精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問130

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問題

第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問130 (訂正依頼・報告はこちら)

L精神保健福祉士は、精神科病院に勤務して3年目に、デイケア担当から閉鎖病棟の担当となり、退院後生活環境相談員も兼ねることになった。
1か月後、L精神保健福祉士は、「病棟での患者の様子を目の当たりにして、デイケアの利用者と違うので、入院患者とどのように接していけばいいのか分からなくなった。自分の専門性に自信がなくなった」と、上司のM精神保健福祉士に相談した。

次のうち、この場面でM精神保健福祉士に求められるスーパービジョンの内容として、適切なものを1つ選びなさい。
  • この状況に対する戸惑いは当然だと返す。
  • 入院患者との面接場面のロールプレイを行う。
  • 他職種の専門性を説明する。
  • 退院支援委員会の開催場所や会議前に準備することを教える。
  • 退院後生活環境相談員と担当看護師、主治医との関係を解説する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.共感することで精神的に支えることは、援助の過程で自信を喪失しているスーパーバイジーに対して有効です。これはスーパービジョンの中の「支持的機能」にあたります。

2.入院患者との面接場面のロールプレイを行うことは、スーパービジョンの「教育的機能」にあたり、必要な技術や知識の向上に繋がります。しかし、本事例では自信を喪失しているスーパーバイジーに対して、まずは不安を受け止めることが必要であり、最適な選択肢とは言えません。

3.他職種の専門性を説明することは、スーパービジョンの「管理的機能」にあたり、状況によっては有効ですが、今回のスーパーバイジーは自分の専門性への自信を喪失しているのであって、他職種の専門性を伝えることは最適な選択肢とは言えません。

4.退院支援委員会の開催場所や会議前に準備することを教えるのは、スーパービジョンの「教育的機能」にあたりますが、スーパーバイジーは退院支援委員会の運営などについて悩んでいるわけではないので、最適な選択肢とは言えません。

5.退院後生活環境相談員と担当看護師、主治医との関係を解説することは、スーパービジョンの「管理的機能」にあたりますが、スーパーバイジーは入院患者との接し方について悩んでいるのであって、他職種との関係に悩んでいるわけではないので、最適な選択肢とは言えません。

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02

正解は、 です。

1 L精神保健福祉士はデイケアから閉鎖病棟に異動となり新たな役割も増えたことにより、自信の喪失や戸惑いが起きている時期です。上司のM精神保健福祉士としては、まずはL精神保健福祉士の思いに共感することが重要です。これはスーパービジョンの「支持的機能」と言えます。

2 記述は、「教育的機能」と言えます。ロールプレイを行うことも大切ですが、問題文のこの時期に行うことは不適切です。

3 記述は、「管理的機能」にあたります。L精神保健福祉士は、他職種との関係を相談しているわけではないので、不適切です。

4 記述は、「教育的機能」にあたります。L精神保健福祉士は、退院支援委員会などについて相談しているわけではないので、不適切です。

5 記述は、「管理的機能」にあたります。L精神保健福祉士は、主治医などとの関係性について相談しているわけではないので、不適切です。

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03

正解は1です。
スーパービジョンの機能には、管理的機能、教育的機能、支持的機能の3つがあります。
管理的機能は、スーパーバイジーが働く組織の目的や役割を理解して活動できるよう指導を行う機能です。
教育的機能は、スーパーバイジーの具体的な業務や判断、対応について指導する機能です。
支持的機能は、スーパーバイジーの活動を評価しスーパーバイジーの支持的存在になる機能です。
本事例において、スーパーバイジーは自身の専門性に自信を喪失しており、具体的な指導や助言の前に、支持的に関わる必要があるといえます。

2. 教育的機能にあたる、スーパービジョンの内容であり、入院患者との接し方の改善にも役立つといえますが、本事例ではまずはスーパーバイジーの自信喪失に着目し、具体的な指導の前にスーパーバイジーの感情に支持的に寄り添う必要があるといえます。

3. 管理的機能にあたる、スーパービジョンの内容であり、状況によっては有効ですが、本事例においてスーパーバイジーは入院患者との接し方に悩み自信を喪失しているのであり、 他職種の専門性との間で葛藤を覚えているという記述ははないので、不適当といえます。

4. 教育的機能にあたる、スーパービジョンの内容であり、状況によっては有効ですが、本事例においてスーパーバイジーは入院患者との接し方に悩み自信を喪失しているのであり、退院支援の実施方法が分からないという記述はないので、不適当といえます。

5. 管理的機能にあたる、スーパービジョンの内容であり、状況によっては有効ですが、本事例においてスーパーバイジーは入院患者との接し方に悩み自信を喪失しているのであり、 他職種との関係性の中で葛藤を覚えているという記述ははないので、不適当といえます。

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