精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問60
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事 例〕
Cさん(35歳、女性)は18歳で統合失調症を発症、入院を経験しながらも農業大学校卒業後、父が代表の農業法人で果実加工部門を担当している。4年前に農業高校教員と結婚、両親と同居し、1歳6か月の娘がいる。妊娠中から再発や育児と仕事の両立の不安を語っていたが、家族や通院先のD精神保健福祉士の支援のほか、母親教室で再会した高校時代の友人Eさんとの交流にも支えられてきた。
昨年4月父が急死し、その後外来受診が増えた。「育児にも仕事にもほとんど手がつかない」「あまり眠れないし、もう何もかも放り出したい」などと訴えるので、D精神保健福祉士は面接と訪問の回数を増やした。
(※1)
昨年6月、「もう疲れた、休みたい」と任意入院したが、入院中に何度も面会に来てくれたEさんの支えもあり、9月には退院した。
農業法人は、今年4月から夫が代表を務めてくれることになり、Cさんは自分の将来について考えられるようになった。そんな時、病院を退職しソーシャルワーカー事務所を開業していたD精神保健福祉士からCさんとEさんにお茶会の誘いがあった。「子育ての悩みを話そう」というものだったので、二人は喜んで参加した。その場では、D精神保健福祉士も自身の子育てや仕事に関する悩みを打ち明けたので、CさんもEさんも日頃の思いを存分に話すことができた。D精神保健福祉士は、「自分たちと同じように、悩みがあっても相談できない親たちは多いだろう。父親も含めて、親たちが地域で気軽に交流できる緩やかなつながりを作りましょう」と二人に働きかけた。
(※2)
しかし、D精神保健福祉士は準備を続けるうちに、自分の立場が、専門職としての活動なのか当事者としての思いなのか戸惑い、相談したいと考えた。
(※3)
(※3)の時点のD精神保健福祉士が相談をする相手として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(35歳、女性)は18歳で統合失調症を発症、入院を経験しながらも農業大学校卒業後、父が代表の農業法人で果実加工部門を担当している。4年前に農業高校教員と結婚、両親と同居し、1歳6か月の娘がいる。妊娠中から再発や育児と仕事の両立の不安を語っていたが、家族や通院先のD精神保健福祉士の支援のほか、母親教室で再会した高校時代の友人Eさんとの交流にも支えられてきた。
昨年4月父が急死し、その後外来受診が増えた。「育児にも仕事にもほとんど手がつかない」「あまり眠れないし、もう何もかも放り出したい」などと訴えるので、D精神保健福祉士は面接と訪問の回数を増やした。
(※1)
昨年6月、「もう疲れた、休みたい」と任意入院したが、入院中に何度も面会に来てくれたEさんの支えもあり、9月には退院した。
農業法人は、今年4月から夫が代表を務めてくれることになり、Cさんは自分の将来について考えられるようになった。そんな時、病院を退職しソーシャルワーカー事務所を開業していたD精神保健福祉士からCさんとEさんにお茶会の誘いがあった。「子育ての悩みを話そう」というものだったので、二人は喜んで参加した。その場では、D精神保健福祉士も自身の子育てや仕事に関する悩みを打ち明けたので、CさんもEさんも日頃の思いを存分に話すことができた。D精神保健福祉士は、「自分たちと同じように、悩みがあっても相談できない親たちは多いだろう。父親も含めて、親たちが地域で気軽に交流できる緩やかなつながりを作りましょう」と二人に働きかけた。
(※2)
しかし、D精神保健福祉士は準備を続けるうちに、自分の立場が、専門職としての活動なのか当事者としての思いなのか戸惑い、相談したいと考えた。
(※3)
(※3)の時点のD精神保健福祉士が相談をする相手として、適切なものを1つ選びなさい。
- 農業法人の経営コンサルタント
- 以前に勤めていた病院の事務長
- 成年後見業務で連携している弁護士
- 職業選択に影響があった高校の恩師
- 元上司の精神保健福祉士
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この過去問の解説 (3件)
01
精神保健福祉士の活動の延長である面もあるので、経験を積んだ精神保健福祉士にコンサルテーションを受けることがベストと思われます。
×1 . Cさんはクライエントでしたが、家業である農業法人の経営に関することではないので、経営コンサルタントと連絡を取ることは不要です。
×2 . 以前に勤めていた病院の事務関係の案件ではないので、不適切です。
×3 . 成年後見業務で連携している弁護士は、法律関係の案件ではないので、不適切です。
×4 . 職業選択に影響があった高校の恩師は、精神保健福祉士としての知識はなく、今回の案件は、専門職としてのふるまい方に関する特殊な問題なので、不適切です。
○5 . 元上司の精神保健福祉士にコンサルテーションを受けることは、適切と考えられます。
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02
悩みの内容はD精神保健福祉士自身の「専門職としての活動なのか」といったものであるため、同じ専門職の精神保健福祉士に相談することが望ましいといえます。
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03
本設問においては、D精神保健福祉士が自分の立場について戸惑いを覚え、それについて相談し、助言を受けたいと考えている事が読み取れます。D精神保健福祉士はこの時点で病院を退職し、ソーシャルワーカー事務所を開設している事から、独立して一人で起業している事も分かります。そのため、D精神保健福祉士が相談する相手が事務所内に存在せず、困っているものと推察できますので、D精神保健福祉士が求めている支援は「コンサルテーション」ある事が分かります。
コンサルテーションとは、特定の専門領域に対する知識や技術について、その専門領域の専門職から助言を受ける事を言いますので、D精神保健福祉士が助言を受ける相手(コンサルタント)となり得る人は、選択肢の中では「元上司の精神保健福祉士」が適切であると言えます。
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