精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
心理学理論と心理的支援 問12

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問題

第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

心的外傷後ストレス障害( PTSD )に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 心的外傷後ストレス障害( PTSD )は、自然災害によっても引き起こされる。
  • フラッシュバックとは、心的外傷体験に関する出来事を昇華することである。
  • 心的外傷後ストレス障害( PTSD )は、心的外傷体験後1か月程度で自然に回復することもある。
  • 過覚醒とは、心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることである。
  • 回避症状とは、心的外傷体験の後、過剰な驚愕(きょうがく)反応を示すことである。

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この過去問の解説 (4件)

01

この問題は心的外傷後ストレス障害の詳細を問われる問題です。

1→〇 自然災害に伴う心理的なストレスも心的外傷後ストレス障害の原因の1つとして考えられます。

2→✕ フラッシュバックとは、強い心理的なストレスを受けた後、一定時間後に再度そのストレスを思い出してしまいトラウマになってしまう現象のことを言います。

3→✕ 心的外傷後ストレス障害は通常半年以内で3分の2が回復傾向にあります。

4→✕ 過覚醒とはストレスを解消した後にも身体が緊張した状態を維持してしまい、不眠症やイライラ感を伴う症状のことを言います。

5→✕ 回避症状とはトラウマを回想する記憶や場所等を考えないようにしたり避けようとする症状のことを言います。

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02

1、適切な内容です。心的外傷後ストレス障害とは、死の危険に直面した後にその時の体験が悪夢として現れたり、その時の体験が突然目の前で起こったかのような状態が発生する事などを言います。地震などの自然災害が原因で死の危険に直面した場合は心的外傷後ストレス障害を発症する場合があります。

2、不適切です。フラッシュバックとは、過去に起こった恐怖体験などの記憶が無意識に思い出され、それが目の前で起こっているかのような感覚が非常に強い事を言います。

3、不適切です。心的外傷後ストレス障害の診断基準の一つに、心的外傷体験を受けた後1か月以上、それが原因となる不安や緊張感の高まりなどが無意識で発生する事などが挙げられます。1か月で自然回復した場合は心的外傷後ストレス障害とは判定されません。

4、不適切です。過覚醒とは強いストレスを受けた時に交感神経が過剰に高まり、同時に副交感神経が下がる事によって感覚の鋭敏化などが起こり、リラックスできる状態になってもそれが継続する状態の事を言います。

5、不適切です。回避症状とは心的外傷後ストレスの原因となった出来事や、それが生じた場所などに近づく事を回避しようとする行動の事を言います。

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03

正解は1です。

PTSDは、自然災害や事故、犯罪被害など、恐怖や戦慄などの感情を引き起こす強いショック体験により引き起こされます。

各選択肢については以下のとおりです。

2→フラッシュバックとは、強いトラウマ体験を受けた後に、その記憶が繰り返し鮮明に蘇ることをいいます。

3→PTSDは、精神的不安定やフラッシュバックなどの症状が1ヶ月以上持続されます。1ヶ月程度で自然治癒する一過性のものは急性ストレス障害(ASD)と言います。

4→過覚醒とは、覚醒時に高まる交感神経が過剰に高ぶっている状態のことを言います。

5→回避症状とはトラウマに関する記憶を思い出させる場所や人、機会などを避けたり考えないようにすることを言います。

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04

正解は1です。

1 ○

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、生命の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。

自然災害下での体験によって引き起こされる場合があります。

2 ×

フラッシュバックとは、自分の感情の中では心的外傷体験整理がついておらず、何かの刺激によってその出来事を再度体験しているようにはっきりと思い出されることをいいます。

3 ×

辛い体験をした後には、誰でもP T S Dと同様の症状が現れますが、P T S Dでは1ヶ月を過ぎても症状が続くといわれます。

4 ×

過覚醒とは、強いストレスを受けた後などに、交感神経の活動が亢進し、不眠や怒りっぽくなるなどの症状が現れることをいいます。

5 ×

回避症状とは、辛い出来事を思い出させるような活動や、場所、人を避けるほか、考えたり感じたり話したりすることも避けることをいいます。

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