精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
権利擁護と成年後見制度 問79

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 権利擁護と成年後見制度 問79 (訂正依頼・報告はこちら)

任意後見契約に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 任意後見契約は、任意後見契約の締結によって直ちに効力が生じる。
  • 任意後見契約の締結は、法務局において行う必要がある。
  • 任意後見契約の解除は、任意後見監督人の選任後も、公証人の認証を受けた書面によってできる。
  • 任意後見人と本人との利益が相反する場合は、特別代理人を選任する必要がある。
  • 任意後見人の配偶者であることは、任意後見監督人の欠格事由に該当する。

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 任意後見契約は、本人の意思決定力があるうちに、本人が契約を結びます。効力が生じるのは、本人に認知症等の症状がみられるようになった時点で、任意後見監督人が家裁より選任されたのちになります。

×2 . 任意後見契約の締結は、法務局においてではなく、公証人役場において公正証書を作成します。

×3 . 任意後見契約の解除は、任意後見監督人の選任後は、(公証人の認証を受けた書面によってではなく、)正当な理由がある場合に限り、家庭裁判所の決定により可能となります。

×4 . 特別代理人は未成年の相続の権利を保護する等の場合に依頼するものであり、任意後見人は成人である本人の依頼によるものなので、不適当です。

〇5 . 任意後見人の配偶者であることは、任意後見監督人の欠格事由に該当します。1)未成年者、2)家庭裁判所で解任などをされた法定代理人、保佐人、補助人、3)破産者、4)本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族、5)行方の知れない人が欠格事由となります。

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02

正解は5になります。
任意後見監督人の欠格事由には、1)未成年者 2)家庭裁判所で解任などをされた法定代理人、保佐人、補助人 3)破産者 4)本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族 5)行方の知れない人 があります。さらに、任意後見人の1)配偶者 2)直系血族 3)兄弟姉妹も馴れ合いなどの恐れから欠格事由に含まれます。

1 任意後見契約の効力発生には、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てる必要があります。任意後見契約の締結だけではすぐに有効とはなりません。

2 任意後見契約の締結は、公証役場で公正証書によって行う必要があります。法務局ではありません。

3 任意後見監督人の選任後は、正当な理由がある場合に限って、家庭裁判所の許可を得て契約を解除することができます。選任前の場合は公証人の認証を受けた書面によって契約解除ができます。

4 任意後見制度には任意後見監督人の選任が行われますので、利益相反行為に関して任意後見監督人が職務として取り扱います。特別代理人を選任する必要はありません。

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03

正答【5】

1.誤答
任意後見契約は、任意後見契約の締結によって直ちに効力が生じることはありません。
任意後見契約の締結後、任意後見人の選任を家庭裁判所が行う必要があります。 任意後見監督人の選任申立ては、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見人受任者が行うことができます。

2.誤答
任意後見契約については、本人と受任者が公証役場に出向き公正証書を作成し、公証人の嘱託により法務局で任意後見契約が登記されます。
そのため、任意後見契約の締結は、法務局ではなく公正人役場にて行われます。

3.誤答
公証人の認証を受けた書面によって、任意後見契約の解除ができるのは、任意後見監督人の選任前です。
任意後見監督人の選任後は、本人又は任意後見受任者に正当な理由がある場合のみ、家庭裁判所の許可を得て任意後見契約を解除することができます。

4.誤答
任意後見人と本人との利益が相反する場合であっても特別代理人を選任する必要はありません。
任意後見契約には、任意後見監督人が選出されるため、任意後見人と本人との利益が相反する場合には、任意後見監督人が本人を代理することとなっています。

5.正答
任意後見監督人については、「任意後見受任者又は任意後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹」は欠格事由に該当する、と法第5条に定められています。

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