精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問155
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問155 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Bさん( 50歳、男性)は30代の頃に統合失調症を発症し、両親が自宅で面倒を見ていた。しかし、その両親が交通事故で亡くなると、病状が極めて不安定になり、最終的にX病院に2010年(平成22年)に入院した。入院後1年で病状は落ち着いたものの、退院が迫ると病状が悪化するなど、不安定な状態になることを10年ほど繰り返していた。
地域の相談支援事業所のC精神保健福祉士は、X病院からBさんについて紹介を受け、Bさんに話を聞いた。Bさんは、「退院はともかく、外の世界が今どうなっているかは知りたい。あと病院の外で食事をしてみたい」とぽつぽつと話した。Bさんは、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを利用し、C精神保健福祉士と一緒に社会資源の見学をし、外出のついでに食事などをした。外出のたびにC精神保健福祉士は、Bさんに地域での暮らしをイメージしてもらえるように働きかけた。
BさんはC精神保健福祉士と一緒に行動するにつれ、退院に興味を持ち始めたが、「身寄りのない自分は困ったときに誰にも相談できない。心細い」と不安を訴えた。C精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを紹介し、随時、退院後の相談に乗ることとした。
退院したBさんは、両親から残された自宅で、上記の支援とホームヘルプサービスを利用して当初生活していた。しかし実際に一人暮らしをしてみると生活上の困難が思いの外大きいことが明らかになり、共同生活援助(グループホーム)を利用することになった。一旦はグループホームに馴染(なじ)んだかに見えたBさんだったが、そのうちC精神保健福祉士に、「人と一緒に暮らすのは自分にはどうしても向いていない「にぎやかな感じが苦手」という訴えを漏らすようになった。そこでC精神保健福祉士は、Bさんと相談しながら改めて自宅での生活を検討した。
その中で、ある法律の改正で2018年(平成30年)に新設された、居宅における自立した生活を営む上での支援を目的とし、原則1年の期限で訪問と適宜の相談を提供するサービスを利用することとした。(※ 3 )
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、(※ 3 )のサービスを利用する際に必要な手続として、正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Bさん( 50歳、男性)は30代の頃に統合失調症を発症し、両親が自宅で面倒を見ていた。しかし、その両親が交通事故で亡くなると、病状が極めて不安定になり、最終的にX病院に2010年(平成22年)に入院した。入院後1年で病状は落ち着いたものの、退院が迫ると病状が悪化するなど、不安定な状態になることを10年ほど繰り返していた。
地域の相談支援事業所のC精神保健福祉士は、X病院からBさんについて紹介を受け、Bさんに話を聞いた。Bさんは、「退院はともかく、外の世界が今どうなっているかは知りたい。あと病院の外で食事をしてみたい」とぽつぽつと話した。Bさんは、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを利用し、C精神保健福祉士と一緒に社会資源の見学をし、外出のついでに食事などをした。外出のたびにC精神保健福祉士は、Bさんに地域での暮らしをイメージしてもらえるように働きかけた。
BさんはC精神保健福祉士と一緒に行動するにつれ、退院に興味を持ち始めたが、「身寄りのない自分は困ったときに誰にも相談できない。心細い」と不安を訴えた。C精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」における地域相談支援に基づくサービスを紹介し、随時、退院後の相談に乗ることとした。
退院したBさんは、両親から残された自宅で、上記の支援とホームヘルプサービスを利用して当初生活していた。しかし実際に一人暮らしをしてみると生活上の困難が思いの外大きいことが明らかになり、共同生活援助(グループホーム)を利用することになった。一旦はグループホームに馴染(なじ)んだかに見えたBさんだったが、そのうちC精神保健福祉士に、「人と一緒に暮らすのは自分にはどうしても向いていない「にぎやかな感じが苦手」という訴えを漏らすようになった。そこでC精神保健福祉士は、Bさんと相談しながら改めて自宅での生活を検討した。
その中で、ある法律の改正で2018年(平成30年)に新設された、居宅における自立した生活を営む上での支援を目的とし、原則1年の期限で訪問と適宜の相談を提供するサービスを利用することとした。(※ 3 )
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、(※ 3 )のサービスを利用する際に必要な手続として、正しいものを1つ選びなさい。
- 日常生活自立支援事業の利用
- 障害支援区分の認定
- 自立支援医療(精神通院医療)の受給
- サービス等利用計画の作成
- 指定通院医療機関への通院
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「サービス等利用計画の作成」です。
×です。日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等の内、判断能力が不十分な者が地域において自立した生活が送る事ができるよう、利用者との契約に基づいて支援をする事業です。
×です。障害支援区分とは、障害者総合支援法におけるサービス利用申請に対する給付について、障害等の状態により必要な支援を1〜6段階に分けた区分の事です。
×です。自立支援医療とは、精神疾患の治療に掛かる医療費を軽減する公的な制度の事です。
○です。サービス等利用計画とは、障害福祉サービスの支給決定を受けている方が、地域で生活していく時に必要となる様々なサービスを活用していくための計画の事です。
×です。指定通院医療機関とは、地方裁判所より通院決定を下された触法精神障害者等の受け入れができる医療機関です。
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02
事例で、「ある法律の改正で2018年(平成30年)に新設された、居宅における自立した生活を営む上での支援を目的とし、原則1年の期限で訪問と適宜の相談を提供するサービスを利用することとした」のは、自立生活援助事業のことです。
適切ではありません。
事例は、自立生活援助事業のことを述べているため、選択肢は適切ではありません。
適切ではありません。
自立生活援助事業は、訓練等給付になります。そのため、障害支援区分認定はいりません。
適切ではありません。
自立支援医療(精神通院医療)の受給手続きは、自立生活援助事業の利用手続きにおいては特に必要な手続きではありません。
適切です。
サービス等利用計画は、障害者総合支援法のサービスの利用や変更等にその都度作成が必要になります。
適切ではありません。
指定通院医療機関への通院は、地方裁判所の審判にて決定されます。事例は、自立生活援助事業の利用手続きのため、適切ではありません。
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03
正解は、サービス等利用計画の作成 です。
不適切です。日常生活自立支援事業は、判断能力が不十分な方に金銭管理や福祉サービスの利用を支援するサービスです。Bさんは金銭管理に困っているわけではなく、また原則1年の期限という決まりはありません。
不適切です。障害支援区分の認定を受けることにより、介護や訓練給付を受けることができます。Bさんは介護や訓練を受けたいわけではありません。
不適切です。自立支援医療(精神通院医療)は、医療費の自己負担を軽減する制度です。Bさんは医療費の負担に困っているわけではありません。
適切です。障害者総合支援法が平成30年に改正され、「自立生活援助」が新設されました。この事業を利用するためにはサービス等利用計画の作成が必要です。
不適切です。事例に「居宅における自立した生活を営む上での支援を目的とし」とありますので、指定通院医療機関への通院は不適切です。
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