精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
Kさん(26歳、女性)は大学卒業後Y社に就職した。配属された部署は残業が多く忙しい職場であった。直属のL上司はKさんを熱心に指導した。生真面目なKさんは、L上司の期待に応えようと、自宅に仕事を持ち帰って仕上げるように心がけた。そのため、仕事が頭から離れず、寝てもすぐに目が覚め、食事も砂を噛んでいるようになっていった。体調の悪さを自覚したKさんは、社内報に掲載されていたY社が契約している従業員支援プログラム(EAP)機関のことを思い出し、相談に行った。そこで、Kさんは担当のM精神保健福祉士に、「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」「眠れなくてつらい」「このまま消えたい」と涙ながらに訴えた。M精神保健福祉士は、「よくここまで耐えてこられましたね」とねぎらった上で、次のように提案した。
数日後、KさんはZ精神科病院を受診し、うつ病と診断され入院することとなった。1か月を経過した頃、Kさんは面会に来たM精神保健福祉士へ、「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分、早く穴埋めをしたいのに」と訴えた。面会の1週間後、M精神保健福祉士は、主治医とKさんとL上司とで退院について協議した。そこで、M精神保健福祉士は次のことを提案した。
後日、入院中であったKさんは、精神科デイケアを体験利用した。そこでは自分と同じような状況にある利用者と交流して、焦っているのは自分だけではないと感じた。退院後、精神科デイケアを利用し始めた。3か月後、M精神保健福祉士は、デイケアスタッフ、主治医、L上司、Kさんと仕事に関して話し合った。従業員に業務負荷を強く感じさせる労働環境の改善も必要だと、L上司も考えるようになった。Kさんは負荷の少ない配慮された環境で仕事を再開した。それから数か月たった頃、M精神保健福祉士は労働環境の改善が必要と考え、L上司に「働き方を考える研修会」の実施を提案した。そこで、Kさんは体験談を語った。(※3)
研修会の後、KさんはM精神保健福祉士に、「初めは、今までのように働けない自分を弱い人間だと感じていた。でも、同じ病の人と出会い、体が壊れるまで働くのは個人にとっても会社にとっても良くないと、今は思う」と語った。
次のうち、(※3)の場面において、M精神保健福祉士が果たした役割として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Kさん(26歳、女性)は大学卒業後Y社に就職した。配属された部署は残業が多く忙しい職場であった。直属のL上司はKさんを熱心に指導した。生真面目なKさんは、L上司の期待に応えようと、自宅に仕事を持ち帰って仕上げるように心がけた。そのため、仕事が頭から離れず、寝てもすぐに目が覚め、食事も砂を噛んでいるようになっていった。体調の悪さを自覚したKさんは、社内報に掲載されていたY社が契約している従業員支援プログラム(EAP)機関のことを思い出し、相談に行った。そこで、Kさんは担当のM精神保健福祉士に、「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」「眠れなくてつらい」「このまま消えたい」と涙ながらに訴えた。M精神保健福祉士は、「よくここまで耐えてこられましたね」とねぎらった上で、次のように提案した。
数日後、KさんはZ精神科病院を受診し、うつ病と診断され入院することとなった。1か月を経過した頃、Kさんは面会に来たM精神保健福祉士へ、「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分、早く穴埋めをしたいのに」と訴えた。面会の1週間後、M精神保健福祉士は、主治医とKさんとL上司とで退院について協議した。そこで、M精神保健福祉士は次のことを提案した。
後日、入院中であったKさんは、精神科デイケアを体験利用した。そこでは自分と同じような状況にある利用者と交流して、焦っているのは自分だけではないと感じた。退院後、精神科デイケアを利用し始めた。3か月後、M精神保健福祉士は、デイケアスタッフ、主治医、L上司、Kさんと仕事に関して話し合った。従業員に業務負荷を強く感じさせる労働環境の改善も必要だと、L上司も考えるようになった。Kさんは負荷の少ない配慮された環境で仕事を再開した。それから数か月たった頃、M精神保健福祉士は労働環境の改善が必要と考え、L上司に「働き方を考える研修会」の実施を提案した。そこで、Kさんは体験談を語った。(※3)
研修会の後、KさんはM精神保健福祉士に、「初めは、今までのように働けない自分を弱い人間だと感じていた。でも、同じ病の人と出会い、体が壊れるまで働くのは個人にとっても会社にとっても良くないと、今は思う」と語った。
次のうち、(※3)の場面において、M精神保健福祉士が果たした役割として、適切なものを1つ選びなさい。
- スーパーバイザー
- アドボケーター
- エバリュエーター
- メディエーター
- ファシリテーター
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です。
(※3)の場面において、M精神保健福祉士が実施を提案した「働き方を考える研修会」にて、Kさんは体験談を語りました。
1→スーパーバイザーとは、教育や研修の際の熟練した指導者のことをいいます。
2→アドボケーターとは、自分の意見や権利を上手く伝えることのできない利用者の代わりに、意見や権利を主張する代弁者のことをいいます。
3→エバリュエーターとは、評価を行う人のことをいいます。
4→メディエーターとは、仲介者のことをいいます。
5→ ファシリテーターとは、事柄を円滑に進むよう支援する働きをする人のことをいいます。
今回、M精神保健福祉士は、労働環境の改善を必要と感じ、Kさんに代わって研修会の実施を提案した「アドボケーター」の役割であったといえます。
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02
スーパービジョンにおいて、スーパーバイジーに対し、共同作業しながら客観的な視点で評価などを行う人のことをスーパーバイザーといいます。
2.○
アドボケーターとは、精神科病院に入院している者にとって、入院生活での困り事に対して信頼できる相談相手で、入院中の「説明が得られない」「聞いてもらえない」ことに対しても、本人の立場で気持ちや状況を理解し、必要に応じて代弁することで、本人が自分の気持ちに正直に生き、主体的に精神科医療を受けられるように側面的に支援する者であるとしています。
3.×
エバリュエーターとは、サービスなどの評価をする人のことをいいます。
4.×
メディエーターとは、仲介者という意味です。
5.×
ファシリテーターとは、促進者という意味で、司会進行をする人のことなどをいいます。
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03
正解は、2 です。
1 スーパーバイザーとは、職員のマネジメントなどを行う管理者などの立場である人を指しますので、不適切です。
2 適切です。アドボケーターとは、自分の気持ちなどを上手く伝えられない人の代わりに、その人の気持ちを代弁する人を指します。Kさんが労働環境に配慮された職場に戻って数か月たった頃に、L上司に労働環境の改善を目的とした「働き方を考える研修会」の実施を提案していますので、Kさんの代弁者の役割を果たしたと考えることができます。
3 エバリュエーターとは、評価者を指しますので、不適切です。
4 メディエーターとは、仲介者を指しますので、不適切です。
5 ファシリテーターとは、会議などで進行や会話を促す人を指しますので不適切です。
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