精神保健福祉士の過去問 第23回(令和2年度) 精神保健福祉相談援助の基盤 問111
この過去問の解説 (3件)
1.×です。ストレングスモデルとは、利用者固有の強みや長所に焦点をあてて、援助を行う方法です。ラップとゴスチャは、精神障害者へのケースマネジメントに焦点を当て、地域を資源のオアシスとして捉えた背景があります。このモデルは1980年代に提唱されました。
2.×です。ジェネラリスト・ソーシャルワークとは共通基盤を「重視」し、総合的かつ包括的に行う援助技術のことです。
3.×です。エコロジカル・アプローチとは、1980年代頃に提唱された、生態学の概念をケースワークへ導入したアプローチです。生活モデルを基盤とし、個人と環境の相互作用に焦点を当て、生活システムにおける問題の原因について分析していき、両者の適合を図っていきます。
4.×です。エンパワメントアプローチとは、1970年代頃に提唱されました。利用者を取り巻く抑圧的な状況を認識し、自尊感情が根付く事で自らの能力に気づき、その能力を高め、問題に対処していく事に焦点を当てていきます。
5.○です。心理社会的アプローチとは、1960年代頃に提唱され、診断主義アプローチの概念を継承した背景があり、精神分析の概念を中核として体系化されました。
1、✕ ストレングスモデル提唱以前は、クライエントの病理などネガティブな部分に視点を当て、それを治す事に視点を置いて支援していました。それに対してストレングスモデルではクライエント自身の強みやそれを取り巻く社会資源などに着目し、その強みを活かすように関わりを持つようアプローチします。ストレングスモデルは1980年代以降に提唱され、広がりを見せました。
2、✕ ジェネラリストアプローチとは「ケースワーク」「グループワーク」「コミュニティワーク」などにソーシャルワーク実践方法を区分けする事によって、クライエント自身の抱える問題をソーシャルワーカーの都合で分断してしまう事を問題視する視点から生まれました。クライエントの問題を包括的・総合的に捉えるために1970年代頃からその視点が広がりを見せています。
3、✕ エコロジカルソーシャルワークは、1973年にジャーメインによってはじめて提唱された理論となります。それ以降徐々に広がりを見せるようになりました。
4、✕ エンパワメントアプローチが提唱された歴史的背景には、黒人解放運動などが存在しています。また、エンパワメントアプローチは1976年にソロモンが初めて理論化した物を提唱しました。
5、〇 「状況の中の人」に焦点をあてた心理社会的アプローチを提唱したのはホリスです。人と環境を別々に捉えるのではなく、人と環境の相互作用に着目し、その状況に置かれている人の問題に着目して支援を行う方法となります。ホリスが心理社会的アプローチを提唱したのは1960年代であり、選択肢の中では一番古いアプローチ方法となります。
正解は、 5 です。
モデルやアプローチを古い順に並べると、心理社会的アプローチ1960年代、ジェネラリストアプローチ、エコロジカル・ソーシャルワーク1970年代、エンパワメントアプローチ1970年~1980年代、ストレングスモデル1980年代です。
以下、選択肢を当てはめると、
1.✕
ストレングスモデルは、1980年代です。
2.✕
ジェネラリストアプローチは、1970年代です。
3.✕
エンパワメントアプローチは、1970年~1980年代です。
4.✕
エコロジカル・ソーシャルワークは、1970年代です。
5.〇
心理社会的アプローチは、1960年代です。
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