精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問57

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問57 (訂正依頼・報告はこちら)

障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 児童福祉施設入所中に18歳以上となる肢体不自由者が増加する問題に対応するため、身体障害者福祉法が制定された。
  • 学生や主婦で任意加入期間中に国民年金制度に加入していなかったために無年金になった障害者を対象に、障害基礎年金制度が創設された。
  • 支援費制度の実施により、身体障害者、知的障害者、障害児のサービスについて、利用契約制度が導入された。
  • 障害者の権利に関する条約を批准するため、同条約の医学モデルの考え方を踏まえて、障害者基本法等の障害者の定義が見直された。
  • 「障害者総合支援法」の施行により、同法による障害者の範囲に発達障害者が新たに含まれた。

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 18歳を超える肢体不自由者についての法律は、身体障害者福祉法(1949)が相当します。障害者基本法は、身体障害、知的障害、精神障害について自立と社会参加の支援を目的に制定されたものです。

×2 . 学生や主婦で任意加入期間中に国民年金制度に加入していなかったために無年金になった障害者を対象として創設されたのは、特別障害給付金です。

〇3 . 障害者総合支援法により、支援費制度の実施により、身体障害者、知的障害者、障害児のサービスについて、利用契約制度が導入されました。

×4 . 国連の「障害者の権利に関する条約」(2008)では、従来の「医学モデル」ではなく、「障害の社会モデル」の考え方を踏まえて、「障害に基づく差別」や「合理的配慮」の考え方が取り入れられました。

×5 . 「障害者総合支援法」(2012)では、同法による障害者の範囲に発達障害者は含まれていますが、特に明記されているわけではなく、また、新たに発達障害を含んでいるというわけでもないです。ちなみに、発達障害者支援の法律としては、2004年の発達障害者支援法があります。

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02

正解は3になります。
2003(平成15)年に措置制度から支援費制度へと移行し、 身体障害者、知的障害者、障害児のサービスについて、利用契約制度が導入されました。しかし、この時点では精神障害者は支援費制度の対象ではありませんでした。

1 身体障害者福祉法(1949(昭和24)年)は、戦争で病気やけがを負い、身体障害者となる人がいたため、「身体障害者の更生を援助し、その更生のために必要な保護を行い、もって身体障害者の福祉を図る(第1条)」ことを法の目的としていました。

2  学生や主婦で任意加入期間中に国民年金制度に加入していなかったために、無年金になった障害者を対象としてるのは、特別障害給付金です。

4 2007(平成19)年から障害者の権利に関する条約に批准するため、障害者基本法(2011(平成23)年)等の障害者の定義の変更などを進めましたが、医学モデルの考え方ではなく、「社会モデル」の考え方を踏まえて行われました。

5 「障害者総合支援法」の対象に発達障害者を含むことが明確化されたのは、2010(平成22)年の法改正です。

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03

正解は3です。

1→1949年身体障害者福祉法は「身体障害者の更生を援助し、その更生のために必要な保護を行い、もって身体障害者の福祉を図る」ことを目的とし、制定されました。

児童福祉施設入所中に18歳以上となる肢体不自由者が増加する問題に対応するためではありません。


2→ 学生や主婦で任意加入期間中に国民年金制度に加入していなかったために無年金になった障害者を対象にしたものは「特別障害給付金」といいます。

3→支援費制度の実施により、身体障害者、知的障害者、障害児のサービスについて、利用契約制度が導入されました。

4→医学モデルの考え方ではなく、社会モデルの考え方がポイントです。

5→障害者の範囲に発達障害者が新たに含まれるというのは誤りです。従来では発達障害は「精神障害」に含まれるものとして考えてこられましたが、
「障害者総合支援法」の施行により、同法による障害者の範囲に発達障害者が明確に規定されることとなりました。

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