精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
精神保健の課題と支援 問95

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問題

第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問95 (訂正依頼・報告はこちら)

グリーフケアに関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
  • 悲嘆は正常な反応であることを伝える。
  • 傾聴よりも励ますことが重視されている。
  • 悲嘆が長期化したときは、精神保健の専門家の介入を検討する。
  • 短期精神療法のことをいう。
  • 遺族が悲しみを表現してから開始する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1(正解)
グリーフケアの中で、悲観は「死別後に見られる深刻ではあるけれども正常な反応である」と考えられており、正しい記述です。

2(不正解)
まずはしっかりと悲しい気持ちを傾聴することが重視されています。

3(正解)
記載されている通りです。

4(不正解)
グリーフケアは短期精神療法のことを指しておらず、この場合適切ではありません。

5(不正解)
死別を経験した遺族の中には悲しみを表出することが出来ない方もいます。必ずしも遺族が悲しみを表現してから開始するものではなく、この場合適切ではありません。

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02

グリーフケアとは喪失感のある人への関わりの事を指します。大切な誰かを無くした遺族に対して、寄り添いながら少しずつ日常生活に戻れるよう支援することをいいます。

1.〇です。誰かを無くして悲しみの中に落ちることは、人間として当然の事であることはきちんと伝えます。

2.×です。悲しみの中になる人に対して、早い段階で励ます言葉をかけると、余計に心理的な負担が大きくなることがあります。また支援者に対して不信感が高まると信頼関係にも関わってきますので、時期を見ることが大切です。

3.〇です。ある程度の悲嘆の期間は、その後回復する上で必要なことですが、長期にわたり日常生活に支障が出るような悲嘆が続く場合には、専門家の介入が必要になります。

4.×です。短期精神療法は、ブリーフセラピーと言われ、短期間に問題解決を図るために用いられる心理療法です。グリーフは問題ではありませんので、該当しません。

5.×です。遺族の中には、悲しみを上手に表現できない人もあります。ですから悲しみの表現がある、無しに関わらず、身体面や精神面にアプローチしながら、適切な対応が望ましいといえます。

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03

正答【1.3】

1.正答 
愛しい人と死別した遺族は、その悲嘆を乗り越え、悲嘆から立ち直り、再び日常生活に適応していきます。この過程を見守(ケアする)ことがグリーフケアです。そのため、悲嘆は正常な反応であることを伝えるのはとても重要です。



2.誤答
遺族は心の整理がつかず悲嘆している時期は人によって異なります。しかし、悲嘆を乗り越え立ち直るまでにはかなりの時間がかかることが一般的です。そのため、励ましの言葉をかけるよりも遺族が気持ちを整理できるように傾聴することを重視しています。


3.正答
悲嘆のプロセスを正常に歩むことができない場合、悲嘆が長期化することがあります。その場合は、うつ病などの精神疾患に移行しやすいので精神保健の専門家の介入を検討する必要があります。


4.誤答 
短期精神療法とはブリーフセラピーと言われ、問題の原因を個人病理に求めるのではなく、コミュニケーション(相互作用)の変化を促して問題を解決・解消していこうとする心理療法です。


5.誤答 
遺族によっては、悲しみをすぐ表現できる人と表現できない人がいます。そのため、グリーフケアは遺族が悲しみを表現するかどうかにかかわらず、遺族の身体・精神面の状況に適したアプローチが必要になってきます。

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