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精神保健福祉士の過去問 第23回(令和2年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問143

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
政令指定都市のP市保健所で働くL精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)(以下「L相談員」という。)に、P市に住む父親のMさん( 80歳)と長女のAさん( 50歳)の事で、民生委員から相談があった。「ごみが庭にあふれ悪臭もあり、近隣住民が不安に思っている。Mさんは外に向かって怒鳴るし、Aさんの姿を見なくなった。精神的な病気があるかもしれないので保健所に相談に来た。MさんとAさんが心配だ」とのことだった。次の日、L相談員はMさん宅を訪問した。

玄関から声をかけるとMさんは、「俺の勝手だ。ほっといてくれ」と強い口調で言いドアを閉めた。Aさんの姿は確認できず、名刺を置いてMさん宅を離れた。L相談員は、Mさん親子についての情報収集や今後の支援方法を、関係機関と検討する必要があると判断し、地域包括支援センターに連絡した。その結果、地域ケア会議が開かれることとなり、初回会議にはL相談員の他に地域包括支援センターの保健師、社会福祉協議会の福祉活動専門員、P市高齢福祉課の担当者、民生委員が参加した。

L相談員が訪問を続けると、Aさんが玄関先に出てくれるようになった。2か月が過ぎた頃Aさんから、「何とかしようと思っていました。でも父は怒りやすくなり、話もかみ合わなくて。私も気分が落ちて、朝は布団から出られなくなって。2年前に15年ほど勤めた会社を辞めたんです。それから、どうしようもなく…」と話があった。詳しく話を聴くと、Mさんには認知症、Aさんには精神疾患の疑いがそれぞれあり、支援を希望していることが分かった。

チームによる支援を続け1年が過ぎた。少しずつ居住環境は改善されつつある。また、現在Mさんは通所介護(デイサービス)を利用しており、Aさんは精神科クリニックへ通院を続けている。Aさんは、「気持ちが落ち着いてきたような気がします。でもこれからですね」とL相談員に話した。この支援をきっかけに、L相談員はMさん親子のような課題を持つ方への支援の充実や支援体制の構築が必要と考え、「障害者総合支援法」に基づくP市協議会で検討することを提案してきた。(※ 3 )
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

次の記述のうち、(※ 3 )でL相談員がP市協議会で最初に提案したコミュニティソーシャルワーク実践の内容として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
SWOT分析を用いて、住民意識や支援者の状況を把握する。
   2 .
P市の全戸訪問を行い、セルフネグレクトの可能性がある世帯を把握する。
   3 .
Mさん家族に対応した支援ネットワークの形を変えず、他の地域課題にも対応していく。
   4 .
P市全域を対象として、見守りボランティアを募る。
   5 .
メーリングリストを活用して、クライエントの個人情報を迅速に共有する。
( 第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問143 )
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この過去問の解説 (3件)

20

1. ○です。SWOT分析とは、集団の内部の強みや弱み、外部の環境の脅威や機会を分析して評価をする手法です。

2.×です。P市内に全戸訪問を行うやり方では、労力や時間がかかってしまいます。民生委員やその他関係機関と協力し、セルフネグレクトの可能性のある世帯を把握していった方が効率的です。

3.×です。地域の課題はその地域によって異なるため、課題に応じた対応が求められます。

4.×です。市内全域は対象が広いため、対象地域を予めリストアップしておく事で、その地域の見守りボランティアとの連携や対応がしやすくなります。

5.×です。個人情報の共有に関しては、関係機関及び関係者のみに絞り、共有していく必要があります。

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16

正解は、 1 です。

1.適切です。

SWOT分析とは、強み、弱み、機会、脅威の4つの項目からクロス分析する手法です。P市の状況を把握し、課題をみつけるためにも適切な方法です。

2.適切ではありません。

セルフネグレクトとは、生活するために必要な行為をしない、することができないことにより、本人の心身の健康や衛生等が損なわれる状態を言います。設問の時点では、協議会が立ち上がったばかりの状況で全戸訪問を行う提案をするのは適切ではありません。

3.適切ではありません。

Mさん家族以外にも似たような状況があると考えられます。しかし、似たような状況であってもMさん家族の支援で有効であった支援ネットワークでは上手く行かない場合もあります。そのため、支援ネットワークの形を柔軟に変えられるようにしておくことが大事です。

4.適切ではありません。

設問の時点では、十分な情報収集やアセスメントができていません。そのため、見守りボランティアを募集するという提案は時期尚早です。

5.適切ではありません。

設問の時点で、安易に個人情報をメーリングリストで流すことは危険です。

7

正解は、 です。

1 適切です。「SWOT分析」とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を組み合わせて分析する手法です。「最初に提案したコミュニティソーシャルワーク実践の内容」とありますので、このように分析を提案することは適切です。

2 不適切です。全戸訪問は多くの人手や予算などが必要になることが予想されます。最初の提案としては不適切です。

3 不適切です。当事者や家族の状況によって対応方法も違うため、Mさん家族に対応した支援ネットワークが他の地域課題にも対応できると考えることは不適切です。

4 不適切です。「最初に提案したコミュニティソーシャルワーク実践」とありますので、まずは地域の課題を分析しどのような社会資源が必要かを検討することが必要です。

5 不適切です。個人情報の共有については管理に十分配慮しなければいけません。

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