精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
保健医療サービス 問155
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 保健医療サービス 問155 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、回復期リハビリテーション病棟における復職を支援するチームの在り方に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
教職員が120人いる私立中学校の事務職員をしているJさん(50歳、男性)は、脳出血で倒れ、現在は、休職して回復期リハビリテーション病棟に入院している。後遺症として、右片麻痺、言語障害があり、理学療法、作業療法、言語聴覚療法やソーシャルワーカーの支援を受けている。この度、職場復帰に向けた方針をチーム内で検討することになった。
〔事 例〕
教職員が120人いる私立中学校の事務職員をしているJさん(50歳、男性)は、脳出血で倒れ、現在は、休職して回復期リハビリテーション病棟に入院している。後遺症として、右片麻痺、言語障害があり、理学療法、作業療法、言語聴覚療法やソーシャルワーカーの支援を受けている。この度、職場復帰に向けた方針をチーム内で検討することになった。
- マルチディシプリナリーモデルを用いて活動する。
- ソーシャルワーカーは医療行為ができないため、リーダーにならない。
- 復職支援の計画は、Jさんをチームに加えず、専門職だけで決定する。
- 職場での配慮や環境調整のために、Jさんの同意を得て、産業医に必要な情報を提供する。
- Jさんの復職に関する課題を解決するために、タスク機能とメンテナンス機能を発揮する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:マルチディシプリナリーモデルは、医師を中心としてその指示の下で多分野の専門職が、チーム内で与えられた各々の専門職としての役割を果たします。チーム間の連携というよりも最終的には医師に集約されます。手術などの緊急性の高い場合に有効ですが回復期で職場復帰に向かうJさんを支援するためのモデルとしては適切ではありませんので誤りです。
事例のような場面では、Jさんを中心にしてそのニーズに対応することが重要となります。そのためには、多職種間のコミュニケーションに重点が置かれ協働・連携を意識するインターディシプリナリーモデルが適切でしょう。
2:職場復帰に向けては、Jさんの職場の産業医やその他の関係機関との連携や調整が必要となります。ソーシャルワーカーがリーダーとしての役割を担うことも十分に考えられます。よって誤りです。
3:復職支援においての主体はJさんです。Jさん本人と専門職との協働で計画を策定することが重要ですので誤りです。
4:産業医のサポートを得ることで、Jさんはよりスムーズに復職できると思われます。そのために必要な情報をJさんの同意のもとで産業医へ提供することは適切です。
5:タスク機能とはチームの目的達成のための機能であり、メンテナンス機能とは、チームを維持・強化するための機能です。Jさんの復職に関する課題を解決するために、タスク機能とメンテナンス機能を発揮することは正解です。
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02
1.マルチディシプリナリーモデルは医師を中心とし、各専門職が別々の役割を設定して行動するモデルですが、回復期で職場復帰に向けた段階では、各専門職が共通の目標や役割を持つ必要があるため、適切なものとはいえません。
2.職場復帰に向けた段階では、医療行為は必ずしも必要とならず、むしろソーシャルワーカーが得意とする領域となるため、ソーシャルワーカーがリーダーになることは十分に考えられます。
3.復職支援の計画にあたっては、当事者のJさんと一緒に策定することが重要です。
4.職場での配慮や環境調整のために、Jさんの同意を得て、産業医に必要な情報を提供することは適切です。
5.Jさんの復職に関する課題を解決するために、目標達成や課題遂行を行うタスク機能と、集団としてチームを維持するメンテナンス機能を発揮することは適切です。
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03
2、復職にあたっては、職場との調整が必要な場合もあるため、ソーシャルワーカーがリーダーになることもあり得ます。
3、復職するのはJさん本人であり、本人の意思を尊重した対応が必要です。
4、復職にあたり、職場の調整を行うために産業医に、Jさんの同意を得たうえで情報の提供を行うことは適切といえます。
5、タスク機能とは、目的を達成するために行う課題を遂行していく機能で、メンテナンス機能とは、メンバー間の強化や関係修復機能を指します。Jさんの復帰のために、多職種での支援には両機能とも重要な機能です。
以上から、正解は4と5です
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