精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問142
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問142 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
政令指定都市のP市保健所で働くL精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)(以下「L相談員」という。)に、P市に住む父親のMさん( 80歳)と長女のAさん( 50歳)の事で、民生委員から相談があった。「ごみが庭にあふれ悪臭もあり、近隣住民が不安に思っている。Mさんは外に向かって怒鳴るし、Aさんの姿を見なくなった。精神的な病気があるかもしれないので保健所に相談に来た。MさんとAさんが心配だ」とのことだった。次の日、L相談員はMさん宅を訪問した。
玄関から声をかけるとMさんは、「俺の勝手だ。ほっといてくれ」と強い口調で言いドアを閉めた。Aさんの姿は確認できず、名刺を置いてMさん宅を離れた。L相談員は、Mさん親子についての情報収集や今後の支援方法を、関係機関と検討する必要があると判断し、地域包括支援センターに連絡した。その結果、地域ケア会議が開かれることとなり、初回会議にはL相談員の他に地域包括支援センターの保健師、社会福祉協議会の福祉活動専門員、P市高齢福祉課の担当者、民生委員が参加した。(※ 2 )
L相談員が訪問を続けると、Aさんが玄関先に出てくれるようになった。2か月が過ぎた頃Aさんから、「何とかしようと思っていました。でも父は怒りやすくなり、話もかみ合わなくて。私も気分が落ちて、朝は布団から出られなくなって。2年前に15年ほど勤めた会社を辞めたんです。それから、どうしようもなく…」と話があった。詳しく話を聴くと、Mさんには認知症、Aさんには精神疾患の疑いがそれぞれあり、支援を希望していることが分かった。
チームによる支援を続け1年が過ぎた。少しずつ居住環境は改善されつつある。また、現在Mさんは通所介護(デイサービス)を利用しており、Aさんは精神科クリニックへ通院を続けている。Aさんは、「気持ちが落ち着いてきたような気がします。でもこれからですね」とL相談員に話した。この支援をきっかけに、L相談員はMさん親子のような課題を持つ方への支援の充実や支援体制の構築が必要と考え、「障害者総合支援法」に基づくP市協議会で検討することを提案してきた。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次の記述のうち、(※ 2 )の会議におけるL相談員の提案として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
政令指定都市のP市保健所で働くL精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)(以下「L相談員」という。)に、P市に住む父親のMさん( 80歳)と長女のAさん( 50歳)の事で、民生委員から相談があった。「ごみが庭にあふれ悪臭もあり、近隣住民が不安に思っている。Mさんは外に向かって怒鳴るし、Aさんの姿を見なくなった。精神的な病気があるかもしれないので保健所に相談に来た。MさんとAさんが心配だ」とのことだった。次の日、L相談員はMさん宅を訪問した。
玄関から声をかけるとMさんは、「俺の勝手だ。ほっといてくれ」と強い口調で言いドアを閉めた。Aさんの姿は確認できず、名刺を置いてMさん宅を離れた。L相談員は、Mさん親子についての情報収集や今後の支援方法を、関係機関と検討する必要があると判断し、地域包括支援センターに連絡した。その結果、地域ケア会議が開かれることとなり、初回会議にはL相談員の他に地域包括支援センターの保健師、社会福祉協議会の福祉活動専門員、P市高齢福祉課の担当者、民生委員が参加した。(※ 2 )
L相談員が訪問を続けると、Aさんが玄関先に出てくれるようになった。2か月が過ぎた頃Aさんから、「何とかしようと思っていました。でも父は怒りやすくなり、話もかみ合わなくて。私も気分が落ちて、朝は布団から出られなくなって。2年前に15年ほど勤めた会社を辞めたんです。それから、どうしようもなく…」と話があった。詳しく話を聴くと、Mさんには認知症、Aさんには精神疾患の疑いがそれぞれあり、支援を希望していることが分かった。
チームによる支援を続け1年が過ぎた。少しずつ居住環境は改善されつつある。また、現在Mさんは通所介護(デイサービス)を利用しており、Aさんは精神科クリニックへ通院を続けている。Aさんは、「気持ちが落ち着いてきたような気がします。でもこれからですね」とL相談員に話した。この支援をきっかけに、L相談員はMさん親子のような課題を持つ方への支援の充実や支援体制の構築が必要と考え、「障害者総合支援法」に基づくP市協議会で検討することを提案してきた。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次の記述のうち、(※ 2 )の会議におけるL相談員の提案として、適切なものを1つ選びなさい。
- 「積極的な介入をそれぞれ競い合いましょう」
- 「期間を設定して、アセスメントをしましょう」
- 「所属の専門性をいかした独自の支援計画を立て、それぞれ進めましょう」
- 「チームの人数をもっと増やして、支援体制を作りましょう」
- 「訪問は、どんな状況でも同じメンバーでしましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×です。競い合うべき内容ではありません。
2. ○です。具体的に支援に取り掛かるために、期間を決めて支援展開をしていく事は重要です。
3.×です。「独自」や「それぞれ進めましょう」の部分が不適切となります。
4.×です。無理に人数を増やすのではなく、支援内容に適した専門職でチームを組んだ方が効率良く支援を展開することができます。
5.×です。人によってMさんとの信頼関係が築けたり、築けなかったりするため、同じメンバーで訪問していく事に拘る必要はありません。
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02
正解は、 2 です。
1.適切ではありません。
医療機関で競い合わせることは、チーム支援、連携支援では有効ではありません。
2.適切です。
支援が必要かどうか、どのような支援方法が多職種チームでできるかなどを考えるために、アセスメントを行うことが大事です。
3.適切ではありません。
選択肢の内容では、多職種が集まってケア会議をする意味がありません。チームで支援するために、それぞれがどのようなことができるか、共通の支援計画を立てていくことが大事になります。
4.適切ではありません。
設問の時点では、ケア会議を始めたばかりであるため、何も支援計画や実行していない前に増員を決めてしまうのは適切ではありません。場合によって増員して対応することも大事です。
5.適切ではありません。
支援内容や状況によっては、現チームのメンバーだけでは対応できない場合があります。どのような状況でも対応できるように、チームのメンバーの変更、増員等の調整が必要になります。
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03
正解は、2 です。
1 不適切です。介入は競い合うものではありません。
2 適切です。関係機関がそれぞれの視点から意見を出し合い、アセスメントを行う必要があります。その際にはいつまでにといった目標設定も重要です。
3 不適切です。「独自の支援計画」や「それぞれ進める」のではなく、支援計画を共有し協働して支援する必要があります。
4 不適切です。まだ課題が整理されていなく目標も定まっていない中で、ただ人数を増やすことを提案することは不適切です。
5 不適切です。状況に応じて他の専門職や地域住民などが訪問することが重要です。
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