精神保健福祉士の過去問 第18回（平成27年度） 低所得者に対する支援と生活保護制度 問146

正解は３です。

居住地の明らかでない者（住民登録された場所に住んでいない者）は、現在地を管轄する福祉事務所が実施責任を負うことになります。

１．勤務先のP市は実施機関ではありません。

２．Q市はアパートを退去しているので実施機関ではありません。

３．野宿をしていた現在地であることから、R市が実施機関となります。

４．搬送先、入院先のS市は実施機関ではありません。

５．住民登録しているT市には住んでいないため、T市は実施機関とはなりません。

正解は3です。

1→P市は勤務していた市です。

2→Q市はすでに退去しています。

3→R市で野宿をして生活をしていたと考えられます。この場合は「居住地がないか、又は明らかでない要保護者」と考えられ、その管理に属する福祉事務所が保護の実施機関となります。

4→S市は入院先です。

5→T市は住民登録をしている市です。

正解は3です。

生活保護法の第十九条から実施機関について抜粋します。「都道府県知事、市長及び社会福祉法に規定する福祉に関する事務所（福祉事務所）を管理する町村長は、次に掲げる者に対して、この法律の定めるところにより、保護を決定し、かつ、実施しなければならない。
一、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する要保護者。
二、居住地がないか、又は明らかではない要保護者であつて、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの。」

1：P市は以前の勤務地でがありますが、居住地ではないので誤りです。

2：Q市は以前の居住地ですが、退去しているので誤りです。

3：R市は、野宿とはいえ居住をしていた現在地となりますので正解です。

4：S市は、Gさんが搬送後入院となった病院がありますが、Gさんが搬送される時点での現在地はR市ですので誤りです。

5：GさんはT市に住民登録をしていますが、T市での生活はしていませんので誤りです。

生活保護の実施機関は、その対象となる方が居住している地域が行う事と定められています。仮に居住している地域に住居が無かったり、住民票は別の市町村にある場合においてもそれは同様となります。

1、P市は勤務先の所在地ですが、１か月以上前に雇用期間を満了している事が事例から読み取れます。現状居住している地域ではないので保護の実施機関とはなりません。

2、Q市はP市の会社で働いていた時の居住地ですが、雇用期間を満了したと同時にアパートを退去しており、その後はR市で野宿生活を送っていたとありますので、保護の実施機関とはなりません。

3、野宿生活を送っていたのはR市であり、その時に河川敷で体調不良で倒れたとありますので、居住していたのはR市と考えられます。実際の生活実態がある市町村等が生活保護の実施機関となりますので、R市がGさんの保護を実施するべきと考えられます。

4、S市は搬送された病院がある場所ですが、Gさんが居住していたという事実は本事例から読み取れませんので保護の実施機関とはなりません。

5、T市には住民登録をしてあるかもしれませんが、本事例から生活している実態が読み取れません。よって、T市は保護の実施機関とはなりません。