精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
低所得者に対する支援と生活保護制度 問145
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 低所得者に対する支援と生活保護制度 問145 (訂正依頼・報告はこちら)
生活保護法における扶養義務者に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 近年の法改正により、保護の開始の決定をしようとするときは、一定の扶養義務者に対する書面による通知を行う仕組みが導入された。
- 保護の実施機関は、家庭裁判所の審判を経ずに、直系血族及び兄弟姉妹以外の者に扶養義務を負わせることができる。
- 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の親族の申請に基づいて開始される。
- 夫婦間と子の老親に対する関係は、生活保護法の規定に基づき、その他の範囲に比べて強い扶養義務が課せられている。
- 被保護者に対して扶養義務者が扶養の義務を履行しないとき、国は、その費用の全部又は一部を、その扶養義務者から徴収することができる。
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この過去問の解説 (4件)
01
1:生活保護法の第二十四条第8項に、「保護の実施機関は、知れたる扶養義務者が民法の規定による扶養義務を履行していないと認められる場合において、保護の開始の決定をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、当該扶養義務者に対して書面をもつて厚生労働省令で定める事項を通知しなければならない。」
とあります。よって正解です。
2:保護の実施機関は、家庭裁判所の審判を経ずに扶養義務を負わせることはできません。よって誤りです。
生活保護法の第七十七条に「被保護者に対して民法の規定により扶養の義務を履行しなければならない者があるときは、その義務の範囲内において、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の全額又は一部を、その者から徴収することができる。」とあり、第七十七条第2項では「前項の場合において、扶養義務者の負担すべき額について、保護の実施機関と扶養義務者の間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、保護の実施機関の申立により家庭裁判所が、これを定める。」とあります。
3:保護の申請ができるの要保護者、その扶養義務者、その他の親族ではなく、その他の同居の親族です。よって誤りです。
生活保護法の第七条に「保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。」とあります。
4:生活保護法における強い扶養義務が課される者は、夫婦と未成熟の子に対する親のみです。子の老親に対する関係は含みません。よって誤りです。
5:生活保護法の第七十七条に「被保護者に対して民法の規定により扶養の義務を履行しなければならない者があるときは、その義務の範囲内において、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の全額又は一部を、その者から徴収することができる。」とあります。徴収できるのは、保護費を支弁した都道府県又は市町村で国ではありませんので誤りです。徴収できる費用についても扶養義務者の義務の範囲内かどうかも要件となります。
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02
1→近年の法改正により、保護の開始の決定をしようとするときは、一定の扶養義務者に対する書面による通知を行う仕組みが導入されました。
2→生活保護法第77条で「扶養義務者の負担すべき額について、保護の実施機関と扶養義務者の間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、保護の実施機関の申立により家庭裁判所が、これを定める。」とされています。
3→保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の「同居の」親族の申請に基いて開始するものとするとされています。
4→強い扶養義務が課せられているのは、 夫婦間と子の老親ではなく「夫婦間と未成熟の子に対する親」です。これは民法の「生活保持義務」による考え方です。
5→費用の徴収は、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長が行うことができます。
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03
1,適切な内容です。生活保護の受給開始を決定する前に、一定の扶養義務者に対して「生活保護扶養届出書」を書面で出し、生活保護の受給を希望している方の扶養を出来るかどうか確認を取る事とされています。
2、不適切です。三親等内の親族に対して、特段の事情がある場合は扶養義務を負わせる事が出来る可能性がありますが、それには家庭裁判所の審判を受ける必要があるとされています。
3、不適切です。生活保護法第7条に「申請保護の原則」が謳われていますが、それによれば生活保護は「要保護者」「要保護者の扶養義務者」「その他の同居の親族」の申請に基づいて開始されるとされています。ただし、要保護者が急迫した状況にある際には保護の申請が無くても必要な保護ができる事が明記されているため、必ずしも申請が必要という訳ではありません。
4、不適切です。民法上強い扶養義務が課せられる関係としては、夫婦間と未成熟の子に対する親からの扶養の二つが挙げられます。夫婦間と未成熟の子に対する親からの扶養義務としては、お互いが同程度の生活を保障されなければならない「生活保持義務」が課せられるとされています。
5、不適切です。扶養義務者が扶養できる状況に置かれており、特段の理由がないにも関わらず扶養義務を履行しなかった場合は、都道府県または市町村の長がその費用の一部または全額を徴収できるとされています。また、扶養義務者が扶養を行えるほど金銭的な余裕が無い等の理由がある場合などは、扶養義務者が扶養を行わなかったとしても費用徴収を強制的に行われる事はありません。
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04
1.2014年の法改正により、保護の開始の決定をしようとするときは、一定の扶養義務者に対する書面による通知を行う仕組みが導入されました。
2.保護の実施機関は、家庭裁判所の審判を経ずに、直系血族及び兄弟姉妹以外の者に扶養義務を負わせることはできません。
3.保護の申請ができるのは、要保護者、その扶養義務者、またはその他の「同居の」親族です。
4.強い扶養義務が課せられているのは、夫婦と未成熟の子どもに対する親だけです。
5.徴収できるのは国ではなく、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長です。
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