精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
心理学理論と心理的支援 問14
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問14 (訂正依頼・報告はこちら)
認知行動療法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- セラピストは、クライエントが独力で問題解決できるように、クライエントとの共同作業はしない。
- 他者の行動観察を通して行動の変容をもたらすモデリングが含まれる。
- クライエントは、セッション場面以外で練習課題を行うことはない。
- リラクセーション法は併用しない。
- 少しでも不快な刺激に曝(さら)すことは避け、トラウマの再発を防ぐ。
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この過去問の解説 (4件)
01
この問題は認知行動療法に関する問題です。
1→✕ セラピストはクライエントの抱える問題についてカウンセリングを行い、そこから両者間で問題解決を図る為誤答となります。
2→〇 問題文の通り、他者の行動をモデリングする事で意識変容をもたらすのは認知行動療法として正答です。
3→✕ セッション場面以外でも練習課題を行い、不適切な認知を適切な認知に変容させる為誤答となります。
4→✕ リラクゼーション法はうつ症状や不安症状等に有効とされており、認知行動療法において効果が期待できる為誤答となります。
5→✕ 不快な刺激を敢えて曝す事で、徐々にその不快な刺激になれさせるエクスポージャー法も認知行動療法の1つとして考えられます。
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02
正解は2です。
認知行動療法には、適切な行動をとる他者の観察を通じて、認知と行動の変容を促すモデリングが含まれます。
各選択肢については以下のとおりです。
1→セラピストは、クライエントの問題解決のため共同で治療を行っていくため誤りです。
3→セッション場面以外の生活の中で読書や日記を書くなどの練習課題を行い、セラピーで学んだことを一人でも応用できるようにします。
4→リラクゼーション法は、不安症状やうつ症状、睡眠障害などに有効であり、認知行動療法と併用されることがあります。
5→認知行動療法では、否定的な感情にも着目し、自分の認知・行動パターンを知ることで考え方のバランスをとりストレスに上手に対応できるこころの状態を作ります。
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03
1、不適切です。認知行動療法においては、クライエントとセラピストが共同してクライエントの気持ちを表出しやすくしたり、セラピストが課題を出しそれをクリアできるようサポートしたりする事があります。
2、適切な内容です。クライエントの症状が出る場面で、他者が適応している状態を見せる事で、その場面に対する不適応状態を消去させる事などが認知行動療法では行われます。
3、不適切です。認知行動療法においては、医師の指導のもとで思考記録表の作成や、行動計画の策定など、自宅でもセルフケアを行う事があります。
4、不適切です。認知行動療法においては、特定の行動(呼吸法等)を行う事で身体的・精神的なリラックス状態を作り出し、不安を緩和させるリラクセーション法が取り入れられています。
5、不適切です。認知行動療法では、不安に感じる事や不快に感じるものをあえて体感するエクスポージャー法が取り入れられています。最初は不安に感じるレベルの低い事から体感し、それが克服できたら次のステップに進み、徐々にストレスを感じる事柄を無くしていくよう働きかけていきます。
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04
正解は2です。
認知行動療法は、厚生労働省「うつ病の認知療法・認知行動療法マニュアル」によると、人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした構造化された精神療法とされています。
1 ×
セラピストは、クライエントとの面接を重ねながら自分で答えを出していけるよう関わっていきます。
2 ○
モデリングとは、他者の行動を観察することで観察者の行動が変容する現象をいいます。
認知行動療法においては、望ましい行動を習得する技法のひとつとして活用されます。
3 ×
クライエントは、セッション場面以外に、ホームワークが課され、実生活の中でも認知の修正を図ります。
4 ×
リラクセーション法は、認知行動療法の中で用いられる技法のひとつです。
リラクセーション法を用いることで、ストレス反応を自分で予防したり、緩和したりすることができるようになり、抑うつ感や不安症状の緩和などに有効です。
5 ×
自己の気分や行動を把握する際には、不快なことを思い出す場面も出てくるものと考えられますが、そのような場面や感情にも着目して治療が進められます。
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