精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問60
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問題
第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、この段階における相談支援事業所の相談支援専門員( 社会福祉士 )の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔 事例 〕
筋萎縮性側索硬化症( ALS )と診断されたEさん( 30歳、女性 )は、現在、病院に入院中であり退院を控えている。家族は夫と娘( 8歳 )で、近くに頼れる親戚はいない。Eさんの障害支援区分は現在のところ5であり、障害状況は四肢の運動麻痺があるが、徐々に全身に進行し、将来的には人工呼吸器装着の選択を迫られるとのことである。退院後は、在宅生活を強く希望している。
〔 事例 〕
筋萎縮性側索硬化症( ALS )と診断されたEさん( 30歳、女性 )は、現在、病院に入院中であり退院を控えている。家族は夫と娘( 8歳 )で、近くに頼れる親戚はいない。Eさんの障害支援区分は現在のところ5であり、障害状況は四肢の運動麻痺があるが、徐々に全身に進行し、将来的には人工呼吸器装着の選択を迫られるとのことである。退院後は、在宅生活を強く希望している。
- 地域定着支援のサービスを利用し、退院支援を行う。
- 将来に備え、入院の継続を勧める。
- 夫に、仕事を辞め在宅介護に備えることを勧める。
- 喀痰吸引等が可能な事業所等の社会資源を把握する。
- 行動援護の利用を勧める。
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この過去問の解説 (3件)
01
×2 . 現在入院中で、今後の生活支援を検討しているため、不適当です。
×3 . 家族の収入を基本に生活が成り立っています。特に夫が希望していないし、不適当です。
〇4 . ALSは症状が進むと、痰の自力排出が困難になり、むせこみや呼吸困難、誤嚥性肺炎などになりやすくなります。自宅での生活のためには、ナースやたん吸引が可能な介護職のいる事業所、訪問医療や看護デイなど、喀痰吸引等が可能な事業所等の社会資源を把握することが必要となってきます。
×5 .行動援護は、行動に著しい困難を示す知的障害、精神障害の方への援助です。ALSは行動の障害を起こす疾病ではないので、Eさんには適当ではありません。
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02
Eさんの筋萎縮性側索硬化症( ALS )という病気は、問題文にも「徐々に全身に進行し、将来的には人工呼吸器装着の選択を迫られる」との記載もありますので、喀痰吸引等の可能な事業所等をこの時点から把握しておくことで、状態が変化した際に迅速に対応できたり、本人さんやご家族の安心に繋がると思います。
1 地域定着支援は単身等で居宅生活をする障害者が緊急時に連絡、相談できる体制を確保するものなので、退院後おそらく家族と生活をされるEさんは当てはまりません。
2 今後のことを考えると再度入院生活になる可能性もありますが、現在はEさんが在宅を希望しておられるので、適当ではありません。
3 その家庭ごとの事情もありますし、Eさんが在宅希望だからといって、旦那さんに仕事をやめるよう勧めることは適当とは言えません。
5 行動援護は重度の知的障害児者や重度の精神障害者で、行動障害等から援護が必要な人に該当するサービスのため、Eさんには当てはまりません。
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03
本人の体の状態(病状や障害の状態)の把握、それについて必要なサービスの提供、また本人の希望を組み合わせて適切な支援をすることが社会福祉士に求められることです。
1→地域定着支援のサービスは、「単身等で生活をする障害のある人」を対象としたサービスです。
2→Eさんは在宅生活を強く希望しています。また退院を控えた状況で、「入院の継続」を勧めることは社会福祉士として好ましくない対応です。
3→ご家族の意向を考えず、勝手に介護を強いることは好ましくない対応といえます。
4→筋萎縮性側索硬化症( ALS )について把握し、在宅で生活することを考えた場合、喀痰吸引等が可能な事業所等の社会資源を把握することは適切な行いです。
5→行動援護は、「行動に著しい困難を有する知的障害や精神障害のある人」を対象としたサービスです。Eさんの現在の状況で勧めることは誤りです。
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