精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神疾患とその治療 問93

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

「医療観察法」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 入院治療は矯正施設で行う。
  • 対象者の社会復帰を目的とする。
  • 対象行為に重大な自傷行為も含まれる。
  • 対象者の入院等は、家庭裁判所で行われる審判で決定する。
  • 入院中に行動制限を行うときは、家庭裁判所に報告しなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

「医療観察法」は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行ったものに対し、処遇をするための法律です。

×1 . 心神喪失等の状態であった者に対しては、刑事的には不起訴・無罪・執行猶予等となるため、矯正施設(刑務所等)は相当ではありません。入院、通院、医療を行わない旨の決定等となります。

〇2 . 対象者の社会復帰を目的とします。

×3 . 対象行為は重大な他害行為(殺人、強盗、放火、強姦、強制わいせつ、傷害)であり、自傷行為は含まれません。

×4 . 対象者の入院等は、地方裁判所で決定されます。家庭裁判所で行われる審判では、20歳未満の少年が対象となっているため、原則医療観察法の対象にはなりません。ただし、家裁から刑事処分相当として逆送された場合、地方裁判所で適用の可能性があります。

×5 . 4のように家庭裁判所の対応ではありません。また、指定入院医療機関への入院中に医療、保護の必要範囲内で行動制限を行うことは可能です。

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02

正解は2です。

1.入院治療は、指定入院医療機関で行われます。

2.医療観察法では、対象者の社会復帰を目的としています。

3.医療観察法では、重大な自傷行為は含まれません。重大な他害行為が対象となります。

4.対象者の入院等は、地方裁判所で行われる審判で決定します。

5.入院中の行動制限は、指定入院医療機関の管理者が適切な限度において必要な制限を行うことができます。

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03

正答【2】

1.誤答 
医療観察法による審判の結果、入院処遇となった者は、医療観察法の公共性と専門性の高い医療を提供できる施設として国が指定した「指定入院医療機関」に入院します。
入院期間の定めはありませんが、概ね1年半(18か月)を標準とし、治療は急性期(3ヵ月)、回復期(9ヵ月)、社会復帰期(6ヵ月)の3ステージに分かれて処遇を行います。

また、指定入院医療機関には、国または都道府県(独立行政法人等を含む)が設置した病院が指定を受けることができます。

2.正答 
医療観察法では、病状の改善と他害行為の再発防止を図ること(中間目的)、そして、社会復帰を促進することを最終目的としています。

3.誤答 
医療観察法では、重大な他害行為(殺人、放火、強盗、 強制性交等、強制わいせつ、傷害)を行い、心神喪失又は心神耗弱の状態を理由に不起訴又は無罪となった者を処遇の対象としています。そのため、自傷行為は含まれません。

4.誤答 
対象者の処遇については、地方裁判所の裁判官と精神保健審判員の精神科医によって形成される合議会によって決定します。

5.誤答 
医療観察法の対象者の入院も精神保健福祉法に定める対象者の入院と変わりありません。そのため、行動制限に関しても、精神保健福祉法の規定と同様です。
ただし、定期的な病状報告に関しては地方裁判所に報告しなければなりません。

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