精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問133
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問133 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
Kさん(26歳、女性)は大学卒業後Y社に就職した。配属された部署は残業が多く忙しい職場であった。直属のL上司はKさんを熱心に指導した。生真面目なKさんは、L上司の期待に応えようと、自宅に仕事を持ち帰って仕上げるように心がけた。そのため、仕事が頭から離れず、寝てもすぐに目が覚め、食事も砂を噛んでいるようになっていった。体調の悪さを自覚したKさんは、社内報に掲載されていたY社が契約している従業員支援プログラム(EAP)機関のことを思い出し、相談に行った。そこで、Kさんは担当のM精神保健福祉士に、「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」「眠れなくてつらい」「このまま消えたい」と涙ながらに訴えた。M精神保健福祉士は、「よくここまで耐えてこられましたね」とねぎらった上で、次のように提案した。
数日後、KさんはZ精神科病院を受診し、うつ病と診断され入院することとなった。1か月を経過した頃、Kさんは面会に来たM精神保健福祉士へ、「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分、早く穴埋めをしたいのに」と訴えた。面会の1週間後、M精神保健福祉士は、主治医とKさんとL上司とで退院について協議した。そこで、M精神保健福祉士は次のことを提案した。(※2)
後日、入院中であったKさんは、精神科デイケアを体験利用した。そこでは自分と同じような状況にある利用者と交流して、焦っているのは自分だけではないと感じた。退院後、精神科デイケアを利用し始めた。3か月後、M精神保健福祉士は、デイケアスタッフ、主治医、L上司、Kさんと仕事に関して話し合った。従業員に業務負荷を強く感じさせる労働環境の改善も必要だと、L上司も考えるようになった。Kさんは負荷の少ない配慮された環境で仕事を再開した。それから数か月たった頃、M精神保健福祉士は労働環境の改善が必要と考え、L上司に「働き方を考える研修会」の実施を提案した。そこで、Kさんは体験談を語った。
研修会の後、KさんはM精神保健福祉士に、「初めは、今までのように働けない自分を弱い人間だと感じていた。でも、同じ病の人と出会い、体が壊れるまで働くのは個人にとっても会社にとっても良くないと、今は思う」と語った。
次のうち、(※2)の時点でM精神保健福祉士が提案した内容として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Kさん(26歳、女性)は大学卒業後Y社に就職した。配属された部署は残業が多く忙しい職場であった。直属のL上司はKさんを熱心に指導した。生真面目なKさんは、L上司の期待に応えようと、自宅に仕事を持ち帰って仕上げるように心がけた。そのため、仕事が頭から離れず、寝てもすぐに目が覚め、食事も砂を噛んでいるようになっていった。体調の悪さを自覚したKさんは、社内報に掲載されていたY社が契約している従業員支援プログラム(EAP)機関のことを思い出し、相談に行った。そこで、Kさんは担当のM精神保健福祉士に、「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」「眠れなくてつらい」「このまま消えたい」と涙ながらに訴えた。M精神保健福祉士は、「よくここまで耐えてこられましたね」とねぎらった上で、次のように提案した。
数日後、KさんはZ精神科病院を受診し、うつ病と診断され入院することとなった。1か月を経過した頃、Kさんは面会に来たM精神保健福祉士へ、「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分、早く穴埋めをしたいのに」と訴えた。面会の1週間後、M精神保健福祉士は、主治医とKさんとL上司とで退院について協議した。そこで、M精神保健福祉士は次のことを提案した。(※2)
後日、入院中であったKさんは、精神科デイケアを体験利用した。そこでは自分と同じような状況にある利用者と交流して、焦っているのは自分だけではないと感じた。退院後、精神科デイケアを利用し始めた。3か月後、M精神保健福祉士は、デイケアスタッフ、主治医、L上司、Kさんと仕事に関して話し合った。従業員に業務負荷を強く感じさせる労働環境の改善も必要だと、L上司も考えるようになった。Kさんは負荷の少ない配慮された環境で仕事を再開した。それから数か月たった頃、M精神保健福祉士は労働環境の改善が必要と考え、L上司に「働き方を考える研修会」の実施を提案した。そこで、Kさんは体験談を語った。
研修会の後、KさんはM精神保健福祉士に、「初めは、今までのように働けない自分を弱い人間だと感じていた。でも、同じ病の人と出会い、体が壊れるまで働くのは個人にとっても会社にとっても良くないと、今は思う」と語った。
次のうち、(※2)の時点でM精神保健福祉士が提案した内容として、適切なものを1つ選びなさい。
- 「職場適応訓練制度を利用してはどうでしょうか」
- 「就労定着支援事業を利用してはどうでしょうか」
- 「リワークプログラムを利用してはどうでしょうか」
- 「ストレスチェックを受けてはどうでしょうか」
- 「職業評価を受けてはどうでしょうか」
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この過去問の解説 (3件)
01
職場適応訓練は、雇用保険の受給資格者等であって、再就職を容易にするため職場適応訓練を受けることが適当であると公共職業安定所長が認める者が対象となるため、適切ではありません。
2.×
就労定着支援事業は、就労移行支援等の利用を経て一般就労へ移行した障害者で、就労に伴う環境変化により生活面の課題が生じている者が対象となるため、適切ではありません。
3.○
リワークプログラムは、うつ病などで休職期間が長期化している方、休職と復職を繰り返している方等に対し、復職に向けてのウォーミングアップの支援を行うものです。
4.×
退院についての協議をするにあたって、ストレスチェックを受けることを提案することは、Kさんの「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分、早く穴埋めをしたい」との訴えに応じた支援とはいえません。
5.×
職業評価は、就職を考えている方などが、職業適性検査、心理検査などを行うものであるため、適切ではありません。
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02
(※2)の時点で、退院について協議が行われていることやKさんが退院をしたく焦っている状態がうかがえます。働く気持ちはあるとも読み取れます。
Kさんは現在休職中であり、これまで働いていた会社で雇用されている状況です。
1→「職場適応訓練制度」:実際の職場で作業について訓練を行うことにより、作業環境に適応することを容易にさせる目的で実施するものです。現時点でその職場に雇用されておらず、訓練後の雇用を期待するものです。
2→「就労定着支援事業」:就労移行支援などを利用して就労した障がい者を対象にした支援事業です。Kさんの状況に勧めることは適切ではないです。
3→「リワークプログラム」:うつ病などで休職中の方を対象にした、職場復帰を目指したプログラムです。職場復帰を想定したプログラムです。Kさんの状況に勧めることは適切といえます。
4→「ストレスチェック」:自分のストレス がどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査のことをいいます。
5→「職業評価」:これから就職をする人が、就労する準備として行われるものです。
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03
正解は、3 です。
1 Kさんは、Y社に雇用されたまま入院しており、Y社へ復職することを希望しています。そのため、職場適応訓練制度の利用は不適切です。
2 Kさんは、Y社へ復職することを希望していますので、就労定着支援事業の利用は不適切です。
3 適切です。リワークプログラムでは、精神疾患を理由とした休職者に対し、職場復帰へ向けリハビリテーションをプログラム化して行います。復職を希望するKさんへの提案として適切です。
4 ストレスチェックは、質問票に記入することで自分のストレス度をチェックすることです。簡単な検査であるため、職場復帰へ向けた内容としては弱いです。
5 職業評価は、どのような仕事が自分に向いているか評価するものです。Y社への復職を目指しているKさんには不適切です。
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