精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健の課題と支援 問99

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 依存症と一口に言っても、対象や状態はさまざまであるので、入院治療が必要な事例は一部です。

×2 . 「依存症は本人の意志の弱さに起因するものである」という考え方があるが、環境のストレスや習慣などで誰でも陥りやすいものであるので、不適当です。

〇3 . 本人に治療意欲がなくても、過度に突き放すのではなく、治療意欲を高めるようにしていくことが必要です。

〇4 . 精神医学的な知識や問題解決に向けた面接技術に加え、社会資源を活用又は開発し、調整することも必要とされています。たとえば、自助グループや職場の管理者によるゲートキーパー機能の充実なども課題とされています。

×5 . 家族相談は、依存症者本人に治療の意欲がない場合、また依存症者本人に自覚がない場合などで本人の同意がなくても、家族が相談を開始することが出来ます。

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02

正答【4】

1.誤答
依存症に対する治療については、身体症状や精神症状に対する医学的治療は必要です。従来は、専門医療機関での入院治療を優先していましたが、昨今では、心理教育や自助グループ、認知行動療法などさまざまな治療プログラムがあるので、専門医療機関の外来治療を優先させるようになってきています。

2.誤答 
依存症は本人の意志の弱さに起因するものではありません。快感や刺激を求めて依存対象を乱用することによって自己コントロールが困難になる病気です。そのため、精神保健福祉士には、依存症に対する間違った知識や認識を払拭し、正しい理解をを広く普及することが求められます。

3.正答
依存症の人の特徴は、病識が乏しく、依存対象をやめることへの抵抗、治療への抵抗などが見られることです。そのため、治療意欲がなくても突き放すのではなく、治療意欲を高めるような動機付けが重要となります。

4.正答
依存症の治療には、医学的な専門治療のほかにも、地域においてのリハビリテーションや自助グループへの参加など、社会資源を最大限に活用することが望ましいです。

5.誤答
依存症の人は、病識の欠如があったり、依存対象をやめることや治療に抵抗を持っていたりするため、家族相談に対して同意を得ることが難しい場合が多くみられます。

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03

正解は3、4です。

1.入院治療は選択肢の一つにすぎません。セルフヘルプグループなどを通じた地域での治療という方法もあり、本人にあった治療を検討する必要があります。

2.依存症は本人の意思の弱さに「起因するものではない」という理解を、普及することが求められています。

3.本人に治療意欲がない場合には、過度に突き放すのではなく、治療意欲を高めるようにすることが必要です。

4.精神保健福祉士には、精神医学的な知識や問題解決に向けた面接技術に加え、社会資源を活用又は開発し、調整することも必要とされます。

5.家族相談は、本人の同意がなくても、家族の同意があれば開始することができます。

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