精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問152
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問題
第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問152 (訂正依頼・報告はこちら)
Q市の障害福祉課は、障害福祉計画の作成に当たり精神保健福祉に関する住民の意識を把握するため、市民3,000名に対して郵送自記式の質問紙調査を行った。調査の対象者は、100ある選挙の投票区のうちから無作為に30区を選び、次に、30の投票区における住民基本台帳から100人ずつを無作為に選んだ。この調査結果では、心の健康について、市民の関心の高さが明らかになった。
次のうち、この調査で使われた社会調査の手法として、正しいものを1つ選びなさい。
次のうち、この調査で使われた社会調査の手法として、正しいものを1つ選びなさい。
- 無作為化比較試験( RCT:Randomized Controlled Trial )
- 多段抽出法
- ミックス法
- 縦断調査
- シングルシステムデザイン
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この過去問の解説 (3件)
01
×1 . 無作為化比較試験( RCT:Randomized Controlled Trial )は、薬の治験などのために、無作為に介入群と対象群に分け、効果を比較する実験デザインです。
〇2 . このように、母集団の中から下位集団を無作為に選び、その中からサンプルを抽出する方法を多段抽出法と呼びます。
×3 . ミックス法は、質的研究法と量的研究法をミックスした研究法です。
×4 . 縦断調査は、同じ対象に対して繰り返し調査を行い、変化を追う調査法です。
×5 . シングルシステムデザイン(単一事例実験計画法)は、同じ対象に対して、介入前後のデータを取り、介入の効果を測定するものです。
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02
1.無作為化比較試験は、無作為に選んだ2つの対象を比較して、調査や実験の影響を調べるものです。事例で、選ばれた対象に行われているのはアンケート(質問紙調査)のみですので、無作為化比較試験を行ったとはいえません。
2.多段抽出法は、複数の段階を経て対象を抽出する方法です。事例において、無作為に30区を選んだ後に、100人ずつ無作為に選んでいることから、使われた社会調査の手法として正しいです。
3.ミックス法は、質問紙調査に観察法や面接法を組み合わせて行うものです。事例では、質問紙調査のみが行われているため、ミックス法を行ったとはいえません。
4.縦断調査は、同じ対象に繰り返し調査を行うものです。事例では1回しか調査を行っていないため、横断調査に該当します。
5.シングルシステムデザイン(単一事例実験計画法)は、一つの事例(対象)に対して経緯や変化などの分析を行い調査するものです。事例は複数人に対する質問紙調査であるため、シングルシステムデザインではありません。
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03
正解は、2 です。
1 無作為化比較試験とは、無作為に2つ以上のグループに分け、それぞれのグループの結果を比較検証することです。問題ではグループ分けしているわけではありませんので、不適切です。
2 多段抽出法とは、問題の通り、対象者の抽出を複数の段階に無作為に抽出して行う調査方法のことです。
3 ミックス法とは、一つの調査で質的調査と量的調査をミックスして行う調査方法のことです。問題文では、一種類の調査方法で行われていますので不適切です。
4 縦断調査とは、特定の調査対象者に対し、一定の間隔を置いて繰り返し調査を行うことです。問題文では、繰り返し行なっていませんので不適切です。
5 シングルシステムデザイン(単一事例実験計画法)とは、調査対象が一人で、その対象者に対して介入の効果を測定する方法のことです。問題文は、調査対象者が100人であることなどから不適切です。
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