精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問118
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問題
第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問118 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔 事例 〕
Hさん( 22歳、精神保健福祉士 )は大学を卒業し、4月から精神科病院に勤務している。就職後3か月間、各病棟での研修と各職種からの説明を受けることによって、病棟機能とその役割、各職種の業務を知り、病院組織についての理解が進んだ。その後、相談室主任であるJさん(42歳、精神保健福祉士)担当の病棟に配属され、分からないことがあると尋ねることができ、少しずつではあるが業務が行えるようになってきた。
半年が経過し、相談業務を自分なりにできると感じ始めていたHさんは、ある日、担当しているKさん( 48歳、統合失調症 )と退院後の生活について面接をした。しかし、その面接でKさんを怒らせてしまい、そのことをJさんに相談した。
Jさんからは、Kさんとの面接をどのように進めてきたか尋ねられた。HさんはKさんが失敗しないために、本人に適していると考えたサービスを利用するように説得しようとしたと話した。それを聞いたJさんは、Hさんが精神保健福祉士として専門的な動きができていないと感じ、スーパービジョンへの参加を提案した。Hさんがスーパービジョンに参加すると、固定的なスーパーバイザーを置かず、数名の精神保健福祉士がスーパーバイザーとスーパーバイジーの両方の役割を行いながら、精神保健福祉士が持つべき支援の視点や、精神保健福祉士としての価値について意見を出し合い検討されていた。
スーパービジョンの参加者が、職能団体主催の様々な研修を受講していることを知ったHさんは、それまで積極的にはなれなかった研修会への参加を考えるようになった。実際に参加してみると、様々な領域で働く精神保健福祉士の話を聞くことができ、新たな知見も広がった。その後も、開催される研修会に積極的に参加したHさんは、ある日、Kさんとの面接が終わった帰り際に、「しっかり話を聞いてもらえてよかった」と声を掛けられた。その言葉を聞き、研修に参加し、学び続けることの重要性を改めて認識した。
次のうち、この時、Hさんが改めて認識した国際ソーシャルワーカー連盟( IFSW )の倫理綱領に規定されているソーシャルワーカーの責務として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔 事例 〕
Hさん( 22歳、精神保健福祉士 )は大学を卒業し、4月から精神科病院に勤務している。就職後3か月間、各病棟での研修と各職種からの説明を受けることによって、病棟機能とその役割、各職種の業務を知り、病院組織についての理解が進んだ。その後、相談室主任であるJさん(42歳、精神保健福祉士)担当の病棟に配属され、分からないことがあると尋ねることができ、少しずつではあるが業務が行えるようになってきた。
半年が経過し、相談業務を自分なりにできると感じ始めていたHさんは、ある日、担当しているKさん( 48歳、統合失調症 )と退院後の生活について面接をした。しかし、その面接でKさんを怒らせてしまい、そのことをJさんに相談した。
Jさんからは、Kさんとの面接をどのように進めてきたか尋ねられた。HさんはKさんが失敗しないために、本人に適していると考えたサービスを利用するように説得しようとしたと話した。それを聞いたJさんは、Hさんが精神保健福祉士として専門的な動きができていないと感じ、スーパービジョンへの参加を提案した。Hさんがスーパービジョンに参加すると、固定的なスーパーバイザーを置かず、数名の精神保健福祉士がスーパーバイザーとスーパーバイジーの両方の役割を行いながら、精神保健福祉士が持つべき支援の視点や、精神保健福祉士としての価値について意見を出し合い検討されていた。
スーパービジョンの参加者が、職能団体主催の様々な研修を受講していることを知ったHさんは、それまで積極的にはなれなかった研修会への参加を考えるようになった。実際に参加してみると、様々な領域で働く精神保健福祉士の話を聞くことができ、新たな知見も広がった。その後も、開催される研修会に積極的に参加したHさんは、ある日、Kさんとの面接が終わった帰り際に、「しっかり話を聞いてもらえてよかった」と声を掛けられた。その言葉を聞き、研修に参加し、学び続けることの重要性を改めて認識した。
次のうち、この時、Hさんが改めて認識した国際ソーシャルワーカー連盟( IFSW )の倫理綱領に規定されているソーシャルワーカーの責務として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 調査・研究
- 専門性の向上
- 教育・訓練・管理
- 社会的信用の保持
- 専門職の擁護
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この過去問の解説 (3件)
01
国際ソーシャルワーカー連盟( IFSW )の倫理綱領の「倫理基準」は4つの倫理責任に分けて規定されており、下記のようになっています。
Ⅰ.利用者に対する倫理責任
①利用者との関係、②利用者の利益最優先、③受容、④説明責任、⑤利用者の自己決定の尊重、⑥利用者の意思決定能力への対応、⑦プライバシーの尊重、⑧秘密の保持、⑨記録の開示、⑩情報の共有、⑪性的差別、虐待の禁止、⑫権利侵害の防止
Ⅱ.実践現場における倫理責任
①最良の実践を行う責務、②他の専門職等との連携・協働、③実践現場と綱領の遵守、④業務改善の推進
Ⅲ.社会に対する倫理責任
①ソーシャル・インクルージョン、②社会への働きかけ、③国際社会への働きかけ
Ⅳ.専門職としての倫理責任
①専門職の啓発、②信用失墜行為の禁止、③社会的信用の保持、④専門職の擁護、⑤専門性の向上、⑥教育・訓練・管理における責務、⑦調査・研究
設問では、Hさんが研修会に参加することによって、専門職としてよりよい支援ができるようになった、という場面ですから、2.の「専門性の向上」が適切です。
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02
正解は、2 です。
国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)の倫理綱領には、選択肢全ての倫理責任が定められていますので、その中から適切なものを選ぶ問題です。
1 調査・研究では、「ソーシャルワーカーは、すべての調査・研究過程で、クライエントを含む研究対象の権利を尊重し、研究対象との関係に十分に注意を払い、倫理性を確保する。」と定められています。
2 専門性の向上では、「ソーシャルワーカーは、最良の実践を行うために、必要な資格を所持し、専門性の向上に努める。」と定められています。従って、事例の研修に参加し、学び続けることはこの選択肢に該当します。
3 教育・訓練・管理では、「ソーシャルワーカーは、教育・訓練・管理を行う場合、それらを受ける人の人権を尊重し、専門性の向上に寄与する。」と定められています。
4 社会的信用の保持では、「ソーシャルワーカーは、他のソーシャルワーカーが専門職業の社会的信用を損なうような場合、本人にその事実を知らせ、必要な対応を促す。」と定められています。
5 専門職の擁護では、「ソーシャルワーカーは、不当な批判を受けることがあれば、専門職として連帯し、その立場を擁護する。」と定められています。
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03
研修に参加し、学び続けることの重要性は、専門性の向上といえます。
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