精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
低所得者に対する支援と生活保護制度 問69

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 低所得者に対する支援と生活保護制度 問69 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、公営住宅の居住に関する市の総合相談窓口の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔 事例 〕
Jさん( 51歳 )は、30年間P市の市営住宅( 4階 )で引籠もりの状態が続いており、生活費は同居の母親( 82歳 )に頼っている。最近、母親が病気になり、Jさんは将来の生活費と住まいが心配になったので、P市の総合相談窓口で生活保護と市営住宅について相談した。
  • 母親が歩行困難になり、同じ市営住宅の1階に転居する必要が生じても、敷金は減免されないと説明した。
  • Jさんが働いて少しでも収入を得るようになったら、市営住宅から退去しなければならないと説明した。
  • Jさんが生活保護を受けた場合、市営住宅から退去しなければならないと説明した。
  • 市営住宅入居時に決定された家賃は、退去まで変わることがないと説明した。
  • 入居契約をしている母親が亡くなった場合、P市の承認を受けて市営住宅に住み続けることができると説明した。

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 歩行困難で住み替えをする場合には、敷金は必要ではありません。

×2 . Jさんに収入があるようになると、家賃の増減がある場合はありますが、退去の必要はありません。高額所得者の場合、収入超過で退去となる場合もありますが、引きこもりを続けている状態のJさんに現況での指導には不適当です。

×3 . Jさんが生活保護を受けた場合でも、市営住宅から退去する必要はありません。

×4 . 市営住宅入居時に決定された家賃は、収入の増減等で変化する場合があります。

〇5 . 入居契約をしている母親が亡くなった場合、P市の承認を受けて市営住宅に住み続けることができると説明することは妥当です。

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02

正解は5になります。
Jさんはお母さんの病気をきっかけに、将来的な生活費と住居に不安を抱えているので、入居契約をしている母親が亡くなった場合、P市の承認を受けて市営住宅に住み続けることができると説明することは、適切だと考えられます。

1 健康上の理由から、同じ市営住宅の階違いに転居する必要が生じた場合、敷金が減免されることがあります。

2 市営住宅の家賃は世帯の合計所得や部屋の設備などから設定されています。Jさんの収入が増加することで、家賃が変動することはあるかもしれませんが、少し稼いだから退去しなければならないということは考えにくいです。

3 Jさんが生活保護を受けた場合でも、市営住宅に住むことは可能です。

4 2の解説のように世帯の合計所得などで設定されるので、変化があった場合に家賃の金額が変わることはあり得ます。

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03

正答【5】

公営住宅法に関する問題です。
公営住宅法は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としています。

1.誤答
母親の歩行困難により現在の4階の住居では生活に支障があるため、1階に転居するという場合は、敷金の免除ができます。
公営住宅法では、事業主体は通常、入居者から3か月分の家賃に相当する金額の範囲内において敷金を徴収することができます。しかし、病気や特別な事情がある場合においての転居について「敷金の免除ができる」と明記されています(公営住宅法第18条)。

2.誤答
公営住宅は、住宅に困窮する低所得者に対して住宅を賃貸等するものです。一定所得以下の世帯が入居することができるため、Jさんが働いて少しの収入を得ても退去する必要はありません(公営住宅法第23条)。

3.誤答
生活保護を受けたものが公営住宅に入居できないということはありません。むしろ、公営住宅は、生存権によるところの健康で文化的な最低限度の生活を営むために、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸又は転貸することにより、生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としています。

4.誤答
公営住宅の家賃は、入居者からの収入申告に基づき、入居者の収入や公営住宅の立地条件、規模、建設時からの経過年数等の事項に応じて毎年決定されます(公営住宅法第16条)。

5.正答
公営住宅法第27条には、「公営住宅の入居者が死亡、又は退去した場合において、その死亡時又は退去時に当該入居者と同居していた者は、国土交通省令で定めるところにより、事業主体の承認を受けて、引き続き、当該公営住宅に居住することができる」と定められています。

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