精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問116
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問116 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、次の問に答えなさい。
〔事例〕
Gさん(26歳、男性)は、大学生の時には相手の話した冗談を言葉どおりに受け取ってしまいトラブルに巻き込まれることもあったが、趣味の合う仲間もいて楽しく過ごすことができていた。しかし、就職してからは、元々あった音に対する敏感さに加え仕事の内容ごとに手順が異なり、戸惑うことが多くあった。異なる指示を受け混乱していたGさんはささいなミスを続けてしまい、上司からきつい注意を受けたことがきっかけで、休みがちとなった。Gさんには相談相手もおらず、1年もしないうちに自主退職してしまった。その後の求職活動では、書類選考や筆記試験では問題はないものの、面接になるとうまく話すことができず不採用が続いた。そのうちに、「もう何をやってもだめなんだ」と仕事探しをやめ、自宅で家族との接触も避け、自室に籠るようになっていった。このような本人の様子を心配した両親は、近所のXメンタルクリニックで相談していたが、ある日、両親と一緒にGさんが初めて受診した。そこで、担当となったH精神保健福祉士が、「今日はよく来てくれましたね」と本人を迎え、初回面接を行った。
H精神保健福祉士は、数回の面接で、「周りがうるさいと仕事に集中できない」「パソコンでの作業は長時間集中できる」「急な予定変更には対応が難しい」「就職はすぐにしたいが、今はまだ自信がない」と話すGさんの状況から、地域若者サポートステーションの利用を勧めた。
その後、地域若者サポートステーションの利用を始めたGさんは、3か月たったある日の面接で、職場体験プログラムで会社訪問に行った時の様子を語りだした。「指示が具体的で手順が明確だ」「イヤホンを着けたままできるパソコン作業は、手際が良いとスタッフから褒められた」と満足気に話し、「自分にも仕事がやっていけそうだ」と嬉しそうに続けた。
次の記述のうち、下線部の時点でH精神保健福祉士がGさんに掛ける言葉として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Gさん(26歳、男性)は、大学生の時には相手の話した冗談を言葉どおりに受け取ってしまいトラブルに巻き込まれることもあったが、趣味の合う仲間もいて楽しく過ごすことができていた。しかし、就職してからは、元々あった音に対する敏感さに加え仕事の内容ごとに手順が異なり、戸惑うことが多くあった。異なる指示を受け混乱していたGさんはささいなミスを続けてしまい、上司からきつい注意を受けたことがきっかけで、休みがちとなった。Gさんには相談相手もおらず、1年もしないうちに自主退職してしまった。その後の求職活動では、書類選考や筆記試験では問題はないものの、面接になるとうまく話すことができず不採用が続いた。そのうちに、「もう何をやってもだめなんだ」と仕事探しをやめ、自宅で家族との接触も避け、自室に籠るようになっていった。このような本人の様子を心配した両親は、近所のXメンタルクリニックで相談していたが、ある日、両親と一緒にGさんが初めて受診した。そこで、担当となったH精神保健福祉士が、「今日はよく来てくれましたね」と本人を迎え、初回面接を行った。
H精神保健福祉士は、数回の面接で、「周りがうるさいと仕事に集中できない」「パソコンでの作業は長時間集中できる」「急な予定変更には対応が難しい」「就職はすぐにしたいが、今はまだ自信がない」と話すGさんの状況から、地域若者サポートステーションの利用を勧めた。
その後、地域若者サポートステーションの利用を始めたGさんは、3か月たったある日の面接で、職場体験プログラムで会社訪問に行った時の様子を語りだした。「指示が具体的で手順が明確だ」「イヤホンを着けたままできるパソコン作業は、手際が良いとスタッフから褒められた」と満足気に話し、「自分にも仕事がやっていけそうだ」と嬉しそうに続けた。
次の記述のうち、下線部の時点でH精神保健福祉士がGさんに掛ける言葉として、適切なものを1つ選びなさい。
- 「引き籠るようになったきっかけは何ですか」
- 「利用したいと思うサービスを教えてください」
- 「両親とよく話をしますか」
- 「これまで受診しなかったのはどうしてですか」
- 「今、家でどんな生活をしていますか」
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この過去問の解説 (3件)
01
GさんとH精神保健福祉士の初回面接の状況についての問題です。
「今日はよく来てくれましたね」とこれまでのGさんの状況を察しながら、労わりながら言葉をかけていくことが大切です。
1→唐突に「引き籠る」ことになった理由を聞くのは適切ではありません。そこに至った経緯をゆっくりと聞いていくことが大切です。
2→初回面接では今後のことを設定する前に、まずGさんのこれまでの状況をゆっくり振り返ることが大切です。またいきなり「サービス」について問う前に、Gさん自身が何を必要としているかを丁寧に探すことが求められます。
3→家族関係を知ることも大切ですが、両親の目の前で今聞き出す質問ではないといえます。
4→「受診しなかったこと」をまるで責めるような聞き方は望ましくありません。
5→Gさんの現在の「生活状況」を知ることは、今後の援助をしていくうえで大切な情報といえます。
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02
1.×
初めて話をするという段階で、いきなり「引き籠るようになったきっかけ」を聞くのは、Gさんの気持ちに寄り添った関わりとはいえません。
2.×
「利用したいと思うサービス」に結びつけるために、まずはGさんの現状や今までの経緯など、様々な情報収集を行ってから一緒に考えていくことが大切です。
3.×
家族歴など治療や支援に必要な情報収集も必要ですが、Gさんは両親と一緒に来ているため、両親の目の前で両親について質問することは、適切とはいえません。
4.×
「これまで受診しなかったのはどうしてですか。」という否定的な質問をすることは、適切とはいえません。まずは、Gさんの気持ちに寄り添いながら、気持ちを引き出すように話をすることが大切です。
5.○
Gさんの現状について話を聴くことから、Gさんの気持ちを引き出していくことが適切といえます。また、これからの支援においてもGさんの現状について知ることは必要となります。
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03
正解は、5 です。
1 引きこもるようになっていたGさんが初めてクリニックを受診した場面です。まずは今の状況などを聴いて信頼関係を築くことが大切です。マイナス面の部分からの質問は不適切です。
2 初めてクリニックを受診した場面で、利用したいと思うサービスを聴くことは不適切です。まずは過去や今の思いなどを伺うこと、徐々に利用できる社会資源の情報提供をしていくことが良いでしょう。
3 初めて受診した場面で、この質問にどのような意図があるのかが不明瞭です。声かけにも意図や目的が必要です。両親の事前相談から、Gさんは両親と接触を避けているという情報もありますので、Gさんに質問する言葉としては不適切です。
4 受診しなかったことを責めるような印象を与えかねません。初回面接では「よく来てくれた」と労うことやまた次の相談にも来てくれるような声かけが必要です。
5 初回面接の場面ですので、困っていることや辛いことを直接聴くよりも、Gさんと打ち解けることを優先した適切な声かけです。問いかけに対するGさんの答えの中から、一つ一つ課題などを掘り下げていくことが良いでしょう。
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