精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問155

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問題

第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問155 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
Kさん(45歳、男性)はグループホームに居住している。Kさんは双極性障害を抱えているが、近頃、服薬が滞りがちになり不穏になっていた。先日、「確実に成功する事業を思い付いた。融資を頼むために銀行に行ってくる」と大声で騒ぐ状況となった。異変に気が付いたグループホームのスタッフになだめられながら、かかりつけの精神科病院で精神保健指定医による診察を受けた。その結果、自傷他害のおそれはないものの医療と保護の観点から急速に入院が必要な状態と判断されたが、Kさんは入院には同意しなかった。唯一の身寄りである遠方に住む妹とはすぐには連絡が取れず、最終的に72時間に限った入院となった。

二日後、駆けつけた妹によって同意が得られ、入院形態が切り替わった。しかし、Kさんの不穏な状態は続いており、躁状態も治まらず、一般の病室では治療の継続が困難と判断され、やむを得ず、本人の意思では退出することができない個室において、12時間以上の治療処置がなされることとなった。

Kさんには、その都度入院に関する説明が行われていたが、状況は十分には把握できていないようで、担当となったL精神保健福祉士に対して、「何で入院しなければならないんだ」と立腹していた

入院から3週間後、薬物療法によってKさんの病状は落ち着き、通常の閉鎖病棟の一室に移った。Kさんの病状が安定してきたこともあり、入院について改めて説明する機会を設けることとなった。L精神保健福祉士は医師と共にKさんのところに行き、今回の経緯と、入院中の諸権利に関する文書について時間をかけて丁寧に説明した。(※3)

Kさんは完全には納得していないようだったが、「ともかく、こうやって入院中にできることと、できないことを話しに来てくれたのは一応よかったです」と語ってくれた。

次のうち、(※3)の書面に含まれている内容として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 信書の発受について制限を受けること
  • 都道府県その他の人権を擁護する行政機関職員との面会が病状に応じて制限を受けること
  • 原則として開放処遇となること
  • 退院の申出があっても72時間以内に限り入院継続もあり得ること
  • 退院請求についての連絡先

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は5です。

1→信書の発受について制限を受けることはないと精神保健福祉法に定められています。

2→人権を擁護する行政機関職員との面会については制限を受けることはありません。

3→原則として開放処遇となるのは「任意入院」の場合です。

4→72時間以内と決めらている入院は「緊急措置入院」です。

5→「医療保護入院」の退院請求は本人のほか、家族全員が行えます。

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02

正解は5です。

書面は「入院(医療保護入院)に際してのお知らせ」です。内容は1から7までの項目になっており、1は入院の年月日、日時について、2は医療保護入院と明記、3は手紙やはがきの発信や受信の制限はないが、異物の発見があれば職員が預かること、4は面会について、人権を擁護する行政機関の職員と代理人である弁護士の面会・電話は制限されないとあります。病状に応じてそれら以外の人は医師の指示で制限することがあります。5は行動を制限することについて、6は患者さんの不明なことや納得のいかないことは職員に申し出ること、それでも納得がいかない時は都道府県知事に退院や病院の処遇の改善を申し出ること、下の方に申し出先の都道府県知事の連絡先を載せます。7は病院の治療方針に従って療養に専念してください、とあります。

1.上記の通り、信書の発受について制限は受けないと書かれています。

2.上記の通り、都道府県その他の人権を擁護する行政機関職員との面会は制限できないことになっています。

3.開放処遇に関する記載はありません。

4.退院の申出があっても72時間以内に限り入院継続もあり得ることという記載はありません。
法第22条の4では、任意入院の患者さんに対し、医療及び保護のために入院を継続する必要があると認めた時に、72時間を限り退院を制限することができると書かれています。

5.上記のとおり、退院請求についての連絡先が載ります。

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