精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
現代社会と福祉 問31
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問題
第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 現代社会と福祉 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
民生委員制度に収斂されることになる戦前の方面委員等の仕組み( 以下、「方面委員制度」という。 )に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 「方面委員制度」は、イギリスの慈善組織協会( COS )よりも早く始まっていた。
- 「方面委員制度」は、方面委員令によって創設された。
- 「方面委員制度」は、恤救規則を実施するための補助機関とされた。
- 岡山県済世顧問制度に続き、大阪府で方面委員制度が設置された。
- 大阪府の方面委員制度は、河上肇を中心に立案された。
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この過去問の解説 (3件)
01
ドイツのエバーフェルトシステムに倣って、1917(大正6)年に岡山県知事の笹井信一が、地域の貧民の相談にのる防貧制度として、済世顧問制度を作りました。同じくエバーフェルトシステムに倣って1918(大正7)年に大阪府知事の林市蔵と政治顧問の小河滋次郎が低所得者層の救済を目的とする方面委員制度を作りました。これらが現在の民生委員の前身となりました。
1. イギリスのcosが発足したのは1869年、19世紀の末です。
2. 方面委員は、各戸に募金を呼び掛けてまわる草の根運動から始まりました。それが拡がり自治体や社寺などに方面委員助成会連合会の支部が組織されました。その後、1936(昭和11)年に方面委員令が制定されたことで全国組織として確立することになります。
3. 救護法(1932、昭和7年)を実施するための市町村長の補助機関として活動しました。恤救規則は1874(明治7)年~1931(昭和6)年です。
4. 正解です。
5. 大阪府知事の林市蔵と政治顧問の小河滋次郎により作られました。河上肇は1916(大正5)年から朝日新聞にて『貧乏物語』を執筆して貧困の現状を訴えました。
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02
1→イギリスの慈善組織協会は、1860年代(19世紀後半)に組織化されています。
方面委員制度は、1918年(大正7年)に始まりました。
2→方面委員令は、1936年(昭和11年)に創設されました。
3→「方面委員制度」は、救護法を実施するための補助機関とされました。
4→岡山県済世顧問制度に続き、大阪府で方面委員制度が設置されました。
5→大阪府の方面委員制度は、林知事と小河滋次郎によって創設されました。
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03
1917年、岡山県済世顧問制度が創設。翌年には東京府慈善協会による救済委員制度が創設され、米騒動直後に大阪府で方面委員制度が創設されました。
その他の選択肢については、以下のとおりです。
1.イギリスの慈善組織協会(COS)が発足したのは、1869年。方面委員制度の創設は1918年です。
2.方面委員令の制定は1936年。方面委員制度のほうが先に創設されており、方面委員令によって全国的制度として確立しました。
3.低所得者の救済などを目的として創設された『方面委員制度』。1932年に施行された救護法における、救護事務の補助機関として位置づけられました。恤救規則(1874年~1931年)は、生活困窮者の公的救済を目指して明治政府が発布した救貧法です。
5.大阪府の方面委員制度は、当時の大阪府知事・林市蔵を中心に立案されました。河上肇は、ベストセラー『貧乏物語』で知られる日本の経済学者です。
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