精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健の課題と支援 問96

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問96 (訂正依頼・報告はこちら)

がん患者の支援に関連する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • ホスピスは、がんで親を亡くした子どもに教育資金を貸与する仕組みである。
  • 緩和ケアは、がんと診断された段階から必要とされている。
  • がんによる全人的苦痛は、身体的苦痛と精神的苦痛の二つで構成される。
  • QOLは、がん患者の生命予後を評価する指標である。
  • グリーフケアは、がん患者のADL向上を目的としている。

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . ホスピスは、ターミナルケア(終末期ケア)を行う施設のこと、ないしは在宅で行うターミナルケアのことを指します。

〇2 . 緩和ケアは、生命を脅かす疾患にともなう心身の痛みを和らげることであり、疾患の早期より、必要とされています。

×3 . がんによる全人的苦痛は、身体的苦痛、心理社会的問題、スピリチュアルな問題で構成されると考えられています。

×4 . QOL(Quority of Life)は、人生の質を指しています。がん患者の生命予後を評価する指標ではありません。

×5 . グリーフケアは、悲嘆についての心理ケアです。

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02

正答【2】

1.誤答
ホスピスとは、終末期医療(ターミナルケア)を目的として、死が迫っている患者さんの症状の軽減や緩和ケア、患者と家族に対する精神面のサポートなどを行う施設です。

2.正答 
緩和ケアとは、がん治療の初期段階からがん治療と一緒に必要とされるケアです。
がんの治療には、吐き気や痛み、倦怠感などの身体的苦痛や、患者や家族の心配や不安など精神的苦痛が初期段階から見られます。
そのため、がんと診断された段階から身体的苦痛や精神的苦痛の緩和ケアを始め、がんによる全人的苦痛(トータルペイン)をスタッフと一緒に考えることにより、がんと共生することが可能になります。

3.誤答 
がんの治療を効果的に行うためには、がんによる全人的苦痛(トータルペイン)の考えがとても重要となります。
吐き気や痛み、倦怠感などの「身体的苦痛」、不安や恐怖に対する「心理的苦痛」、仕事や経済的な側面の「社会的苦痛」、死の恐怖や罪悪感などの「スピリチュアルな(霊的)苦痛」の4つの側面が、それぞれ互いに関連しあい、影響し合っています。

4.誤答 
QOL(quality of life)とは、「人生の質」や「生活の質」のことです。
「身体的領域」「心理的領域」「自立のレベル」「社会的関係」「生活環境」「精神性/宗教/信念」など様々な観点からとらえることが必要になりなります。

5.誤答
グリーフケアとは、大切な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるように支援していくことです。がん患者のADL向上を目的としているものではありません。

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03

正解は2です。

1.ホスピスは、終末期のがんと闘病する人が痛みを緩和する場所です。

2.緩和ケアは、がんと診断された段階から必要とされています。

3.全人的苦痛には、身体的苦痛、精神的苦痛のほか、社会的な苦痛や、霊的(スピリチュアル)的苦痛も含まれます。

4.QOLは、生活の質を評価する指標です。

5.グリーフケアは、死別した家族を支援することを目的としています。

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