精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Dさん( 62歳、男性)は、和食店で働いていた25歳の時に統合失調症を発症した。入退院を繰り返したが、40代以降は母親と同居し、通院のみで病状も落ち着いていた。Dさんが55歳の時に同居の母親が亡くなって、一人暮らしとなったために生活が乱れて妄想がひどくなり、精神科病院に入院となった。その後、Dさんは相続した自宅を不本意ながら売却することになった。Dさんは、入院後も何度か病状が再燃し、5年が経過した。新たに病棟担当になったE精神保健福祉士がDさんと面接すると、Dさんは、「自分は長男だから家を守っていくつもりだった。弟に『兄さんのこれからの生活のためにも売却した方がいい』と押し切られた」と感情的に語った。
Dさんは、E精神保健福祉士との面接を通して徐々に落ち着きを取り戻し、主治医より退院の話も出るようになった。そして、「一人暮らしをしてみたい」と話し、退院を希望した。入院中の服薬や食事などの管理は看護師が行っていたが、「今はいい状態なので、帰る家さえ決まれば退院できると思う。一人暮らしは初めてだが、料理はできるし、なんとかなる」と話した。精神保健福祉士は、本人も参加するカンファレンスで退院に向けた病棟での働きかけを検討した。(※ 2 )
Dさんは、地域移行支援を利用し、グループホームの体験宿泊を繰り返しながら、退院準備を進めた。掃除やごみ出しに苦労していたが、半年後に退院し、ホームヘルパーに掃除や洗濯を手伝ってもらいながら一人暮らしをしている。また、自宅で料理を楽しんだり、地域活動支援センターの料理会に積極的に参加している。1年が経過した頃、相談支援事業所のF精神保健福祉士は、ホームヘルパーよりDさんが時々訪問日を間違えると報告を受けた。また、外来で何度も血糖値の高さも指摘された。Dさんも、「この前、道に迷ってしまった。コンロの火を消し忘れてしまった。今まではそんなことなかったのに」と言っており、F精神保健福祉士は本人と相談して、主治医を含む関係者とカンファレンスを開催することにした。
次の記述のうち、(※ 2 )のカンファレンスで検討したこととして、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Dさん( 62歳、男性)は、和食店で働いていた25歳の時に統合失調症を発症した。入退院を繰り返したが、40代以降は母親と同居し、通院のみで病状も落ち着いていた。Dさんが55歳の時に同居の母親が亡くなって、一人暮らしとなったために生活が乱れて妄想がひどくなり、精神科病院に入院となった。その後、Dさんは相続した自宅を不本意ながら売却することになった。Dさんは、入院後も何度か病状が再燃し、5年が経過した。新たに病棟担当になったE精神保健福祉士がDさんと面接すると、Dさんは、「自分は長男だから家を守っていくつもりだった。弟に『兄さんのこれからの生活のためにも売却した方がいい』と押し切られた」と感情的に語った。
Dさんは、E精神保健福祉士との面接を通して徐々に落ち着きを取り戻し、主治医より退院の話も出るようになった。そして、「一人暮らしをしてみたい」と話し、退院を希望した。入院中の服薬や食事などの管理は看護師が行っていたが、「今はいい状態なので、帰る家さえ決まれば退院できると思う。一人暮らしは初めてだが、料理はできるし、なんとかなる」と話した。精神保健福祉士は、本人も参加するカンファレンスで退院に向けた病棟での働きかけを検討した。(※ 2 )
Dさんは、地域移行支援を利用し、グループホームの体験宿泊を繰り返しながら、退院準備を進めた。掃除やごみ出しに苦労していたが、半年後に退院し、ホームヘルパーに掃除や洗濯を手伝ってもらいながら一人暮らしをしている。また、自宅で料理を楽しんだり、地域活動支援センターの料理会に積極的に参加している。1年が経過した頃、相談支援事業所のF精神保健福祉士は、ホームヘルパーよりDさんが時々訪問日を間違えると報告を受けた。また、外来で何度も血糖値の高さも指摘された。Dさんも、「この前、道に迷ってしまった。コンロの火を消し忘れてしまった。今まではそんなことなかったのに」と言っており、F精神保健福祉士は本人と相談して、主治医を含む関係者とカンファレンスを開催することにした。
次の記述のうち、(※ 2 )のカンファレンスで検討したこととして、適切なものを1つ選びなさい。
- 病棟の看護師がDさんの服薬管理を強化する。
- ピアサポーターにDさんの一人暮らしに必要な日用品の買物を依頼する。
- 病棟で間食の量を決めてカロリーを制限する。
- 病気の理解を深めるための勉強会に参加する。
- アパート探しのために外出する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×です。Dさんは退院を希望しているため、今後の生活を考え、どのようにしてDさん自身が服薬管理をしていくのかが、重要です。
2.×です。Dさんの経歴に、25歳までは医療機関を受診せずに社会生活を送っていたとある事や、Dさんの悩みは「帰る家」にあるため、この時点でピアサポーターに依頼する必要はありません。
3.×です。この時点では、設問の内容をしていく必要はありません。
4.○です。病気の理解を深める事で、日常生活と照らし合わせる事ができ、生活上の見通しが持てるようになります。
5.×です。いきなり一人暮らしを開始するのではなく、地域移行に向けた支援としてグループホーム等を利用し、一人暮らしに向けた支援をしていきます。
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02
正解は、 4 です。
1.適切ではありません。
服薬管理を強化するのではなく、将来的には自分で服薬管理をしていく必要があるため、入院中から自分で服薬管理ができるように練習を行っていくことが大事になります。
2.適切ではありません。
日用品の購入は、Dさん自身が行うことができるようになることが大事です。ピアサポーターは、自身の当事者体験を活かし、本人への思いを代弁したり、本人に関わる人たちへの助言等をすることが役割となっています。そのため、選択肢の表現も適切ではありません。
3.適切ではありません。
カロリー制限、食事の管理を行うことも、Dさん自身が行うことができるようになるのが大事です。Dさんの思いから、今回のカンファレンスでカロリー制限を検討することは適切ではありません。
4.適切です。
Dさんはこれまで入退院を繰り返しています。そのため、「病気の理解を深めるための勉強会に参加する」ことを検討するのは適切です。
5.適切ではありません。
現在の時点でアパート探しの外出をするのは適切でありません。事例の後半では、グループホームの体験宿泊を繰り返していることから、まずは一人暮らしや地域移行をしていくための練習が必要です。
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03
正解は、4 です。
1 不適切です。病棟看護師ではなく、Dさんが服薬管理をできるように検討していくことが重要です。
2 不適切です。まだ一人暮らしが可能かどうかも検討していない中で、買物を依頼することは不適切です。
3 不適切です。事例の中からはDさんの食事摂取量が不適切であるような表現は読み取れません。
4 適切です。落ち着きは取り戻しているものの、Dさんの中で「一人暮らしをしてみたい」という意向が先に立っており、病気について理解があるような内容は読み取れません。まずは、Dさん自身が自分の病気と向き合うためにも勉強会に参加することは適切です。
5 不適切です。まだ一人暮らしが可能かどうかも検討していない中で、アパート探しのために外出することは不適切です。
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