精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問108

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問題

第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問108 (訂正依頼・報告はこちら)

V精神科病院で薬物依存症者の家族教室を担当しているC精神保健福祉士は、家族教室に参加したDさんが、「覚醒剤使用歴がある息子が、求職活動をしても、なかなか理解してもらえず、就職できない」と悔しそうに語るのを聞いた。薬物依存症に対する差別や偏見をなくすことを目的とした家族会の支援をしていたC精神保健福祉士は、家族教室終了後、Dさんに声を掛け、やりきれない思いを受容するとともに、家族会に関する情報提供を行った。その後、C精神保健福祉士は家族会に参加するようになったDさんと共に、家族会メンバーと力を合わせて、薬物依存症のことを理解してもらうための講演会を開催したり、利用できる新たなサービスを求めるための署名運動を行い、行政機関に働き掛けたりするようになった。次のうち、C精神保健福祉士が家族会と共に行った内容として、適切なものを1つ選びなさい。
  • ソーシャルアドミニストレーション
  • ソーシャルアクション
  • ソーシャルビジネス
  • ソーシャルキャピタル
  • ソーシャルプランニング

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この過去問の解説 (3件)

01

1.×
 ソーシャルアドミニストレーション(社会福祉運営管理)は、国や地域の社会福祉に関連する制度の政策、福祉施設、医療機関などの組織運営・管理を、ソーシャルワークの観点から実践する技術のことです。

2.○
 ソーシャルアクション(社会活動法)は、社会福祉問題にかかわる制度政策、社会的風潮に対して、ソーシャルワーカーが直接的または間接的に働きかけ、問題の解決と社会全体の変革を目指す技術のことです。署名や陳情、請願などがこれにあたります。

3.×
 ソーシャルビジネスは、特定の社会的目標のために行われ、その目標を達成する間に費用の回収を目指す技術のことです。

4.×
 ソーシャルキャピタル(社会関係資本)は、社会構造が資本的に働くメカニズムに焦点を当てた概念のことです。
 社会関係資本の構成要素として、社会ネットワーク(隣近所、友人・知人、親戚との付き合いなど)、信頼(ネットワークの人々や一般的な人への信頼)、互酬性の規範(社会参加・ボランティア活動など)があげられます。

5.×
 ソーシャルプランニング(社会福祉計画)は、地域住民のニーズを充足するために、社会福祉に関わる制度などを計画的に実施できるようにする技術のことです。

参考になった数30

02

正解は2です。

1.ソーシャルアドミニストレーションの意味は、社会福祉運営管理です。アドミニストレーションが経営、管理、行政などを指します。社会福祉援助技術のうちの間接技術です。

2.ソーシャルアクションは、社会福祉制度の改善を目指し現場の支援や活動を通じて社会に問題提起を行います。

3.ソーシャルビジネスは、1980年代イギリスでおこり、日本ではNPO法の施行をきっかけに広がりました。一般のビジネスとの違いは「社会問題を解決すること」を優先します。

4.ソーシャルキャピタル は新しい概念で、キャピタルは資本の意味です。社会や地域における人々が資本になるということで、まだ定義もさまざまです。このコミュニティーにおける人々の相互関係や結びつきを支えるしくみの重要性をときます。「社会関係資本」と訳されます。

5.ソーシャルプランニングは、社会福祉援助技術における間接援助技術のひとつで、将来の展望をもった社会計画を立てる理論と技法です。

参考になった数11

03

正解は2です。

1→ソーシャルアドミニストレーション:社会福祉政策という意味です。

2 →ソーシャルアクション:社会活動法という意味です。ニーズの充足のため関係機関に働きかけることをいいます。今回のケースにあてはまります。

3→ソーシャルビジネス:社会的企業と同じ分類で、社会問題の解決を目的とし、収益事業に取り組む事業のことをいいます。

4→ソーシャルキャピタル:社会関係資本という意味です。人々の結びつきを支える仕組みについて考えていくことをいいます。

5→ソーシャルプランニング:社会(福祉)計画法という意味です。

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