精神保健福祉士の過去問 第18回（平成27年度） 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問136

正解は３です。

１．障害者基本法には、障害者差別の禁止についての基本的理念が定められています。

２．障害者差別解消法では、人種を理由とする差別の禁止について規定されていません。

３．障害者差別解消法は、障害者の権利に関する条約を締結するための国内法制度の整備の一環として制定されました。

４．差別の解消の推進に関する政府の基本方針は、障害者差別解消法に基づいて既に策定されています。

５．差別を解消するための支援措置として、新たに専門の紛争解決機関を設けることという規定はありません。

正解は3です。

1：「障害者基本法」第4条第1項に「何人も障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」という基本的理念が定められています。障害者差別の禁止を基本的理念として謳っていますので誤りです。

2：障害を理由とした差別の禁止であり、人種を理由とする差別の禁止については特に規定されていませんので誤りです。

3：国連では、2006年（平成18年）に「障害者の権利に関する条約」が採択されました。この条約では、障害者の人権及び基本的な自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的して、障害者の権利の実現のための措置等について定めています。「障害者差別解消法」は、「障害者の権利に関する条約」を締結するための国内法制度の整備の一環として制定されました。よって正解です。

4：「障害者差別解消法」の第6条に、「政府は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的方針を定めなければならない。」とし、基本方針を掲げています。よって誤りです。

5：差別を解消するための新たな専門の紛争解決機会を設けることとはされていませんので誤りです。

1、不適切です。障害者差別の禁止についての基本的理念は、障害者基本法第４条に規定されています。

2、不適切です。障害者差別解消法には障がいを理由とした差別の禁止が規定されていますが、人種を理由とした差別の禁止については規定されていません。

3、適切な内容です。障害者の権利に関する条約に日本は2007年に署名し、2014年に日本国内で効力を発生する事となりました。

4、不適切です。障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針は、平成27年に策定されています。

5、不適切です。相談及び紛争の防止等のための体制の整備を行う必要性を述べてはいますが、法により新たな機関は設置せず、既存の機関の活用・充実を図る事としています。

正解は3です。

1→ 障害者基本法にも「差別の禁止」について定められています。

2→人種の差別については規定されていません。障害者差別解消法は、障害を理由とする差別についての法律です。

3→障害者の権利に関する条約を締結するための国内法制度の整備の一環として制定されました。

4→障害者差別解消法第６条第１項の規定に基づき、差別の解消の推進に関する政府の基本方針は策定されています。

5→紛争解決機関を設けることとされていません。