精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問149
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問149 (訂正依頼・報告はこちら)
Jさん(36歳、男性)は、19歳の時に統合失調症を発症して精神科病院への入院経験がある。頻回な窃盗による逮捕歴があり、最終的には実刑判決を受けて服役した。服役中は適切な精神科治療を受けていたこともあって病状も落ち着いた。刑期が終わる時期が近づいてきたが、身元引受人のいないJさんは出所後の生活基盤もなく、再出発は極めて困難なことが予測された。そこでJさんが服役している刑事施設は、保護観察所に特別調整を依頼した。その結果、Jさんは、法務大臣から事業の認可を受けて宿泊場所や食事の提供など、自立の準備に専念できる生活基盤を提供しているW施設へ、保護観察所の長の委託により入所が決まり、刑期満了日にそのまま入所となり再出発への道を歩み始めた。
次のうち、Jさんが入所したW施設として、正しいものを1つ選びなさい。
次のうち、Jさんが入所したW施設として、正しいものを1つ選びなさい。
- 地域生活定着支援センター
- 宿所提供施設
- 自立準備ホーム
- 自立訓練(生活訓練)事業所
- 更生保護施設
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この過去問の解説 (3件)
01
地域生活定着支援センターは、高齢又は障害により支援を必要とする矯正施設退所者に対して、保護観察所と協働し退所後直ちに福祉サービス等につなげることを目的としています。
地域生活定着支援センターは、入所中から帰住地調整を行うコーディネート業務、福祉施設等へ入所した後も継続的に支援するフォローアップ業務、地域に暮らす矯正施設退所者に対して福祉サービスの利用等に関する相談支援業務などを実施します。
2.×
宿所提供施設は、生活保護法に基づく保護施設で、住居のない要保護者の世帯に対して、住居扶助を行うことを目的とする施設です。
3.×
自立準備ホームは、刑務所・少年院などを出所(院)した後、帰る家のない人が、自立できるまでの間、一時的に住むことのできる民間の施設です。
自立準備ホームは、あらかじめ保護観察所に登録されたNPO法人、社会福祉法人などが、それぞれの特長を生かして自立に向けた生活指導などを行うもので、施設や居室もさまざまな形があります。
4.×
自立訓練(生活訓練)事業所は、地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上等のため、一定の支援が必要な知的・精神障害者に対して、食事や家事等の日常生活能力を向上するための支援や、日常生活上の相談支援等を行います。
5.○
更生保護施設は、犯罪や非行をした人のうち、頼ることのできる人がいなかったり、生活環境に恵まれなかったり、あるいは、本人に社会生活上の問題があるなどの理由ですぐに自立更生できない人に対し、一定期間保護し、円滑な社会復帰を助けて再犯を防止することを目的とする施設です。法務大臣から事業の認可を受けて宿泊場所や食事の提供など、自立の準備に専念できる生活基盤を提供しています。
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02
1→地域生活定着支援センターは、高齢又は障害であり、福祉的な支援を必要とする矯正施設退所者を対象とした支援機関です。
2→宿所提供施設とは、住居のない要保護者の世帯に対して、住宅扶助を行うことを目的とする施設です。
3→自立準備ホームとは、出所後に行き場がない人を対象とし、一時的に住居を提供する施設です。
4→自立訓練(生活訓練)事業所とは、知的障害者・精神障害者を対象とし、生活能力の維持や向上のための事業所です。
5→更生保護施設は、出所後や執行猶予中に家族などや公的機関から援助を受けられない人を対象とし、一定期間保護する施設です。法務大臣から事業の認可を受けている施設です。
今回はJさんが身元引受人がおらず、出所後の生活基盤がない状態です。精神科治療を受けていたこともありましたが、現在は落ち着いています。
「法務大臣から事業の認可を受けている施設」ということで、更生保護施設が適切であると考えられます。
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03
正解は5です。
1 ×
地域生活定着支援センターは、矯正施設対処予定者等のうち、高齢または障害があり福祉的な支援を必要としている者を対象としています。
2 ×
宿所提供施設は、生活保護法による保護施設で、住居のない要保護者の世帯に対して、住宅扶助を行うことを目的としています。
3 ×
自立準備ホームは、行き場のない刑務所出所者等の帰住先・定住先を確保する一環として、緊急的住居確保・自立支援対策により確保された一時的な住居に相当します。
4 ×
自立訓練(生活訓練)事業所は、「自立訓練」とは、障害者につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、厚生労働省令で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいいます。
5 ○
更生保護施設は、更生保護事業法第二条によると保護観察中の者等、被保護者の改善更生に必要な保護を行う施設のうち、被保護者を宿泊させることを目的とする建物及びそのための設備を有するものをいいます。
Jさんは病状が落ち着いており、身元引き受け人がおらず、生活基盤がないことから、更生保護施設の利用が適切であると考えられます。
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