精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
精神保健福祉センターの思春期相談担当のA精神保健福祉士(以下「A相談員」という。)の下に、Bさん( 45歳、女性)が娘Cさん( 14歳)のことで相談に来た。Bさんの話によると、「Cは3か月ほど前の中学2年に進級した頃から食べなくなり、急激に痩せてきた。食べるように言うと怒って部屋に入ってしまうので、どうしたらいいか分からない」「養護教諭からこちらの思春期相談を勧められ、本人が拒んだので私だけで相談に来た」という。面談を終えた後、A相談員はBさんに少し待ってもらい、Cさん宛てに書いた手紙を渡してもらうように伝えた。
2週間後、CさんはA相談員の下を訪れ、面談するようになった。Cさんは面談の中で、「勉強も部活も頑張ってきた。陸上部で良い成績を出すために減量を始めたが、最近は練習についていけない。部活の友達にはどうしても負けたくない」「家で母親に食べろと言われるのがとても嫌でよくけんかになる。でも、仕事で活躍している母親のことは尊敬している」などと話すようになった。
週に一度の面談を1か月ほど重ね、夏休みを迎えた頃、Cさんは、「部活の顧問から体調が心配だから休むように言われてしまった」「家で過食や嘔吐を繰り返している」「もうどうしていいか分からない」とA相談員に訴えるようになった。その頃には更に痩せて、肥満度マイナス25%まで減少していた。A相談員はCさんに児童専門の精神科受診を勧めていたところ、ようやく受診に至った。診察後、主治医は、「今の状態が続くと2学期の登校は難しいのではないか」とCさんとBさんに伝えたが、Cさんは学校も部活も休みたくないと希望した。報告を受けたA相談員は、CさんとBさんに学校、医療機関との関係者会議を持つことを提案した。
関係者会議の数日後、Bさんは一人でA相談員の下へ相談に訪れた。Bさんは、「Cがこのようになったのは私のせいではないか」「このまま仕事を続けていていいものか悩んでいる。しかし、実は責任のある仕事を任されるようになったばかりで、誰にも相談できずにいる」と思い詰めた様子で語った。(※ 3 )
次の記述のうち、(※ 3 )におけるBさんへのA相談員の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
精神保健福祉センターの思春期相談担当のA精神保健福祉士(以下「A相談員」という。)の下に、Bさん( 45歳、女性)が娘Cさん( 14歳)のことで相談に来た。Bさんの話によると、「Cは3か月ほど前の中学2年に進級した頃から食べなくなり、急激に痩せてきた。食べるように言うと怒って部屋に入ってしまうので、どうしたらいいか分からない」「養護教諭からこちらの思春期相談を勧められ、本人が拒んだので私だけで相談に来た」という。面談を終えた後、A相談員はBさんに少し待ってもらい、Cさん宛てに書いた手紙を渡してもらうように伝えた。
2週間後、CさんはA相談員の下を訪れ、面談するようになった。Cさんは面談の中で、「勉強も部活も頑張ってきた。陸上部で良い成績を出すために減量を始めたが、最近は練習についていけない。部活の友達にはどうしても負けたくない」「家で母親に食べろと言われるのがとても嫌でよくけんかになる。でも、仕事で活躍している母親のことは尊敬している」などと話すようになった。
週に一度の面談を1か月ほど重ね、夏休みを迎えた頃、Cさんは、「部活の顧問から体調が心配だから休むように言われてしまった」「家で過食や嘔吐を繰り返している」「もうどうしていいか分からない」とA相談員に訴えるようになった。その頃には更に痩せて、肥満度マイナス25%まで減少していた。A相談員はCさんに児童専門の精神科受診を勧めていたところ、ようやく受診に至った。診察後、主治医は、「今の状態が続くと2学期の登校は難しいのではないか」とCさんとBさんに伝えたが、Cさんは学校も部活も休みたくないと希望した。報告を受けたA相談員は、CさんとBさんに学校、医療機関との関係者会議を持つことを提案した。
関係者会議の数日後、Bさんは一人でA相談員の下へ相談に訪れた。Bさんは、「Cがこのようになったのは私のせいではないか」「このまま仕事を続けていていいものか悩んでいる。しかし、実は責任のある仕事を任されるようになったばかりで、誰にも相談できずにいる」と思い詰めた様子で語った。(※ 3 )
次の記述のうち、(※ 3 )におけるBさんへのA相談員の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
- 仕事を続けるかどうかは、Cさんに決めてもらってはどうかと提案する。
- 母親としての役割は大きいので、しばらく仕事は控えるよう助言する。
- Cさんの病気の要因として考えられることを挙げてもらい、改善策を伝える。
- Cさんのためにも、責任ある仕事を引き受けて活躍する姿を見せるよう勧める。
- Cさんのケアと仕事を両立する方法を検討し、Bさんが選択できるよう支援する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×です。仕事を続けることに悩んでいるとありますが、Bさんは現状誰にも相談ができないと話しています。そのため、仕事の継続の判断より、Bさんの話をまずは傾聴します。
2.×です。仕事を控えても問題解決には至らないので、この設問は不正解となります。
3.×です。現状のBさんは精神的に負担を感じています。Cさんの病気の要因を考えるよう促すのではなく、Bさんの話に耳を傾ける必要があります。
4.×です。設問の内容では、Cさんのケアへ結びつきにくいです。
5.○です。Bさんの話を傾聴した上で、そのニーズを満たすことのできる方法を検討していく事や、Bさん自身が選択していく事は重要な事です
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02
正解は、 5 です。
1.適切ではありません。
Cさんに母親Bさんの仕事を続けるかどうかの決定をさせるのは適切ではありません。
Bさんが決められるように一緒に考えていく姿勢がA相談員には必要です。
2.適切ではありません。
ここで仕事を止めるように助言をすることは、Bさんを追い詰めてしまう可能性があります。
なぜBさんがそのような思いになっているのか、まずは聴くことが大事です。
3.適切ではありません。
Cさんの病気の原因をあげることは、Bさんにとっては追い詰めてしまう可能性があります。
また、A相談員が改善策を一方的に伝えるのではなく、一緒に考える姿勢が大事です。
4.適切ではありません。
Bさんの言葉から苦しい状況が感じられるなか、責任のある仕事をして活躍する姿をみせるように勧めることは、Bさんを追い詰めてしまう可能性があります。
5.適切です。
Bさんの思いを聴きながら、気持ちの確認や整理をすることが大事です。Bさんと一緒に考えるなかで、Bさんが選択できるように取組を提案や検討することが必要になります。
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03
正解は、5 です。
1 不適切です。現在のCさんは、母親であるBさんの仕事の継続について決定できる精神状態になく、負担になると考えられます。
2 不適切です。Bさんが仕事を控えることによるメリットがこの事例からは見えてきません。この段階で仕事を控えるよう助言するのではなく、Bさんの思いを深く傾聴していくことが重要です。
3 不適切です。「改善策を伝える」ことよりも、一緒に考えていくことが大切です。
4 不適切です。BさんはCさんのことで悩んでいる状態であるため、「責任ある仕事を引き受ける」など、負担の大きいことを勧めることは適切ではありません。
5 適切です。Bさんは仕事を辞めたいわけではないので、まずはCさんのケアや仕事に対するBさんの思いを傾聴し、両立する方法を検討することは大切です。
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