精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問153
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問153 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Bさん( 50歳、男性)は30代の頃に統合失調症を発症し、両親が自宅で面倒を見ていた。しかし、その両親が交通事故で亡くなると、病状が極めて不安定になり、最終的にX病院に2010年(平成22年)に入院した。入院後1年で病状は落ち着いたものの、退院が迫ると病状が悪化するなど、不安定な状態になることを10年ほど繰り返していた。
地域の相談支援事業所のC精神保健福祉士は、X病院からBさんについて紹介を受け、Bさんに話を聞いた。Bさんは、「退院はともかく、外の世界が今どうなっているかは知りたい。あと病院の外で食事をしてみたい」とぽつぽつと話した。Bさんは、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを利用し、C精神保健福祉士と一緒に社会資源の見学をし、外出のついでに食事などをした。外出のたびにC精神保健福祉士は、Bさんに地域での暮らしをイメージしてもらえるように働きかけた。(※ 1 )
BさんはC精神保健福祉士と一緒に行動するにつれ、退院に興味を持ち始めたが、「身寄りのない自分は困ったときに誰にも相談できない。心細い」と不安を訴えた。C精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを紹介し、随時、退院後の相談に乗ることとした。
退院したBさんは、両親から残された自宅で、上記の支援とホームヘルプサービスを利用して当初生活していた。しかし実際に一人暮らしをしてみると生活上の困難が思いの外大きいことが明らかになり、共同生活援助(グループホーム)を利用することになった。一旦はグループホームに馴染(なじ)んだかに見えたBさんだったが、そのうちC精神保健福祉士に、「人と一緒に暮らすのは自分にはどうしても向いていない「にぎやかな感じが苦手」という訴えを漏らすようになった。そこでC精神保健福祉士は、Bさんと相談しながら改めて自宅での生活を検討した。
その中で、ある法律の改正で2018年(平成30年)に新設された、居宅における自立した生活を営む上での支援を目的とし、原則1年の期限で訪問と適宜の相談を提供するサービスを利用することとした。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、Bさんが(※ 1 )で利用した制度の名称として、正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Bさん( 50歳、男性)は30代の頃に統合失調症を発症し、両親が自宅で面倒を見ていた。しかし、その両親が交通事故で亡くなると、病状が極めて不安定になり、最終的にX病院に2010年(平成22年)に入院した。入院後1年で病状は落ち着いたものの、退院が迫ると病状が悪化するなど、不安定な状態になることを10年ほど繰り返していた。
地域の相談支援事業所のC精神保健福祉士は、X病院からBさんについて紹介を受け、Bさんに話を聞いた。Bさんは、「退院はともかく、外の世界が今どうなっているかは知りたい。あと病院の外で食事をしてみたい」とぽつぽつと話した。Bさんは、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを利用し、C精神保健福祉士と一緒に社会資源の見学をし、外出のついでに食事などをした。外出のたびにC精神保健福祉士は、Bさんに地域での暮らしをイメージしてもらえるように働きかけた。(※ 1 )
BさんはC精神保健福祉士と一緒に行動するにつれ、退院に興味を持ち始めたが、「身寄りのない自分は困ったときに誰にも相談できない。心細い」と不安を訴えた。C精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを紹介し、随時、退院後の相談に乗ることとした。
退院したBさんは、両親から残された自宅で、上記の支援とホームヘルプサービスを利用して当初生活していた。しかし実際に一人暮らしをしてみると生活上の困難が思いの外大きいことが明らかになり、共同生活援助(グループホーム)を利用することになった。一旦はグループホームに馴染(なじ)んだかに見えたBさんだったが、そのうちC精神保健福祉士に、「人と一緒に暮らすのは自分にはどうしても向いていない「にぎやかな感じが苦手」という訴えを漏らすようになった。そこでC精神保健福祉士は、Bさんと相談しながら改めて自宅での生活を検討した。
その中で、ある法律の改正で2018年(平成30年)に新設された、居宅における自立した生活を営む上での支援を目的とし、原則1年の期限で訪問と適宜の相談を提供するサービスを利用することとした。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、Bさんが(※ 1 )で利用した制度の名称として、正しいものを1つ選びなさい。
- 行動援護
- 同行援護
- 機能訓練
- 地域移行支援
- 成年後見制度利用支援事業
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、 4 です。
1.適切ではありません。
行動援護は、知的障害や精神障害により、自分一人で行動することが著しく困難であって常時介護を必要とする場合に受けることができる支援です。事例では、地域へ移行するための支援であるため、適切ではありません。
2.適切ではありません。
同行援護は、移動に著しい困難を持つ視覚障害のある方が外出する時に、本人に同行して移動に必要な情報提供、移動の援護等、外出する際に必要な援助を行うことです。事例では、地域へ移行するための支援であるため、適切ではありません。
3.適切ではありません。
機能訓練は、けがや病気、老化で衰えた機能を回復するために、作業療法や理学療法等のリハビリテーションや、生活等の相談や助言を行うものです。事例では、地域へ移行するための支援であるため、適切ではありません。
4.適切です。
地域移行支援は、地域移行に関する相談、地域にある事業所等の体験、宿泊体験や住居確保等を行う支援です。事例は、選択肢のことをしています。
5.適切ではありません。
成年後見制度利用支援事業は、成年後見開始の審判の申立てが困難な対象者に、自治体が申立て費用の助成や後見人報酬を助成する事業です。事例では、地域へ移行するための支援であるため、適切ではありません。
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02
1.×です。行動援護とは、重度知的障害者又は重度精神障害者に対し、行動する際の危険を回避するための援護や外出時における移動中の介護等を提供します。
2.×です。同行援護とは、視覚障害により移動が困難な者に対し、移動に必要な情報提供や移動の援護等を提供していきます。
3.×です。機能訓練とは、高齢者の身体的機能の改善や減退を目的とする訓練です。
4.○です。地域移行支援とは、入所施設に入所している障害者等、住居確保やその他の地域における生活に移行するための活動に関する相談等を行います。
5.×です。成年後見制度利用支援事業とは、成年後見制度に関する理解が不十分である事や、費用負担が困難な事などから、制度の利用ができないという事態を防いでいく事を目的に開始された事業です。
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03
正解は、4 です。
1 不適切です。行動援護とは、知的・精神障害により、常時介護を要する方が受けることができる支援のことです。事例からBさんが常時介護を要することは読み取れません。
2 不適切です。同行援護とは、視覚障害により移動が困難な方が外出時に支援を受けることができるサービスのことです。Bさんは視覚障害を持っているということは読み取れませんので、不適切です。
3 不適切です。機能訓練とはリハビリテーションを指し、主に低下してしまった身体機能を回復する訓練のことです。ここでは地域の暮らしをイメージしてもらえるように働きかけているため、該当しません。
4 適切です。入院生活が長くなったBさんが地域生活へ移行できるよう働きかけている場面です。
5 不適切です。成年後見制度利用支援事業とは、成年後見制度を利用するための費用負担が困難である場合に利用する事業のことです。ここではBさんの地域での暮らしをイメージしてもらえるような働きかけであるため、該当しません。
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