりとりをすることは、個人情報保護の観点から適切ではありません。

3.Cさんにサロンへの参加を促すことは適切な対応といえるため、刺激をしないように配慮しながら、参加を促すことが望ましいといえます。

4.Cさんに、近隣住民が行っている配食サービスの利用を提案することは、地域の見守りにつながるため、適切な対応といえます。

5.民生委員や自治会役員などに参加を求め、生活支援の仕組みづくりを考える話し合いを行うことは、地域主体の解決方法につながるため、適切な対応といえます。

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02

正解は4と5です。

1:民生委員からの情報のみで、Cさんを認知症の疑いありと断定し、他機関に対応を任せてしまうのは適切ではありません。よって誤りです。
民生委員と共にCさんを訪問するなどし、協働・連携をしながら課題解決へ取り組んでいくことが重要です。

2:本人からの許可を得ずに、第三者であるDさんの上司へCさんの事を話したり、Dさんの職場での状況を聞いたりする事は、個人情報保護の観点から適切ではありません。よって誤りです。
Cさん家族の状況や家族との関係性を把握する事は必要ですが、Dさんとの面談で十分に情報を得ることができます。

3:「ふれあい・いきいきサロン」は、地域住民が気軽に集える場所を作り、仲間作りや健康作りなどをする活動です。このサロンへの参加によって、Cさんの孤立状態の解消へとつながる可能性があります。Cさんの気持ちを汲み取りながらサロンへの参加を促すことは適切な支援です。よって誤りです。

4:食事も十分ではない様子のCさんへ近隣住民の行っている配食サービスの利用を提案することは、適切ですので正解です。
配食サービスは手渡しで食事が届けられます。栄養バランスの良い食事を届けてもらうと同時に届ける人(近隣住民)によるCさんとの交流や見守りが期待できます。

5:Cさんの課題(ゴミが部屋に溜まっている)と他の住民の課題(ゴミ出しなどについて困っている)をゴミについての共通の課題として受け止めて、課題解決に向け民生委員や自治会役員と協働・連携をして課題の解決方法(生活支援の仕組みづくり)を話し合うことは適切です。よって正解です。



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03

ここでのポイントは、独居の高齢女性で「ごみを溜めている」「食事がとれていない」という課題にアプローチしたものを選んでいきます。

1× 認知症の可能性を考慮して、保健師を呼ぶのは適切ですが、一方的に任せるのは間違いです。

2× 息子さんの職場への訪問は非常に迷惑です。なるべく勤務外で時間調整する配慮が必要になります。

3× 正しいように見えますが、現時点では、Cさんに近隣住民の交流が必要な根拠がないため、再度アセスメントしてから、サロンの声掛けを検討するべきです。

4〇 正しいです。

5〇 正しいです。

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04

正解は4,5です。

1→「認知症の疑いがある」と判断し、すぐに地域包括支援センターの保健師に対応を任せることは好ましくありません。情報を先読みしすぎず、また疑いがあるのであれば本人と丁寧にやりとりを持つことが大切です。

2→DさんとCさんの関係を知る前に、勝手にDさんの職場に訪問することや、Cさんの情報を伝えることはあまりにも勝手な行為です。またDさんへの配慮に欠けています。

3→刺激する可能性があるかどうかは、今後Cさんとの関係づくり次第です。せっかくの地域資源なので、Cさんとやりとりを持って伝えていくことが大切です。

4→食事が十分ではないというところから、Cさんに近隣住民が行っている配食サービスの利用を提案することは適切な行いです。

5→民生委員や自治会役員などに参加を求め、生活支援の仕組みづくりを考える話合いをすることは適切な行いです。

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